若手バーテンダーを応援しよう!Vol.1
名店「BAR石の華」の期待の若手、川島彩さん。
<後編>

PICK UPピックアップ

若手バーテンダーを応援しよう!Vol.1
名店「BAR石の華」の期待の若手、川島彩さん。
<後編>

new 15.01.2022 #Pick up

Kawashima Aya/川島彩 by「BAR石の華」

どりぷら編集部がお送りする、若手バーテンダー応援企画第一弾。前編に引き続き、「BAR石の華」川島彩さんのインタビューをお届けします。

文:Drink Planet編集部 撮影:Kenichi Katsukawa

Q クラシックカクテルにこだわるのはどうしてですか?



現代のバーシーンで人気を博しているカクテルの原点も、クラシックにあります。

こういう素材の組み合わせ方もあるんだ、とか、シンプルなのにバランスが取れている、とか、いろいろ勉強になりますね。

どうしていまに至るまで残っているのかを考えながら当時のレシピを見直して、それを現代流に構成し直したり、あまり知られていないカクテルを探し出してアレンジしてみたり。


たとえば「ハネムーン」。初めて作ったとき、自身のテイスティングノートには「複雑な味」と感想を残していました。ところが、それから1年ほどしてあらためて練習で作ってみたら、味わいの印象が180度変わったんです。

はちみつを思わせる柔らかな甘味、一体感。練習の積み重ねが味わいになることを実感した1杯でした。

2杯目は、これもクラシックカクテルの「ハネムーン」。甘みと酸味の絶妙なバランスを楽しめる1杯だ。「本来のレシピ通りにアルコールは効かせていますが、いまの嗜好にあわせて甘みはやや控えめに」。

そういう意味で「ブラッド&サンド」も、いい緊張感を感じさせてくれるカクテルです。

うちではベーススピリッツにラフロイグを使うのですが、バランス良くつくると絶妙な風味を感じさせてくれます。

それこそ、毎日コツコツと続けている練習の醍醐味。当たり前のことだけれど、それを続けることが味わいを深めることにつながるのだと教えられます。


昔は、私がカクテルをお作りすることに対して、どこか申し訳なさを感じていました。

せっかく石垣のカクテルを楽しみに足を運んでくださったのに、私が作っていいものか。お客さまは石垣に作ってもらいたいのではないか。要は自信がなかったんです。

でも、自信がないなら自信を持ってお出しできるようになるまで練習すればいいんだと、そう気がついて練習して練習して、いまでは少しだけ自信を持てるようになりました。

お客さまから見て、私がカウンターにいる景色が違和感のないものになっているといいなと思います。

Q バーテンダーとしてのモチベーションは何でしょう?



お客さまの反応ですね。

日々の練習がカクテルの味わいの変化につながり、それがお客さまの反応に現れる。そういう喜びを実感しています。

大会の場合、この時間内にこのカクテルを作ってこういうプレゼンをして……と内容を構成して練習しますよね?

営業はそうはいきません。お客さまもオーダーもそれぞれですし、その時々に想定外のことが起こります。

それにどう対応し、どう喜んでいただくのか。そうしてお客さまに満足いただけたときに、バーテンダーとして計り知れないほどのやりがいを感じます。

憧れのバーテンダー、ですか?

とくに憧れはいませんが、お客さまに安心感を抱いていただける、心を開いていただけるような存在でありたいと思っています。

いろいろな世界を見て視野を広げて、周りの変化や状況にしなやかに反応しつつ、自分の芯はけっしてぶれない。

そういうバーテンダーが理想です。

目の前のことをコツコツと。

Q 川島さんにとってこれからのチャレンジはなんですか?



お客さまに満足していただくことがいちばんのチャレンジであり、不安定な世の中で、目の前にあることをコツコツ続けることが自分の課題だと感じています。

そして昨日よりも今日、今日よりも明日、明日よりもあさってと、一歩ずつ成長し続けること。いずれは石垣と肩を並べられる存在になるまでレベルアップしたいと思っています。

もう一つは、店のメニューに採用してもらえるカクテルをたくさん作り出したい。

うちは季節の素材を使ったカクテルやクラシックカクテルが基本ですが、産地、季節、味のバランス……素材同士の組み合わせの意味を大切しながら、お客さまの心を捉えるカクテルを作っていきたい。

そうした発想やヒントは料理やスイーツからいただくことが多いですね。


この日、締めていたネクタイはなんとコアラ柄!

Q これからのバーシーンに思うことはなんですか?



初めてバーに足を運ぶという方にも、リラックスして楽しんでいただけたらと思います。

まずは、「バーはハードルが高い」という先入観を取り払っていただかなくてはいけないし、そのためには巷で語られている、間違ったルールを正すことでしょうか。

現代に即した常識やマナーが広がればいいと思っていますが、そのためには自分たちで発信していかなくてはいけません。


たくさんの方に居心地のよさを感じてもらうためにできることはなにか。それはバーテンダーの判断力や対応力によるものだと思います。

どのお客さまにどういうタイミングでどう接客するのか、それがうまく噛み合った時に居心地のよさを感じていただけるのだと思います。

コミュニケーションがうまくいけばお客さまの好みも把握しやすく、結果、その方に満足いただけるカクテルをお出しできます。

そのすべてがうまくいったときは自分でも高揚感を感じますね。私が楽しく仕事をしていることはお客さまにも伝わりますし、自然にお客さまも笑顔になります。その経験が自分の自信になる。

そう考えると、バーテンダーってすばらしい仕事だと思います。

SHOP INFORMATION

BAR石の華
150-0002
東京都渋谷区渋谷3-6-2 第二矢木ビル B1F
TEL:03-5485-8405
URL:http://ishinohana.com

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