PICK UPピックアップ
どりぷらが注目する若手バーテンダー!Vol.1
名店「BAR石の華」の期待の若手、川島彩さん。
<前編>
#Pick up
Kawashima Aya/川島彩 by「BAR石の華」
ご存知、石垣忍さんが率いる「BAR石の華」。
新しいカルチャーやムーブメントを生み出す中堅バーテンダーの活躍に対し、近頃は次世代の成長も著しいバー業界。
未来のバーシーンを牽引する若手バーテンダーの存在は見逃せません。どりぷら編集部ではアラウンド&アンダー30世代から注目のバーテンダーをピックアップ、等身大の彼らをご紹介します。
第一弾は「BAR石の華」の川島彩さん!
私の実家が福井県でバーを営んでいまして、バーは自分にとってごく身近な存在でした。
とはいえ、昔からバーテンダーになろうと思っていたわけではありません。
もともと飲食やものづくりに興味があり、将来は好きなことを職業にしたいと考えていたので、高校卒業後、製菓の専門学校に進みました。
同時にアルバイトとして家業を手伝うように。
20歳になってコンペに挑戦するようになると、人間関係が一気に広がってバーテンディングが楽しくなりました。
おすすめのカクテルを、とお願いして作っていただいた「ブラッド&サンド」。「”しっかり計ってしっかり混ぜる”というカクテルの基本の大切さを実感できるカクテル。ベースの個性的なウイスキーを他の素材と調和させ、バランスよく仕上げるのがポイントです」。
福井から東京へ。「BAR石の華」は、空気が常に動いている。
コンペに没頭して数年が経ち、ふと不安になったんです。
家業しか知らないうえに、コンペのための練習に重きを置いていたので、営業もきちんとできていない。
師匠は父親ですから、どうしてもなあなあになってしまう部分がある。
そういうわけで、大会で上京したときにかねてから気になっていた「BAR石の華」に足を運びました。
石垣はコンペで優勝してもそこに留まることなく、常に前進し続けている。そういうイメージがありましたから。
実際にここに来てみたら店の空気が“動いている”ように感じられて、つい、その時の自分の悩みを話してしまっていたんです。
「BAR石の華」で働きたいと思っていたところ、縁があって石垣のもとで修業できることになって。
それから7年経ちますが、いまだに毎日が勉強です。
趣味はコアラの写真を撮ること。休みになると動物園に足を運び、朝から晩までコアラの前に張り付いてシャッターチャンスを狙う。右はそんな作品からの一枚だ。悶絶するほどキュート。
コンペよりも日々の営業に気持ちが向くように。
実家でバーテンダー見習いをしていましたが、ゼロから勉強し直すつもりでこちらに入店しました。
石垣に学んだことはたくさんあります。
まずは仕込みの大切さ。オーナーでありながら掃除、準備、後片付けを率先してやる、そういう姿勢ですね。
それから作ることへ真摯に向き合うこと。
コンペに熱中していたときは、自分をいかによく見せるかに意識が向いていました。
ここでは正反対で、どう見られるかに気を配る余裕があるなら、その分、内容に集中したい。
こちらにきてからは仕込み、営業、素材と向き合う日々で、充実した時間を過ごせています。
その日その時の素材やお客さまに精一杯向き合いたい。そうやって向き合ううちに、私がバーテンディングしている姿がバーの景色になっていく。そうなれたら理想ですね。
1日1杯だけ、師匠の前で作るクラシックカクテル。
はい、実は7年間、一度も欠かしていない練習があります。
毎日、その日の営業が終わってから石垣の前で1杯だけ、クラシックカクテルを作ることです。
初めはフォームの矯正。動画を撮ってもらい、身体の使い方、足の位置、意識する身体の部位など、基本的なことを指導してもらいました。
身体の使い方を覚えてからはカクテルの中身を掘り下げるように。味わいのイメージをイラスト化するなどして、それぞれのカクテルへの理解を深めるようにしました。
いまではカクテルをテイスティングしてもらい、その感想をいただいています。
その場には後輩もおりまして、彼はそれを味わうことでカクテルの勉強をしています。
後編ではクラシックカクテルへのこだわり、これからの目標など、引き続き川島さんの心象に迫ります!
SHOP INFORMATION
BAR石の華 | |
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