スターバックス発、
コーヒーカクテル最前線!
<前編>

PICK UPピックアップ

スターバックス発、
コーヒーカクテル最前線!
<前編>

01.09.2019 #Pick up

Ofuchi Shuichi/大渕修一 by「ARRIVIAMO™ BAR」

多くのバーテンダーが“ネクスト”エスプレッソマティーニを探しているいま、次に来そうなカクテルと、コーヒーカクテルの最前線をスターバックスから考察する。

文:Ryoko Kuraishi

今年2月にオープンした「スターバックス リザーブ® ロースタリー 東京」。1階にはメインバーや焙煎設備、イタリアンベーカリーの「Princi®」、グッズ販売コーナーなどが、2階には「TEAVANA™」の世界最大のティーバーを備え、用途によって様々な楽しみ方ができる。3階に位置するのが「ARRIVIAMO™ BAR」だ。

”ネクスト”エスプレッソマティーニは、 コールドブリューがキーワード。

コーヒーカクテルの勢いが止まらない。


エスプレッソマティーニに続いて、エスプレッソトニックがヨーロッパからアメリカを席巻、
バーテンダーとバリスタ、双方の視点を反映したさまざまなカクテルが生まれ、新しいドリンク文化を育んでいる。


最新の動向を、コーヒーカクテルの第一人者で、現在は「スターバックス リザーブ ロースタリー® 東京」にある日本初上陸のカクテルバー、「アリビアーモ™ バー」でチーフバーテンダーを務める大渕修一さんに解説していただこう。


まずは現在のコーヒーカクテル事情から。


「ミクソロジー文化が成熟する中で、カクテルの副材料として様々な食材に光があたり、その調理方法や素材の特性がフォーカスされるようになった。
スペシャルティコーヒーに代表される上質なコーヒーが簡単に手に入るようになった現代、コーヒーカクテルがブレイクするのは必然だと思っています」

尖ったレシピが多い印象の大渕さんと、「親しみやすさ」「馴染みやすさ」を求める客層を持つスターバックス・テイストとの融合も興味深いところ。

コーヒーにない要素をアルコールで補う、それがコーヒーカクテルだ!

ここ数年、カフェでもアルコールへの理解が深まっていることから、従来の「コーヒーの味わいを損ねない」という視点から「コーヒーの特性を生かしつつ、そこにない要素をアルコールで表現する」という方向性へ舵が切られている。


「つまりコーヒーとアルコールのマッチングに多様性が生まれているということです。
どういうアルコールを合わせれば、コーヒーにないニュアンスを持たせることができるか。


コーヒーとアルコール、どちらへの理解も深めることでよりクオリティの高いコーヒーカクテルが生まれるようになったと言えるでしょう」


実際、「ロースタリー 東京」でもコーヒーカクテルを積極的にアピールしている。


「スターバックスのお店にお越しいただくお客さまがみな、エスプレッソマティーニを知っているかといえばそうではないですが、“スターバックスが提供するコーヒーを使ったお酒”というとかなりフックがあります。


今までカクテルには縁がなかったという方にコーヒーカクテルを知ってもらえる場を作れるのは、スターバックスのブランドの強みだと思っています」

コールドブリューコーヒーで爽やかに仕上げる「コールドブリュー ジントニック」(トップ画像)¥1,300。

注目すべきは、苦味よりもフルーティさ、爽やかさ。

さて、今回は「コーヒー=苦い」という先入観を覆すオリジナルカクテルを大渕さんに紹介してもらった。


「“ロースタリー 東京らしいカクテル”ということで、コーヒーの持つ『すっきり、爽やか』というニュアンスを強調するドリンクを3種用意しました。
コールドブリュー ジントニックとエスプレッソ マティーニ、ニュー トーキョー ファッションです」


最初の1杯は、大渕さん自身もお気に入りという「コールドブリュー ジントニック」。


フルーティかつコシのあるケニヤ産のコールドブリューコーヒーには、同じようなフルーティさとコシを備えるタンカレーをチョイス。
さらに、ル・ジンで華やかさを強調し、アプリコットピューレでフルーツの酸を際立たせる。


「バーでコーヒーカクテルを提供する場合、抽出方法の問題があります。
抽出器具は色々ありますが味のばらつきがあるし、例えばバーカウンターにエスプレッソマシンを置くのは現実的ではない。オペレーションを考えるとハンドドリップは難しい。
その問題に対する答えの1つがコールドブリューです」

「エスプレッソ マティーニ」¥1,300。使ったコーヒー豆を解説したカードを添えてくれる。この日はケニヤ産ウカンバニを使用。

バーのコーヒー問題はコールドブリューが解決!

「味のバラつきが少ないこと、仕込みに手間がかからないという点で非常に有効。
どこかにゲストバーテンディングをする際は先にレシピだけ送って作っておいてもらうことも可能なわけです。
水だけでなくジュースやココナッツウォーターで抽出することもできるので味わいの幅も広がりますね」


というわけで、エスプレッソマティーニの次は、コールドブリューを使ったジントニックがくる!というのが大渕さんの見立てだ。


実際、ベースになるエスプレッソによって大成功にも大失敗にもなりうるエスプレッソマティーニより安定感があり、気軽に手を出せる。
おまけにコーヒーとジントニックという、対極にあるもののマッチングが面白いケミストリーを生み出す。


「このジントニックを飲むと、コーヒーは苦味だけでなくフルーティさ、爽やかさという個性を備えているとわかってもらえると思いますよ」


店内に設置された大きな焙煎機。希少なコーヒー豆を、それぞれに適した条件で丁寧に焙煎する。「アリビアーモ™ バー」では毎日、ロースターの指示により、ディカフェ1種を含む3〜4種の豆を用意している。「ロースターが決めた豆に合わせてカクテルレシピも少しずつ変えています」(大渕さん)。

2杯目はド定番の「エスプレッソ マティーニ」だ。
従来のエスプレッソマティーニといえばコーヒーらしい苦味とこっくりしたコクのハーモニーを思い浮かべるが、ここではあえての「爽やか」路線を貫いている。


「エスプレッソとケテルワンに自家製シェリーシロップ、アプリコットピューレ、スロージンを合わせています。


ポイントはアプリコットピューレ。
これはフレーバーではなく、酸に注目して選んだもので、アプリコットの酸味はレモンやライムを思わせるしっかりしたものでありながら、柑橘の酸よりもコーヒーのフルーティな個性となじみがいいのです」


後編でも「アリビアーモ™ バー」らしいドリンクから、コーヒーカクテルの現在を見ていこう。


後編に続く。

SHOP INFORMATION

ARRIVIAMO™ BAR
東京都目黒区青葉台2-19-23
スターバックス リザーブ® ロースタリー 東京
TEL:03-6417-0202
URL:https://www.starbucks.co.jp/roastery/

SPECIAL FEATURE特集