バーシーンのネクストトレンドは、
イタリア発のクラフトリキュール!
<後編>

PICK UPピックアップ

バーシーンのネクストトレンドは、
イタリア発のクラフトリキュール!
<後編>

#Pick up

Nomiya Yusuke/野宮裕介 by「LIQUORERIA」

クラフトシーンの最右翼、クラフトリキュールから、「LIQUORERIA」おすすめの造り手をご紹介!

文:Ryoko Kuraishi

「ベルガモット」を手がける、ピエモンテのクアリャ蒸留所。こんな写真を見てしまったら想像力が掻き立てられるはず。

本番・イタリアのバールで、バールマンとしてキャリアを積んできた野宮裕介さんが運営する「LIQUORERIA(リクオレリア)」。


現在、取り扱うのは2銘柄。
いずれも造り手の思いが凝縮されたクラフトリキュールだ。


「ピエモンテ州はトリノの郊外にある蒸留所クアリャが造る『BERGAMOTTO(ベルガモット)』は、香水や紅茶のフレーバーで知られる柑橘類のベルガモットをふんだんに使った爽やかなリキュール。

“柑橘類の宝庫”と呼ばれる、イタリア半島南端のカラブリア州で造られています。
世界中で使われているベルガモットはカラブリア以外ではうまく育ちません。

生産量が限られていることから、人口香料が使われることも多いのですが、これは100%フレッシュな天然ベルガモットを使って仕込んでいます」

サワーチェリーの豊かな香りとフルーティな余韻。甘味と酸味が心地よい「ウィシラ」は女性受けもバツグン。

おすすめの飲み方は?

「ベルガモットのフレーバーを生かすトニックウォーターやソーダ割りがおすすめ。

レモンサワーやハイボールの感覚でごくごく飲めて、しかもイタリアン気分を気軽に味わえます。

夏の午後や夕暮れ時、まだ日が沈む前に外で飲んだら最高ですが、寒い季節はお湯割りにしてもいい。

友人と賑やかに、はたまた異性とロマンティックに。
色々なシチュエーションを楽しめるリキュールです」

Bar Helissioの上澤秀徳さんは、「ウィシラ」にウッドフォードリザーブ、自家製のチョコレートビターズ、シナモンティンクチャーで「マンハッタン」を思わせるカクテルを提案してくれた。

生産者の顔が見えるリキュールにこだわる。

もう1名柄は、イタリア中部・アドリア海に面したマルケ州特産のヴィショラ(サワーチェリー)を赤ワインに漬け込んだフレーバードワイン、「ウィシラ」。


「酸味が強すぎて食用には適さないヴィショラですが、とにかく香りが素晴らしい。
6月に手摘みしたヴィショラを、前年に仕込んだアレアティコ種とモンテプルチアーノ種の赤ワインに1〜4ヶ月漬け込んでできるのがこの『ウィシラ』。

甘味と酸味のバランスが絶妙で女性にも人気です。

10〜12度に冷やしていただくのが最高ですが、湯煎してシナモンやクローブなどのスパイスを浮かべたら、冬にぴったりのホットカクテルに。

ジェラートや焼き菓子とのペアリングも良さそうですし、自分なりのレシピを開発できそう」

フィレンツェの名店「カフェチブレオ」での野宮さん。ここでも、「ベルガモット」と「ウィシラ」は 地元の常連客や世界中から集まるグルメたちに愛されている。

造り手は、マルケ州のぺルゴラで100年に渡ってワインを手がけるトネッリ家。
4代目 のステファノさんが満を持して完成させたのが、こちらのエレガントなフレーバードワインだ。

「LIQUORERIA」ではこのように生産者の顔が見えるリキュールを扱いたいそう。


「これまで日本で紹介されてきたのは、世界的なメーカーが造る”インダストリアーレ”のリキュールがほとんどでした。
味が均一化されたそれが悪いわけではないけれど、それとは違ったリキュールがあることを知ってもらいたい。

イタリアには、リクオリスタと呼ばれるリキュール専門の蒸留家が造るクラフトリキュールがたくさんあります。
リクオリスタが丹精込めて造る『アルティジャナーレ』のリキュールはイタリアが誇る手工芸文化の一つ、いわば液体の芸術です。

イタリア生まれのスローフード運動が根付いた日本には、クラフトリキュールを受け入れる土壌ができていると思うんです。

他ではお目にかかれないクラフトのリキュールと、それにまつわる文化をお伝えするのが『LIQUORERIA』の役目だと思っています」

先祖伝来のレシピを受け継いで、100年以上も操業する蒸留所だって少なくない。
そういうレシピには、土地の作物、それを育む風土を大切にしようという造り手の姿勢があらわれている、と野宮さん。


造り手が後世に残したいと願っているのは、自分たちにしかできないものづくりの有り様はもちろん、その土地に紐づく風景や個性なのである。


「それを口にすれば、それが造られた土地を旅した気分になる、その風景をまざまざと思い浮かべられる。
そんな、『イタリアを旅するリキュール』をご紹介したいと思っています」


年内にさらに12銘柄、来年には30銘柄をローンチ予定という「LIQUORERIA」。
日本のバーシーンを変えるかもしれないイタリアンクラフトリキュール、要チェックです!

SHOP INFORMATION

LIQUORERIA
東京都中央区銀座1-16-7銀座大栄ビル5F
info@liquoreria.com
URL:http://liquoreria.com

SPECIAL FEATURE特別取材