未曽有のパンデミックを越えて
シカゴで花開く「Bar Kumiko」の美学。
<前編>

INTERVIEWバーテンダーインタビュー

未曽有のパンデミックを越えて
シカゴで花開く「Bar Kumiko」の美学。
<前編>

#Interview

Julia Momose/ジュリア百瀬

わずかな希望を信じ、コロナ禍のシカゴで、無数のバーを救ったミクソロジスト、「Bar Kumiko」のジュリア百瀬さん。彼女が魅せられた「組子」の美学・哲学とは!? そして「おまかせ」スタイルのバーとは!?

文:Chiyo Yamauchi (NY在住)

「Bar Kumiko」のメインカウンター。

「30歳になるまでに、自分の店を持ちたい」

2018年の年末、約2週間後に誕生日を控えていた彼女は、見事にその夢を叶えた。

店の名前は「Bar Kumiko」。

「Kumiko」とは人の名前ではなく、「組子細工」に由来する、とこの店の共同オーナーでヘッド・バーテンダーのジュリア百瀬さんは語る。

繊細な桟が幾重にも重なり合うことで、さまざまな紋様を描き出す日本の伝統技術「組子」。

その見た目の美しさだけでなく、小さなものの重なり合いによって築かれる壮大な世界観に惹かれたのだと、彼女はいう。

店内には、厄除けの意味を持つ、三角形の集合体で描かれた「麻の葉」や、健康や不老長寿の意味を持つ「胡麻」模様の組子がインテリアとして用いられている。

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