今月のカクテル
無限の可能性？！シュラブ

華やぐ12月。
集いの機会も多く、お酒やカクテルがひときわその存在を増す時期です。

特に、モクテルの人気や広まりと共に、注目度とその活用頻度も高まってきているのが「シュラブ」。

ひと言で言えば、「シュラブ」は「ビネガーノンアルコールドリンク」。
ビネガーに、フルーツ、ハーブ、スパイスなどを浸漬させてつくったもの。

ワインの酸味は人間でいえば“骨格”に例えられますが、ビネガーの酸味や複雑な風味は、カクテルに「コク」や「キレ」「苦味」など、奥深い味わいを演出することができ、他の素材にはない魅力を備えています。

スイーツに触れる機会も多いこの時期だからこと、「シュラブ」の程よい酸味が心地よく引き立ちます！

組み合わせは無限大！

「シュラブ」は多くのカクテルに使われていますが、そのほとんどは自家製。
作り方はシンプルですし、風味の個性を構成できる面白さも。

例えば、簡単なものでは
・　イチゴ＋白砂糖＋赤ワインビネガー、バルサミコ酢少々
・　ブルーベリー＋薄切り生姜＋リンゴ酢
・　桃＋カルダモンポッド＋蜂蜜＋リンゴ酢
・　ザクロ＋粒コショウ＋白砂糖＋赤ワインビネガー
・　洋梨＋スターアニス＋黒砂糖＋白ワインビネガー
白砂糖の代わりに、やさしい甘味と香ばしさを持つ「きび砂糖」や上品で穏やかな風味の「和三盆」を使うと、ビネガーの酸をまろやかに活かせるのではないでしょうか！

素材としては、タマリンドやターメリックなどで風味付けをしたエスニック風「シュラブ」も、スターアニスやクローブ、フェンネルを使ったアブサン風も魅力です。

野菜もシュラブに適しています。
キュウリとピンクペッパーコーン、ディルのシュラブをジントニックに入れたり、トマト、チリ、セロリソルトでブラッディ・マリーをアレンジするのも楽しいはず。
ヘルシーなものなら、砂糖を半分にして、すりおろしたビーツとジュニパーベリーとリンゴ酢で。

「シュラブ」の風味の組み合わせも使い方も無限大！
カクテルやモクテルだけでなく、お気に入りのお酒をショットで飲む時にソーダで割った「シュラブ」を傍らに、なんていうのもアリ？！

今月のトップ画像は

自家製「シュラブ」が生きるカクテルを３点。

＜左＞　　
カクテル名 / バーテンダー名： An English Tea アン・イングリッシュティー by 1930 Bar Team
バー名： １９３０ / 場所は非公開
グレープフルーツとローズのシュラブ、ちょっと工夫を施されたカモミールオイルやハチミツなどの複雑さが魅力の一杯

＜中＞
カクテル名 / バーテンダー名： Rhubarb Shrub ルバーブ・シュラブ by ローラ・ハシン さん
バー名： Getaway / ニューヨーク
NY初のノンアルコールバーがGetaway。ビネガー特有のキックのある酸味が特徴

＜右＞
カクテル名 / バーテンダー名： Foxy Lady フォクシー・レディ by 宇塚健 さん
バー名：PR BAR/ 東京都渋谷区（取材当時）（現在：Dōngxī Restaurant & Sakaba / 東京都渋谷区）
ベリー類、ザクロのシュラブといった赤い果実系の味わいが、華やかさと共に美味しいバランスをキープしているカクテル

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