【緊急インタビュー/コロナ危機に際して②】
「Bar 霞町 嵐」竹田英和さん

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【緊急インタビュー/コロナ危機に際して②】
「Bar 霞町 嵐」竹田英和さん

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提供:Drink Planet編集部

新型コロナウイルスの感染拡大により、バー業界にも大きな影響がおよぶなか、「Bar 霞町 嵐」オーナーバーテンダーの竹田英和さんに話を伺いました。皆さまにとって少しでも役に立つことを願って。

以下のインタビューは、2020年4月15日(水)にご回答をいただいたものです。

Q1
本年4月6日より、新型コロナウイルス感染拡大防止対策として、貴店の営業を自粛されていますが、新型コロナウイルスの問題が発生してから営業自粛までの経緯を、時系列でお教えいただけますか。


「実のところ、2月から3月にかけては新型コロナウイルスの影響があまりなく、高水準で営業していました。空気が変わったのは3月26日。小池東京都知事が安倍首相に緊急要望を申し入れ、東京都の感染者数が過去最多の47人を記録してからです」

「その日から明らかに来店者数が減少して、4月に入ると軒並み飲食店が休業になりました。4月7日には国からの『緊急事態宣言』発令を受けて、都はその措置として『都民の命を守る』ことを第一の目的とし、11日にはバーも含めた6分野に休業要請を行いました」

「話は前後しますが、4月に入り、まことしやかに囁かれていた『緊急事態宣言』が発令された場合、当店は休業すると決めていました。そして4月6日に、翌7日に『緊急事態宣言』が発令されるというニュースを知り、6日から急遽休業することに……」

「その日は、長期休業に備えるべく、まずSNSでの告知とメルマガ登録のお客さまへのご報告、各業者さまへの連絡、在庫処分、店内清掃、それから今後の動き方を検討するべくスタッフと緊急ミーティングを行いました」

Q2
営業自粛までは、どのような新型コロナウイルス対策をされてきましたか。


「当店では『新型コロナウイルス感染拡大防止への五つの取り組み(以下参照)』と銘打って対処を行ってきました」

①アルコール消毒液の設置
各テーブルにアルコール消毒液を設置し、入店時には、アルコール消毒のご協力をお願いしております。

②入店時の赤外線の体温検査
入店の際に、全てのお客様に赤外線による体温検査を実施しております。体温が37,5℃以上で体調不良を感じるお客様の入店は、ご遠慮いただくようお願いする場合がございます。

③椅子の間隔を1m以上確保
近距離での会話・密接・密集状態を避けるため、椅子の間隔を1m以上離して、安全を確保できるようにしております。

④店内アルコール清掃の強化
各テーブルや椅子、化粧室やドアノブなど、不特定多数の方がご利用になる店内共有部分につきましては、アルコール消毒液による拭き取り、清掃を1時間ごとに実施しております。

⑤定期的な店内換気
店内の密閉を避けるため、1時間ごとに5分間店内換気を行っております。

「またスタッフに関しては、可能な範囲でのマスク応対、営業前の体温検査、営業中も1時間ごとの手洗い・うがい、といった対策を徹底してきました」

Q3
営業自粛を決断された最大の理由をお教えいただけますか。


「理由は大きく二つあります。一つは人道面、もう一つは経営面です」

「人道面は、言うまでもなく、お客さまと従業員の安全確保」

「経営面という意味では、コロナ特例による助成金や給付金を受け取るには“休業”が条件となるからです」

「事業者への措置として、人件費の助成、国からの給付、都からの給付。従業員への措置として、個人の給付、個人の家賃への補助などを考慮すると、休業しても十分に対応できると判断しました。逆にお客さまのご来店があまり見込めない中で営業を続けても、従業員に負担をかけてしまうだけですから」

Q4
営業自粛中の今だからこそ、営業再開に向けてやっていることはございますか。


「従業員には、教育訓練として週2回出勤させております。十分な手洗い・うがいと体温検査をしてから、掃除業務や技術練習、知識習得を行っております。ちなみに弊社では自転車通勤を奨励しておりますので、従業員は公共交通機関を使っておりません」

「私自身はというと、前述した通り、助成金や給付金などの書類作成や申請の日々です。もしかしたら普段の営業よりも忙しいかもしれません(笑)」

「またSNS等で、現在弊社が取り組んでいる各省庁や都による助成金・給付金の情報を、同業者の方々に向けて発信しております。少しでも参考にしていただければ幸いです」

※編集部注:竹田英和さんのfacebookはこちらへ。

Q5
多くのバーテンダー、バー経営者がこの時期の過ごし方を迷われていると思いますが、バーテンダーとしてこの時期に必ずやっておくべきこと、また逆に絶対にやってはいけないこと、はございますか。


「前述したように、従業員は週2回、教育日として出勤しています。これは、雇用調整助成金における『教育訓練』の対象となるからです」

「あとは自宅内での適度な運動ですね」

「やってはいけないこと……、深酒! やけ酒! 叫(酒)ばない!」

Q6
この時期、バー業界全体として取り組まなければいけないことはなんでしょうか。


「手洗い・うがいを怠らず、店を清潔にキープし、技術練習を行い、さらには知識の勉強。それから適度に運動して、愚痴をやたらとこぼさず、冷静に状況を判断し、いざという時にきちんとお客さまを迎えられるように健康であることでしょうか。要は準備しておきましょう、ってことです」

「少し話は逸れますが、この経験はきっと未来への糧になるはずです。こんな時期に不安を煽るわけではありませんが、日本は地震や噴火、台風、豪雨といった災害にいつ見舞われてもおかしくありません。今後の有事の際の判断材料となるように、今見聞きしたものや行動したことを、しっかりと記憶しておくことが大切だと思います」

「また現在日本のバーは、産業分類上、飲食サービス業における遊興飲食店というくくりです。我々バーテンダーは、先人が築き上げたジャパニーズバーテンディングの技術鍛錬とおもてなしの心を継承するべく、法整備を含めて、バーという業種の確立に向けて動くべき時期に来ているのではないでしょうか。少し長期的な展望ですが、コロナ危機に際し、そんなことも考えております」

Q7
アフターコロナ(ウィズコロナ)の展望についてお聞かせください。新型コロナウイルスの問題を乗り越えた後、バーの在り方はどのように変化するとお考えでしょうか。


「バーテンダーは、バー(カウンター)にテンダー(優しい人)がいるからバーテンダー。基本は変わりません」

「テイクアウトでもノンアルコールでもコーヒーカクテルでも、フレアでもクラシックでもミクソロジーでも、業態やスタイルはなんでもいい! 私はカウンターにバーテンダーがいる事を守りたいです」

Q8
最後に全国各地、世界各国のバー業界関係者に向けて、メッセージをいただけますでしょうか?


落ち着いたら、弥栄(いやさか)しましょうね!ヾ(*´∀`*)ノ

★Bar 霞町 嵐
東京都港区西麻布3-23-14 内田邸 B1F
03-5772-8811
www.bar-arashi.com

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