アガベスリッツの奥深さに触れる!
コンテンポラリーなメキシカンラウンジへ。
<後編>

PICK UPピックアップ

アガベスリッツの奥深さに触れる!
コンテンポラリーなメキシカンラウンジへ。
<後編>

#Pick up

Kawano Narumi /河野成未 by「RUBIA」

渋谷に誕生したフュージョンメキシカン・ダイニング、「RUBIA」のシグネチャーカクテルを紹介する今月。前編に続き、メスカルやテキーラ、ソトルがベースのユニークなカクテルが続々登場!

文:Ryoko Kuraishi

ハイビスカスの花の酸味を生かしたさわやかなロングカクテル、「MEZCALUPE」¥1,650。Photos by Kenichi Katsukawa

メキシコ×日本のフュージョンをテーマにしたカクテルが楽しめる「RUBIA」のミクソロジー・ラウンジ。


オーナーのSARASAさんが提案してくれたのは、ここならではのシグネチャーカクテルだ。


前編でご紹介した、店名を冠した「RUBIA」の次に現れたのは、メスカル・ベースの「MEZCALUPE(メスカルーペ)」。


梅干しを思わせる酸味が特徴の乾燥ハイビスカスの花(アグア・デ・ハマイカの原料)をジンに浸漬、メスカルとインフューズドジンにベルモットを加え、トニックウォーターでアップしたカクテルだ。


ガーニッシュに添えた大葉をグアダルーペの後光に見立て、MEZCALUPE(メスカルーペ)と名付けた。

シーズナルカクテルの「Menoka(メノカ)」¥1,430。ソトル、ジン、メキシコのココナッツリキュールにマラスキーノ、レモンジュース、アガベシロップ、ラベンダービターで構成されたさわやかな一杯。仕上げのトリュフオイルが効いている。

「大葉ともマッチするハイビスカスのさわやかな酸味をアクセントにしたロングカクテルで、いわば『RUBIA』におけるジントニックのような存在。

これからの季節、暑い日にごくごく飲んでいただきたいカクテルです」(バーテンダー・河野成未さん)


定番としてオンメニューするのは、「RUBIA」、「MEZCALUPE」など全5種のカクテル。


いずれもテキーラやメスカル、あるいはアガベスピリッツの一種であるライシラやバッカノーラに日本の食材を合わせており、メキシコと日本の食文化を一つのカクテル表現した、ほかでは味わえないレシピになっている。

「Menoka」とペアリングした料理は、「稚鮎のタコス、スイカとかんずりのソース」¥980。

シーズナルカクテルには旬の食材をふんだんに。

RUBIAが大切にする「食文化の融合」をより体感できるのが、旬の食材を主役にしたシーズナルカクテルだ。


たとえば、夏のカクテルとして提案するのが「Menoka(メノカ)」。


これはジンをベースにソトルを加え、ミョウガをアクセントにしている。



「ソトルの原料はダシリリオンですが、アスパラガスを思わせる優しい甘み、香りを醸してくれます。

それがミョウガの青い香りと絶妙に合うんです。

ヒノキを思わせるソトル由来のウッディな風味が、この余韻を引き立ててくれます」(河野さん)


仕上げにトリュフオイルを2滴加える。口をグラスに近づけると、ふくよかなトリュフがふわりと香る、という仕掛けだ。


これ以外にも、桃やパプリカなど夏の野菜や果物を使用したカクテルを準備中だとか。

カクテルと一緒に味わうコンテンポラリー・メキシカン。

「RUBIA」ではカクテルと料理のペアリングを提案することもあるというので、「Menoka」とマッチする料理を紹介してもらった。


「稚鮎のタコス、スイカとかんずりのソース」は、フライした稚鮎に乗りをあしらい、スイカとかんずりのソースでいただくタコス。


「カクテルとのペアリングを意識して、ソースの酸味は控えめに。

カクテルと一緒に味わっていただくと、カクテルの酸味がソースの役割を果たしてくれるはず。

鮎を美味しく味わっていただくために、スイカのフレッシュなソースにかんずりの辛みを加えてみました。

タコスの上にあしらった青のりが、カクテルの仕上げのトリュフオイルとのつなぎ役になってくれるはず」(山崎真人シェフ)


ベースとなるのはあくまでもメキシカン。それをどう日本の食材に転換するのかが鍵になる、と山崎シェフは言う。

「『RUBIA』の料理の味付けはあくまでも繊細でやさしく。

食材をパウダー状にしたり、オイルに仕込んでみたり、口にいれたときの味わいが重層的になるように、余韻や香りに厚みが出るように意識しています」(山崎シェフ)


なんでもメキシコの食のシーンではアジア料理がトレンドになっているそうで、海苔などの食材が注目されているそう。


「カクテルもそうですが、料理に関してもメキシコ人から『新しくて面白い、そしてちゃんとおいしい』と評価してもらえるよう、メキシコ料理への敬意を忘れないようにしています」(SARASAさん)


このように、独自の感性で日本とメキシコの融合を図る「RUBIA」。


日本人、メキシコ人だけでなく海外から来日する多くの人に「RUBIA」ならではのフュージョンスタイルを伝えていきたいと考えている。


「いまはコロナで海外への行き来も制限されていますが、いずれは『日本発のタコス』を武器に国外でも展開してみたいと考えています」(SARASAさん)


日本とメキシコのコラボレーションがどう受け入れられるのか。SARASAさんとRUBIAの今後にご期待ください!

SHOP INFORMATION

RUBIA
東京都渋谷区宇田川町13-4 コクサイビルC館
TEL:03-6416–5253
URL:www.instagram.com/rubia_tokyo/

SPECIAL FEATURE特別取材