知られざる素顔に迫る!
SHOKOが語るNow & Then
<前編>

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#Pick up

SHOKOさん

どりぷら初登場から丸3年。フレアバーテンダー、SHOKOさんが満を持して再登場!パフォーマーとして進化を続けるSHOKOの今、そして未来を、撮り下ろしカットとともにご紹介します!

文:Ryoko Kuraishi

2時間を超えるロングインタビューに応えてくれたSHOKOさん。

「美人すぎるフレアバーテンダー」として彗星のように現れ、メディアを席巻したSHOKOこと富田晶子さん。
現在もテレビのレギュラー番組にショー、イベント出演と、相変わらず八面六臂の活躍を続けているのはご存知の通り。

さて、SHOKOさんといえばその容姿もさることながら、フレアの世界大会にて女性で初優勝!というずば抜けたテクニックの持ち主として知られている。
女性フレアバーテンダーとしては世界的にも非常に珍しい、4本のボトルを自在に操る実力派であり、男性を含めても世界に5人といないボトル5本のカスケードにも挑戦する気骨の持ち主。

4本のボトルを足に挟む「Shoko Quattro Flamingoは彼女しかできないオリジナルの技だ。
フレアの技を盛り込んだ独自のショーには兼ねてから定評があったが、近年はその世界観がますます広がり、演出にも磨きがかかったと話題なのだ。

今月はそんなSHOKOさんにスペシャルインタビュー!
脚光を浴び始めた当時に思い悩んだこと、未来の目標やフレアバーテンディングとショーへ懸ける思いまで、現在のSHOKOさんの心境を余すことなく語ってもらいました!

今年はTokyo インターナショナル・バーショーでもパフォーマンスを披露した。

どりぷらの「World Topics」のコーナーに初登場いただいたのはちょうど3年前のこと。
あれからNHK「エル・ムンド」にレギュラー出演、映画『探偵はBARにいる2』出演など、ますます活躍の場を広げている。

「テレビ番組やさまざまなイベントをきっかけに、他業種の第一線で活躍される方にお会いするようになって自分自身も随分成長できたと思います。
そうした方々に比べたら、自分の考えとか思いなんてまだ生まれたてのひよこのようなものなんだけど(笑)、自分の可能性を強く信じることを教えてもらいました。
そうですね、昔よりもものごとを柔軟に受け入れられるようになったかな」


今だから話せることだが、「美人すぎる」として話題をさらった当時は、登場が鮮烈だった分、バッシングも激しかったという。
ただフレアが好きで、見てもらう人に喜んでもらいたい一心でボトルを投げていただけなのに、いつしか「美人すぎる」という形容詞だけが一人歩きしていた。
それこそ「二度とメディアには出るまい!」と思わせるような、つらい経験も少なからずあったとか。


「ほんのちょっと写真映りが良かっただけで『美人すぎる』と言われたもんだから、中傷の嵐でした。
何度も心が折れそうになって、もうテレビも雑誌もこりごり!なんて思ったことも。
それでも、当初から私を支えてくださったプロデューサーやスタッフの方に救われて」

グアムの世界大会で見事、優勝したときの記念ショット。

そのプロデューサーは、SHOKOさんをこんな風に諭したそうだ。

「素晴らしい技術を持つバーテンダー、あるいはフレアバーテンダーはたくさんいるけれど、そういうキャッチで世に出てきた人はまだ一人もいない。
それで注目が集まるなら、それを逆手に誰かのためにチャンスを作ってあげる機会だと思えばいい。
SHOKOが出てきたことでフレアの知名度が少しでも上がったり、みんながバーに足を運ぶようになったり、あるいはそこから才能のある若手が注目されるようになれば、SHOKOが今、やっていることは次の誰かのステージに生かされるから」


「それですごく楽になりました。
自分一人ではがんばれなくても、それが誰かのためになると考えられたら、それだけで力をもらえる。
だから以降はどんな内容のものでも出演依頼は全部お受けして、とにかく全力で続けようと気持ちを切り替えて」


「美人すぎる」というキャッチに惹かれてのオファーかもしれないが、そのステージでは120%のパフォーマンスを披露して、「美人」という冠を忘れさせよう。
自分がどういう人間かを見せるのは、ステージでのたった30分にかかっているのだから。
そんな風にパフォーマンスの精度をより高めていった結果か、
「おかげさまで少しは内容を認めてもらえるようになったのかな。
現在は『美人すぎる』というキャッチなしに、パフォーマー・富田晶子として出演依頼をいただくことも多くなりました」

仕事で訪れたトルコ・カッパドキアでパフォーマンス!

3年間続けたことで様々な人と出会い、影響を受けた。
視聴者、読者からの励ましやメッセージも大きな力になったと言う。
そうした励ましや出会いがあればこそ、その期待に応えるべく、やるんだったら120%以上のものを見せたい、自分にできる精一杯をやってみよう、そんな真摯な気持ちを忘れないでいられるという。
全てのショウ、イベント、収録、撮影に、初心で臨んでいる。


そうやって腹をくくったことが契機になり、新しいことにも臆すること無く挑戦するようになった。
ありのままを受け入れられるようになって、今の自分の立ち位置や、やらなくてはならないことが客観的に見えるようになったのも、そうした葛藤のおかげなのだそう。


「もちろん、本番だけ全力でも意味ないんです。
本番でうまくいくかいかないか、それはそこまでの練習、プロセスがモノを言う。
そして時間は限られていますから、その中で本番のための準備をいかに行うか。
だから以前に比べて時間の使い方がうまくなりました。
闇雲に練習するのではなく、使える時間を有効に使って効果的な練習、プレゼンを行う、というように」


プロとしていくつものステージに立つうちに、観客のムードや気持ちに敏感に寄り添えるようになった。
以前はフレアバーテンダーとしてフレアの練習しかして来なかったが、観客の気持ちに応えるためには、ただフレアの技を披露するだけでは足りないと気がついたそう。


現在は3、4時間をフレアの練習にあて、さらに2時間をダンスのレッスンに。
バレエ、ジャズダンス、最近ではヒップホップも取り入れている。
空間の中で動きをいかにダイナミックに、美しく見せるか、ダンサーの動きを参考にしているんだとか。
演出上欠かせないから、パントマイムや演技の勉強も始めた。
なるべく引き出しをたくさん持つことが、内容の濃いパフォーマンスにつながると身体で感じたから。

SHOKOさんがボトルを投げると、どんどん人が集まって来る。それはどこの国でも同じことだ。

フレアの技にマジックやパントマイムの要素と取り入れてよりショーアップして見せるなど、SHOKOさんのショーはさらに進化している。
以前からショーのストーリー、構成、演出、音楽、衣装は自らが行っていたが、目標は「ショートムービーを見てもらうような感覚でただ楽しんでもらいたい、笑ってほしい」。


「その時、その場のお客さんが何を求めているか、それは状況によって異なります。
客席のムードを的確に読み取り、求められた以上のものをお見せするために、パフォーマーにはより幅広いスキルや経験値が求められるんじゃないかな。
ステージに立つのは自分を見てもらいたいからじゃない、少しでも感動してもらいたい、喜んでもらいたいって思っているから、常に進化して変化するステージをお見せしたい。
だって、それがエンターテインメントですから」


ここまでショーにこだわるSHOKOさん。
そこにはショーに込められたある想いがあった。
後編では、SHOKOさんを支え続けた大切な人との思い出を、初めて語っていただこう。

後編に続く。

SPECIAL FEATURE特別取材