番外編:東京カクテル7デイズで
バーテンダーのおしゃれ拝見!
<前編>

PICK UPピックアップ

番外編:東京カクテル7デイズで
バーテンダーのおしゃれ拝見!
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#Pick up

バーテンダーのファッション by「Bar Lounge LOTUS」

今月は趣向を変えて、バーテンダーたちのファッションにフィーチャー。いま流行っているもの、これから来そうなムーブメント、彼らのおしゃれ哲学について、東京カクテル7デイズにてバーテンダーたちを直撃!

文:Ryoko Kuraishi

Masaさん愛用のボウタイの一つ、カナダのブランド「BO」のメープルウッド製のタイ。

「バーテンダーのファッション」と一言でいっても、その捉え方は人それぞれ。
ユニフォームとしての機能性を重視する人、自らを表現するためのツールとしてスタイルを貫く人……、どりぷらではそんな彼らのファッション哲学に注目。
今月はおしゃれスナップを紹介します!


まずピックアップしたのは、他の誰ともかぶらない独自のスタイルで知られるこの方。
バーテンダーにしてパフォーマー、MCやイベントの司会業もこなすなど多方面で活躍するMasaさん。
現在は毎週金曜土曜は歌舞伎町の「Bar Lounge LOTUS」(下記)で、日曜はゴールデン街のバーでレギュラーバーテンダーを務めている。

こちらも最近のお気に入り。CDをレーザーカットした、オブジェのようなボウタイ。

トレードマークは自称「片ハゲ」という個性的なヘアスタイルとアイウェア、そしてボウタイ。
「ファッションに限らず、『人と被らない』コト・モノを選ぶのがモットー」とMasaさん。


「バーテンダー、パフォーマー、MCのいずれにしろ、人を楽しませるのが仕事。
ファッションとは店やイベントに足を運んでくださった方々に喜んでもらい、かつ、初めてお会いする方に自分を表現するためのツールだと考えています」


インスピレーション源はストリートやイベントで出会った人、自分の周囲のファッション業界やアート系の人脈など。
「パーティ好き」を自称するだけあり、夜の席でネタを仕込むことも少なくない。

足元は動きやすさとビジュアルインパクトを兼ね備えたシルバーのレザースニーカー。実はシルバーは万能カラーなのだそうで、「一足あればどんないでたちにもフィットする」とMasaさん。

「最近『おっ!』と思ったのは、バカルディ レガシー カクテル コンペティションで優勝したベルギーのラン・ヴァン。
ファイナルでカラフルな鳥のプリントの、ファニーなエプロンを身につけていたんですよ。
彼みたいなスーパーイケメンだから似合うんでしょうが、ああいう『自分にしか似合わなさそうなもの』を選ぶセンスがいいなって思いますね」


もちろん、Masaさん自身が選ぶものも相当にファニーである。
「シャツは、イベントでお世話になることも多いスペインのデシグアルや、濡れ描き友禅で仕上げた一点ものの碧(あお)が好み。


デシグアルはパーティ好きにも支持されるブランドだけあって、はっちゃけたデザインが多いんです。
碧はデシグアルとは方向性が真逆ですが、濡れ描き友禅という手法で描かれるモチーフが大ぶりなダリアだったり、動物モチーフだったり、和のテイストと洋装のミクスチャーがアーティスティックでいいですね」

東京カクテル7デイズ期間中、特設会場のVillageでバーテンダーを務めた際はこんなファッションで。「外光が気持ちいいオープンエアのロケーションを意識してトロピカルな雰囲気に。J-WAVEのブースということもあり、エンターテイナーっぽくまとめました」。高円寺の古着屋で買ったジャケットと金ラメプリントのシャツのコーディネート。

トレードマークのボウタイは、CDをレーザーカットした変わり種。
一級建築士の湊健雄さんが手がけているものだ。
ループタイのように紐を通してあるので着脱が容易なのもポイント。
カナダ発の木製ボウタイブランド、BOのメープルウッドのボウタイも出番が多い。


そんなMasaさんの現在のスタイルアイコンが、「世界一おしゃれな男たち」と言われるサプール。
中部アフリカのコンゴにあるバコンゴ地区のメインストリートに現れる、最高にスタイリッシュかつエレガントな男性たちをサプールという。
一昨年には日本でもサプールをテーマにした写真集が発売され、大いに話題になった。


1950年代のパリを思わせるクラシックないでたちと、目の覚めるような鮮やかなカラーリングが彼らの身上だ。
ただのファッショニスタではない。
政情不安の地において、「武器を捨てておしゃれをしよう」という強い精神性がサプールをサプールたらしめている。


そんな彼らの「スタイルを貫く」姿勢が、Masaさんを大いに魅了する。
「サプールを参考にしているわけではないんですが、気がつくと彼らのような色使いになっていることが多いですね」

東京カクテル7デイズのアフターパーティでMCを務めたこの日は、白のジャケット、ピンクのシャツ、そしてブルーのパンツでサプール風に。

「僕がファッションに求めるものは機能性よりも自分のスタイルですが、それは自分の役割がバーの世界やカクテル文化の『入り口』だと思っているから。
『入り口』だったら、たくさんの人の目に留まり興味を持ってもらえるビジュアルがいいわけです。


僕は歌舞伎町とゴールデン街のバーでカウンターに立っているんですが、そういう店やイベントに来る人たちは必ずしもバーの世界に精通しているわけではありません。
パフォーマー、MC、エンターテイナー……何でも屋みたいな自分だからこそ出会える人たちに、バーの楽しみかたやカクテルの奥深さに通じるドアを開けることが僕の悦び。


東京には雰囲気が良くてカクテルの美味しいお店はいくらでもありますから、カクテルに興味を持ってくれた人たちに素敵なバーやバーテンダーを紹介する、そんな東京の夜のナビゲーター的存在でありたいと思っています」


「夜のナビゲーター」にふさわしい、個性的なファッション哲学を披露してくれたMasaさん。
後編ではさらに多彩なバーテンダー・ファッションをご紹介します!


後編に続く。

SHOP INFORMATION

Bar Lounge LOTUS
新宿区歌舞伎町1-4-12
ミヤタビルB2F

SPECIAL FEATURE特別取材