PICK UPピックアップ
番外編:東京カクテル7デイズで
バーテンダーのおしゃれ拝見!
<後編>
#Pick up
バーテンダーのファッション by「Bar Lounge LOTUS」
NYから来日したトップバーテンダーの二人。さて、そのユニフォームへの哲学とは?
後編でまずご紹介するのはこの方、NYでいまいちばん勢いがあると言っても過言ではないEmployees Onlyのヘッドバーテンダーにして、シンガポールにオープンした同店の共同経営者でもあるスティーブン・シュナイダーさん。
今回のイベントのために、2日間だけの予定で来日してくれた。
カクテルだけで年間19万杯(!)をサーブ、ゲストバーテンディングの際は3時間で200杯(!!)を作ったという、伝説級のスピードワークを誇る。
それでいてクオリティは決して落とさないというトップバーテンダーである。
そんなスティーブンのユニフォームは、店名と肩書きを刺繍した、真っ白なジャケット。
デザインはシェフが着るコックコートに近い。
バーテンディング時は必ずこれを着用するという。
「Employees Onlyでは、僕たちはみんな、このシェフのような白いユニフォームを着てカウンターに立つんだよ」とスティーブ。
「名前を刺繍したコートは、Employees Onlyのバーテンダーのプロフェッショナリズムと誇りの象徴。
袖を通すと、気持ちも仕事モードに切り替わるんだ。
店に来るゲストも、白いコートを着た僕たちをプロフェッショナルとして見てくれる。
ユニフォームには、オンからオフへと切り替えてくれる効果があるよね」
ユニフォームで重視するのは?という質問には、一言、「Confident!」
「着心地がよくてどんな動きでもストレスを感じないのはもちろん、袖を通すことで自分に自信がみなぎってくるような、そういうものがいいよね。
自信を持ってバーテンディングしているかどうかはカウンター越しに相手にも伝わるからね。
ユニフォームは裏方的なアイテムだけれど、自分のバーテンディングに欠かせない名脇役だと思うよ」
左はTRUNKで、右は東京カクテル7デイズのアフターパーティでのいでたち。シーンによってがらりとチェンジ。
もう一人の特別ゲストはご存知、上海「Sober Company」が大成功を収めている後閑信吾さん。
長らくNYをベースに活躍していただが、現在はその活動範囲をアジアにまで広げている。
スティーブとは盟友同士、同じイベントにゲストバーテンダーとして招かれることも多いとか。
今回は青山のTRUNK(BASE)のセミナーの後、TRUNK(LOUNGE)にてスティーブとともにバーテンディングを披露。
その際のファッションをスナップした。
「仕事着は私服よりも圧倒的にきている時間が長いので、自分が好きで着られるものを選びます。
私服と同じくらい着心地のいいもの、動きやすいもの、そしてたくさんの方を迎えるにふさわしいキチンとしたデザインが多いですね。
ゲストバーテンディングの際はそれぞれのシーンに合わせて変えるようにしています。
例えばTRUNKでのバーテンディングでは、夜のホテルというシーンに合わせたアウトフィットで。
翌日のアフターパーティはオープンエア、昼間ということでもう少しカジュアルでトロピカルなムードに。
イベントの世界観にマッチするものを選んできています」
若手からは恵比寿・Bar TRIADのバーテンダー、中島彰吾さんのオリジナルエプロンをキャッチ。胸元にはペンを挿せるポケットを配した。今年中に発売予定で、値段は¥16,000〜¥40,000程度。
もう一人、Villageでキャッチしたのが、エプロン姿が目立った若手バーテンダー、中島彰吾さん。
聞けばそのエプロン、自らプロデュースしたオリジナルなのだという。
「シェイクしてもストラップがずり落ちず、ジャブジャブ洗えて機能的なエプロン」を探し求めたが、理想の一枚は見つからず。
ついには“究極のエプロン”を企画してしまった。
1年前にはブランドとして起業することを決意、今年中にはバーテンダーによるエプロンブランド、“Sence Essence”としてローンチする予定だ。
中島さんがこだわったのは「ストラップはレザーを使用しつつ、エプロン本体は水洗いできるようにストラップを取り外せること、シェイクなどバーテンダーならではの動きに追随するデザインであること、ストラップは着用していてストレスを感じさせないデザイン」だという。
イメージしたのは“ドリンクのシェフ”。
日暮里の布問屋を回り、最終的にエプロン本体のベースとして丈夫な帆布や厚手のコットンをチョイスした。
ストラップのデザインは、どんなに激しくシェイクしてもずり落ちないホルタータイプとY字タイプを用意。
ペンがさせるよう、胸元には小さなポケットが付いている。
長時間のバーテンディングに耐えうる機能性と着心地、そしてプロフェッショナルとしての存在感を発揮できるような佇まいを求めた。
左上:こちらはタフに使える帆布製。右上:ストラップはY字のデザインのほか、ホルタータイプも。バックスタイルの印象もデザインによって全く異なる。左下:遊びで作り始めたという一点もののボウタイ。右下:エプロン本体の素材、ディテール、ストラップの素材やデザインを自分好みの組み合わせでオーダーできるカスタムメイドで、すべてハンドメイドだ。
「若手の自分が言うのも生意気かもしれませんが、今後、日本のバーシーンにはスティーブが見せてくれたようなスピードやフットワークが求められるようになると思うんです。
あまりにフォーマルなスタイルやかっちりとしたジャケットでは、そうしたパフォーマンスにフィットしなくなるような気がして。
ガンガン使えるタフさと機能性を兼ね備えたエプロンだったら、より活躍の幅が広がるかと思いました。
TPOに合わせて中に合わせるシャツやボウタイをコーディネートすれば、きちんと感も演出できますから」
まだ20代の中島さん、自分と同年代がバーに対して抱くイメージを考えるに耳にするにつれ、現代のバーには新しいスタイルが必要だと痛感する。
「20代にとってはフォーマルなスタイルのバーテンダーが接客してくれるバーって、少しハードルが高いんです。
同世代にもっとバーの世界に親しんでもらうためには、バーの演出にもバーテンダーのスタイルにも、もっと幅があったほうがいい。
エプロンもそうですが、バーテンダーのスタイルに選択肢がたくさん増えることを願っています」
バーテンダーの、バーテンダーによる、バーテンダーのためのエプロン。
今年発売予定の“Sence Essence”をお見逃しなく!
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