「ディアジオ ワールドクラス 2011」
世界大会レポートfrom New Delhi

SPECIAL FEATURE特別取材

「ディアジオ ワールドクラス 2011」
世界大会レポートfrom New Delhi
[vol.03] - 中編-2・6つのチャレンジ

10.08.2011 #Special Feature

4th Challenge  Spice Market スパイスマーケット

審査員:サルバトーレ・カラブレーゼ氏
1位:ミッキー・リー氏(Woo Bar/ソウル・韓国)

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1時間以内に、スパイスカクテルを2杯メイク!

「ディアジオ ワールドクラス 2011」世界大会レポートfrom New Delhiバーテンダーに与えられる時間は1時間。

制限時間内に、アジアのスパイスや世界各国の食材を集めたマーケットコーナーから好きな材料をピックアップし、カクテルを2点つくる。

限られた食材からレシピを考案する発想力と、その場の状況に臨機応変に対応するスキルが試される。

ここで用意されたスパイスは30種類以上。

シナモン、クローブ、ナツメグといった日本でもおなじみのものから、ガラムマサラやカフィアライム(別名タイライム)などエスニック料理によく使われるハーブ&スパイスもカクテルの材料に。

実は今回インドが大会の開催地に選ばれたのも、こうしたアジアのスパイス、そしてスパイスを使ったカクテルを世界に広く紹介したいというディアジオ側の思いがあったからだそうだ。

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バーテンダーたちが、アジアのスパイスとカクテルの新しいフュージョンを続々と生み出していたなか、見事トップの座を射止めたのは韓国代表のミッキー・リー氏。

その実力は、辛辣なコメントで審査員のなかでもっともバーテンダーたちに恐れられていたサルバトーレ・カラブレーゼ氏をもって、「フレーバーについての並々ならぬ知識とすばらしい発想力。なによりチャーミングで、カウンターは彼のステージのようだった」と言わしめたほど。

だがその知識やスキルもまったくの独学だというからあっぱれだ。

リー氏のカクテルは、韓国人の彼ならではともいえる、唐辛子を使ったもの。

そしてこのカクテル、本当に辛い!

キャラウェイの強い香りとドライな飲み口、そして極めつけは、やみつきになる唐辛子のあと引く辛さ。

スパイシーでパンチの効いたリー氏のカクテルは、このチャレンジのコンセプトにまさに相応しい一品だった。

フィアマト マティーニ
ケテルワンウォッカ80mlヴェルモットビアンコ10ml
キャラウェイシード(粗挽き)1tsp
すべての材料を氷とともにミキシング、ダブルストレーナーでグラスに注ぎ、唐辛子を飾る。

5th Challenge Cocktails against The Clock
カクテル・アゲンスト・ザ・クロック

審査員:デール・デグロフ氏
1位:ハインツ・カイザー氏(Dino’s American Bar/ウィーン・オーストリア)

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わずか6分間で、何杯のカクテルをつくれるのか!?

6分間という短い時間のなかで、カクテルメイキングのスピードを競うこのチャレンジ。

もちろん早さだけではなく、カクテルとして完璧に仕上げることが大前提。

さらに素早い動きのなかでもミクソロジーの基本技術をきちんと押さえているかどうかをチェックされる。

審査員のデグロフ氏はバーテンダーたちに対して、“Be my company”とにこり。

バーテンダーはゲストのよき話し相手であるべき。

スピードを競うチャレンジといえども、“No talk”はNGなのだ。

「ディアジオ ワールドクラス 2011」世界大会レポートfrom New Delhiこのチャレンジでは、ヨーロッパ地区1位にも選出された、オーストリア代表のハインツ・カイザー氏がチャンピオンに選ばれた。

「スピード競技だというのにデグロフ氏は競技中でも終始話しかけてきたよ」と笑うカイザー氏。

だが「そんなのバーにいれば当たり前のことだからね」と余裕の表情。

職業柄、カウンターの前にずらりと並んだゲストのオーダーに素早く対応することは日常茶飯事。

そう、ここではバーテンダーとしての普段の仕事ぶりが試されるのである。

カイザー氏はなんと5分30秒で5杯ものカクテルを作り上げ、しかもそのどれをとっても絶品の味わい。

さすがは今大会最年長のベテランだけあって、貫禄のパフォーマンスを見せつけた。

一方、チャレンジ前に悩み抜いた末、数で勝負することよりも、「3杯のカクテルに自分のもつすべてをかけよう」と決めて勝負に挑んだ大竹氏。

実はスピード技は得意だという彼は、短い時間のなかで見事なテクニックを披露するだけでなく、英語で積極的にやりとりをする余裕も見せた。

大竹氏のプレゼンを心から楽しんでいるように見えたデグロフ氏。

今にして思えばこの一瞬に、大竹氏の勝利は決まっていたのかもしれない。

6th Challenge  Gentlemen’s Drinks And Fancy Tipples
ジェントルマンズ・ドリンク・アンド・ファンシーティップルズ

審査員:ガリー・レーガン氏
1位: マーク・ホヮン氏(Marquee Restaurant & Lounge/台北・台湾) 

紳士淑女のための、シーンに合わせた1杯を!

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このチャレンジでバーテンダーに要求されるのは、カクテルの味を深く知るジェントルマンのための1杯、そして2杯目にはがらりと変わって女性が喜びそうな、ちょっとファンシーなカクテルを。

「ディアジオ ワールドクラス 2011」世界大会レポートfrom New Delhi審査員のガリー・レーガン氏がバーテンダーとそのカクテルに求めるのは「バランス、ハーモニー、スピリット、そしてコネクション」。

飄々とした仙人のような風貌で、会場で会うといつもにこにこと気さくに話しかけこちらを楽しませてくれる氏ならではのコメントだ。
とはいえマンハッタンでその名をとどろかせ、今ではバーやカクテルについて多くの著書をもつ彼の目は厳しい。

チャレンジ優勝者の台湾代表マーク・ホヮン氏が見せた渾身のプレゼンについてレーガン氏は、「実はね、正直最初はそんなに色々やる必要あるのかなぁって思ったんだけど…」とぽろり。

確かにホヮン氏の“ファンシーカクテル”は、スモークチップでの香り付け、4種類のスパイスブレンド、スプレーを使った香りの演出など、盛りだくさんの内容だった。

しかし、「カクテルを飲んでみてそのパフォーマンスのすべてに意味があったんだって思ったよ」と納得。

そしてその味については「バーテンダーが目指すべきスタンダード」とまで!

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もとはフレアバーテンダーとしてキャリアをスタートさせたというホヮン氏。

余談だが、レディ・ガガの大ファンで、夢はガガ様と一緒にテレビに出ることだとか。

まるで武道家のような硬派なルックスからは想像がつかなかったが、
実は根っからのエンターテイナーなのかもしれない。

アジアン・ファンタジー
ロンサカパ2360mlクローブ3コ
コリアンダーシード5コナツメグ(小)1コ
八角1コ
香り付け用にサンダルウッドのチップをスモーク。ラムと4種類のスパイスを鍋に入れ、バーナーで加熱。
氷と少量のヴェルモットとともにミキシング。グラスに注ぎ、最後にローズ&ジャスミンウォーターをスプレーして完成。

チャレンジを終えて

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異なる6つのチャレンジは、バーテンダーによって得意不得意もあっただろう。

でも同時にバーテンダーがもつ多彩な才能を思う存分発揮できる、実によく練られたプログラムだったと思う。

観客として見ているだけでも楽しく、「バーテンダーって、奥が深い仕事だなぁ」としみじみ。

もっと多くのひとにこの感動を味わってほしいと素直に感じたのは、
きっと私たちドリプラ取材班だけではなかったはず。

こんな風に、「Raising The Bar」のコンセプトは、ゲストの間にも確実に広がっていたのではないだろうか。

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