今月のカクテル
「麹」

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今月のカクテル
「麹」

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提供:Drink Planet 編集部

2024年12月5日、ユネスコ無形文化遺産に登録された日本の「伝統的酒造り」。

「伝統的酒造り」とは、杜氏・蔵人等が麹菌を用い、長年の経験に基づき築き上げてきた酒造り技術のこと。(文化庁による定義)

伝統的な酒と言えば、「日本酒」「本格焼酎」「泡盛」など。
これらはすべて「麹」を使って醸造される酒類で、素材のもつ独特の香りやうまみと共に日本の食文化を支えてきています。

「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されて10年が経過。世界中から和食が注目され、日本食レストランも増加。それに合わせて日本酒の輸出も伸び、今や2014年の約3.6倍にまで増加しています。((国税庁「酒のしおり2024年6月」)

ユネスコ無形文化遺産となった「伝統的酒造り」が今後ますます注目されるとの期待も大きい、ということで、今月は「麹菌」についてちょっと探ってみよう。

麹づくり/ 画像提供:独立行政法人 酒類総合研究所

麹づくり/ 画像提供:独立行政法人 酒類総合研究所

”国菌”三兄弟!

”国菌”とは聞き慣れない言葉ですが、「麹菌」は日本を代表する菌“国菌”として、2006年10月12日に日本醸造学会で認定されました。

それが、「黄麹菌」「黒麹菌」「白麹菌」です。

麹の起源にはまだ分かっていない部分が多いのですが、奈良時代の文献に、カビを使って醸したお酒の記録が登場し、また、室町時代の記録では黄麹菌がすでに使われたと記されているそうです。
明治時代には「黒麹菌」が、大正時代には「白麹菌」が研修者によって発表されているとか。

では、この「黄」「黒」「白」で何が違うのか?

「黄麹菌」は、和食文化とは切っても切り離せない日本を代表する菌で、酵素を生み出す力が強く、日本酒、醤油、甘酒などの発酵食品に広く利用されています。

「黒麹菌」は、クエン酸を大量につくり出す特徴があるため、麹の雑菌汚染を防ぎます。高温多湿な地域では「黄麹菌」ではもろみが腐敗しやすいため、沖縄各地では「黒麹菌」が泡盛づくりに使われていたと推測されるのも頷けます。その後「黒麹菌」の特性を生かして、九州各地での焼酎づくりにも広まっていったようです。

「白麹菌」は、「黒麹菌」の中から生まれた突然変異。
酸を大量につくる特徴を備えながら、作業環境としても「黒麹菌」のように汚れないということで、使い勝手の良い菌として焼酎メーカーの多くが利用するようになりました。

麹菌(光学顕微鏡)/画像:独立法人 酒類総合研究所

麹菌(光学顕微鏡)/画像:独立法人 酒類総合研究所

麹と麹菌は違う!

ところで、「麹」と「麹菌」は何が違うのか?

「麹菌」を、蒸したお米や麦、芋などに付着させて、それを繁殖させたものが「麹」です。
付着させる対象物によって「米麹」、「麦麹」、「芋麹」などと呼ばれます。

「麹菌」は、穀類に含まれるでんぷんを糖に分解して、「酵母」がその糖分を餌にアルコール発酵が進みます。
この2つの作用によって、アミノ酸や香り成分などがつくられ、お酒に豊かな香りや味わい深い風味を与えます。
これが世界に類を見ないユニークな方法!

しかも、「麹菌」をどの原材料とどう組み合わせるかによっても、お酒の味わいも大きく変わってきます。
例えば、「黄麹菌」を使った日本酒は、すっきり系からコクのある味わいのものまでいろいろ。もし「黒麹菌」を使ったとしたら、酸味が豊かな日本酒になるという具合です。

”国菌”三兄弟それぞれの特性が生かされた日本の伝統的な酒の素晴らしさに、さらなる関心の高まりが期待されています。
ゆくゆくは「世界の酒」になるかも!?

今月のカクテル

今月のトップ画像は、「伝統的な酒」をベースにした4点をご紹介。

<左>
カクテル名 / バーテンダー名: Mon K ×尾鈴山 モンケー×尾鈴山 by Zushi Akira/図師聡 さん
バー名: KOFFEE MAMEYA -Kakeru-/東京・清澄白河
甘みが引き立てる深煎りコーヒーらしい香ばしいロースト香と苦味が、麦焼酎とマッチ!

<中左>
カクテル名 / バーテンダー名: Chuchoter シュシュティby Keith Motsi/キース・モッツィさん
バー名: VIRTÙ/東京・大手町
日本の米焼酎と白ワイン(甲州)を、フランス産のジンとベルモットとブレンドした飲みごたえのある一杯

<中右>
カクテル名 / バーテンダー名:Archer’s Rokh アーチャーズ・ローク by Devender Sehgal/デベンダー・セーガルさん
バー名:The Aubrey/香港
泡盛の多様性とウイスキーとも台頭に向き合える強さが魅力の一杯

<右>
カクテル名 / バーテンダー名:Uchina Manhattan ウチナーマンハッタン by Tomoaki Nakamura/中村智明 さん
バー名:Ryukyu Drink LABO/沖縄
カクテルのサブタイトルは「泡盛の女王」、マンハッタンのツイストで

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