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米国・国内トップバーテンダーによる
本格焼酎セミナー「SHOCHU DISCOVERY」!
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提供:大分県,熊本県,宮崎県,鹿児島県(九州4県合同開催)
2024年11月15日、鹿児島市初の外資系ホテル「シェラトン鹿児島」において、米国・国内トップバーテンダーによる 本格焼酎セミナー「SHOCHU DISCOVERY」が開催されました。
パネリストとして招かれたのは、アメリカからドン・リーさん、フィル・ワードさん、アヌー・アプテ・エルフォードさん、ジュリア百瀬さん、日本国内から野村空人さん、アンドレア・ミナレッリさんという6名のトップバーテンダー。
6名は同月11日からの4日間でそれぞれ大分県、熊本県、宮崎県、鹿児島県の焼酎蔵を巡り、その旅の印象や感想とともにトップバーテンダー視点の「焼酎の未来」を語ってくれました。
同イベントには九州の焼酎蔵の蔵元やバーテンダー約80名が会し、九州での新たな焼酎の可能性について熱心に耳を傾けました。
(総勢約100名!)
本格焼酎を含めた日本の「伝統的酒造り」がユネスコの無形文化遺産に登録される見通しになったこともあり、世界のバーシーンでも今後のさらなる発展が期待される本格焼酎を、6名のトップバーテンダーはどんなふうに捉えているのでしょうか!?
ここでは「SHOCHU DISCOVERY」で語られた内容をダイジェスト的にPICK UP!
ドン・リー(Don Lee)さん
★ドン・リー(Don Lee)さん
コロンビア大学卒業後,バーテンダーに転身。元「PDT」ヘッドバーテンダー。バーコンサルタント。Tales of the Cocktail 2020 Spirited Award for Best American Bar Mentor。
「アメリカの飲料シーンで本格焼酎のような新しいプロダクトを広めるための戦略はただ一つ、バーのカクテルメニューに載せること!! バックバーにボトルを置いても意味はありません。メニューにさえ記載してあれば、たとえ消費者が焼酎を知らなくとも、バーテンダーへの信頼を通じてオーダーが入ります」
「ただし現在は、アメリカのバーテンダーが焼酎を知らないフェーズです。まずはバーテンダーの教育が必要になります。バーテンダーに焼酎を知ってもらうのです。今回我々が体験したような焼酎蔵めぐりのように、バーテンダーが焼酎のストーリーをシェアして、バーテンダーに焼酎を広めなくてはなりません。まずアプローチするのは消費者ではなくバーテンダーです」
「ここで大切なのが、ストーリーがある、ということ。現在アメリカのマーケットを牽引するのは、25~35才のテック企業やIT企業に勤めるような層なのですが、彼らが気にするのは値段ではなく、ストーリー。モノを購入するのではなく、ストーリーを購入したがっています。そういう意味で、焼酎には各蔵元にも各ブランドにも素晴らしいストーリーがあります。プロのバーテンダーを通して、焼酎のストーリーをシェア・拡散していくことが重要だと感じています」
フィル・ワード(Phil Ward)さん
★フィル・ワード(Phil Ward)さん
全米メスカルブームの火付け役となった伝説的なバー「Mayahuel」のオーナーバーテンダー。アメリカにおけるテキーラ・メスカル業界の第一人者。
「今回、九州の焼酎蔵を巡らせていただいて、九州で隠れた宝石を見つけた気分です。アメリカでメスカルを広めるきっかけとなったのも、ドン・リーさんと一緒にメキシコを旅行したことでした。今、焼酎にも同じ想いを抱いています」
「メスカルの時もそうでしたが、誰に、どう紹介するのかがもっとも重要です。アメリカのマーケットだったら、モノよりコト(体験やストーリー)に価値を置く層に、カクテルを通して紹介することが大切です。みんな知らない蒸留酒には手をつけないので、飲み慣れたカクテルを通して焼酎を紹介すること。バーテンダーが焼酎のファンになり、サポーターになり、アンバサダーになり、焼酎を体験してもらうことがファーストステップですね」
アヌー・アプテ・エルフォード(Anu Apte-Elford)さん
★アヌー・アプテ・エルフォード(Anu Apte-Elford)さん
ワシントン州ユタ大学の医学部在学中にバーテンダーとなる。シアトルで「Rob Roy」「No Anchor」「Navy Strength」等のバーやワインショップ、氷ビジネスを経営。
「もともと日本のバーテンダーの技術について興味があり、徹底的に勉強してきたので、経営するバーでも焼酎を扱ってきました。まずは今回の旅の経験を店のスタッフにシェアして、それをお客さまにも伝えていきたいですね」
「カクテルバーとは別にワインバーも経営していて、そこではカクテルも提供しているのですが、ワインを好むような層には低アルコール度数の焼酎が材料としてちょうどいいんです。ワイン好きもストーリーを欲しているので、焼酎は刺さると思います」
「自身のバーのスタッフにはもちろんですが、現在、アメリカのバーテンダーズギルド(United States Bartenders' Guild: USBG)のダイレクターもしているので、メンバーにも情報をシェアしていきたいです」
ジュリア百瀬(Julia Momose)さん
★ジュリア百瀬(Julia Momose)さん
日本生まれ。コーネル大学で環境分析を学ぶ一方、バーテンダーに転身。シカゴのダイニングバー「KUMIKO」のクリエイティブディレクターを務める。共著に『The Way of the Cocktail』がある。
( Drink Planetでのジュリア百瀬さんの記事はこちら!)
「シカゴの『KUMIKO』でももともと日本酒や焼酎を扱っていますが、焼酎はまだ知られていないのが現状です。メニューのカテゴリーの中に、わかりやすく、シンプルに取り入れており、カクテルを提供する際に、一緒にベースとなる焼酎もちょっとだけお出ししています。焼酎を少しでも知ってもらうための『KUMIKO』なりのアプローチです。皆さんもおっしゃるように、まずはカクテルを通して、というのが基本です」
「また『KUMIKO』では、食中酒としての焼酎カクテル(酎ハイ)も人気です。アメリカではLow ABVカクテルが一定の支持を得ているので、実は焼酎が使いやすいんです。鹿児島では本格焼酎を割るのはNGと聞いたんですが(笑)、アメリカではアプローチとしていいと思います。本格焼酎独特の味わいを引き出すために、ソーダで割ってもいいし、ソニックでもいいし、フルーツを使用してもいいかもしれません。意外と日本の方のほうが気づいていないのではないでしょうか?」
アンドレア・ミラネッリ(Andrea Minarelli)さん
★アンドレア・ミラネッリ(Andrea Minarelli)さん
在京外資系ホテルのバーマネージャー兼バーテンダー。英語、イタリア語、スペイン語のトリリンガル。
「外資系ホテルのバーマネージャーとしての私の役目のひとつは、新しいカクテルをクリエイトすることです。現在、開業2年目ですが、最初から焼酎を使用していました。今後は焼酎をバーのメイン材料にしようか検討しているところです。焼酎は麦、米、芋、黒糖と多様なフレーバーがあり、汎用性が高い。実はカクテルにするのにいいスピリッツだと感じています」
「日本の皆さんは焼酎=居酒屋というイメージがあるかもしれませんが、私が勤務する5つ星ハイエンドホテルでも焼酎を提供しています。それは焼酎にそれだけの価値があるからに他なりません」
野村空人(Soran Nomura)さん
★野村空人(Soran Nomura)さん
21 歳で単身渡英、7年間ロンドンのバーでバーテンダーとして活躍したのち帰国。現在はドリンクコンサルタント会社ABV+を立ち上げ、清澄白河「NOMURA SHOTEN」、世田谷代田「Quarter Room」等のプロデュースを手がける。
「『NOMURA SHOTEN』ではバーの横にリカーショップ併設し、バーに行って、気に入ったお酒を買える店、をコンセプトにしています。もちろん本格焼酎も扱っています。今回の旅を通して、改めて本格焼酎のフレーバーが豊かさに驚かされたので、お客さまにもバー体験を通してその魅力を提案していきたいです」
「個人的に、本格焼酎は、世界的にブームのナチュラルワインの代わりになるお酒だと感じています。水と相性がいいのでソーダ割りが人気ですが、私はあえてお湯割りをお勧めしています。もちろんお湯とも相性がいいですし……」
「九州に昔からある前割りの文化を、外国の方はもちろん、九州以外の日本の方もあまり知らないので、そういった発信もしていきたいですね。あるいは最近話題の減圧蒸留器を使用して、自家蒸留フレーバーウォーターで割るなどしても、本格焼酎のフレーバーを活かせるのではないでしょうか」
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