今月のカクテル
ダイキリのベストフォーミュラは？

ダイキリにグレナディン？

先月の記事「カクテル＆バー最新トレンド予測」でも触れていたように、今、気になる存在のひとつがラム！

ラムと言えば、なんと言っても「ダイキリ」でしょう。
世界で最も人気のクラシックカクテルのTOP5にも名を連ねる常連！

ダイキリ誕生の背景に語られるストーリーとして確かなことは、19世紀にはキューバでラムとライムジュースを使ったドリンクが親しまれ、ダイキリ鉱山にちなんで「ダイキリ」と名付けられたっていうこと。

その当時のレシピには、グレナディン・シロップが入っていたことはご存知？

ハリー・マッケルホーンのレシピにも、ラム2/3、ライムジュース1/6、グレナディン・シロップ1/6 と書かれています。
その後は、グレナディンに代わって砂糖またはシロップを使うバージョンに変化していきました。

混乱のレシピ？

1900年前半。
ハバナにあるレストランバー「La Florida」（後にFloriditaに改名）のヘッドバーテンダー Constantino Ribalagua Vert（コンスタンティーノ・リバラグア・ヴェール）は、フローズン・ダイキリを有名にした人物として知られています。

実はこの彼、ダイキリの注文を混乱させた（？）人物でもあるんです。
それは「番号」！

「Daiquiri No.2」、「Daiquiri No.3」、「Daiquiri No.4」、「Daiquiri No.5」てな具合です。

ということは、オリジナル（クラシック）ダイキリは「Daiquiri No.1」になる訳で、しかも、このNo.1は、「ナチュラル（ストレート）」、「オン・ザ・ロックス」、「フローズン」、「フラッペ」の各スタイルで注文ができたのです。

う～む、どれを注文したら良いのやら・・・確かに混乱！

ちなみに、「Daiquiri No.2」は、オレンジキュラソーを使用。
「Daiquiri No.2」Floridita スタイルでは、ヴェルモット・ロッソとホワイトカカオリキュール、グレナディンシロップが使われました。

「Daiquiri No.３」は、ゴールドラムベースで、ピンクグレープフルーツジュース、ルクサルド マラスキーノ リキュール。
「Daiquiri No.４」もベースはゴールドラム。ルクサルド マラスキーノ リキュール、冷水が加わります。

「Daiquiri No.５」はピンク・ダイキリとも呼ばれ、ルクサルド マラスキーノ リキュール、グレナディンシロップ、冷水で。

美味しさの差は？

ダイキリの美味しさの差は何から生まれるのでしょう？

ベースのラムの質・個性と、材量の配合比率だといわれます。

ラム、ライムジュース、シュガーシロップの比率は、作り手によって多様。
下記はその比率例です。

◆３：２：１
カウントダウン3:2:1として知られています。

◆４：２：１　
1990年代に人気だったラムの量が多めのロンドン フォーミュラ。
当時のジガーが、50mlと25mlだったから計算がしやすかったからと言う説も。
上記の場合は、柑橘系の存在がしっかりしてるので、ベースは軽いホワイトラムよりも、深みのあるラムを使う方がバランスがとれるかもしれません。

◆６：２：１　
◆８：３：２

また、砂糖の使い方も仕上がりに影響します。
粉砂糖を使う場合は、シュガーシロップを合わせて使うという方法をとる人も多くいます。
柑橘類にレモンジュースを加えるレシピや、ライムの果皮をシェイク時に加えるなど、バーテンダーの方々の考えが各所に反映され、個性と美味しさを競っています。

あなたの考えるベストフォーミュラは？

マイ・ダイキリ

クラシックだからこそ、ロングセラーだからこそ、シンプルだからこそ新たな考えを吹き込むことが面白い！
今月は、ひと工夫したオリジナルなダイキリをご紹介します。
（店舗情報は取材当時のもの）

＜上左＞
カクテル名 / バーテンダー名： Daiquiri ダイキリby Yamasaki Tsuyoshi／山﨑剛さん
バー名： BAR GOYA／東京・銀座
産地の異なるさまざまなラムをブレンドしたダイキリ
自家製サトウキビシロップとライムピール使いで個性を表現

＜上右＞
カクテル名 / バーテンダー名： For Whom the Bell Toll #1940フォ・フーム・ザ・ベル・トール by Agung Prabowo／アグング・パラボウさん
バー名： The Old Man／香港
味のアクセントにはアボガドオイルを！　
実だけでなく皮と種もすべてブレンドしたオリジナル

＜下左＞
カクテル名 / バーテンダー名： Blockbuster Daiquiri ブロックバスター・ダイキリ by Joseph Akhavan／ジョゼフ・アカヴァンさん
バー名： Mabel Paris／仏・パリ
ダイキリなのに、深く香ばしい一杯
ライムを一度グリルしてから皮ごと絞るジュースで、深い香りがプラス

＜下右＞
カクテル名 / バーテンダー名： Scorpion Kick スコーピオン・キックby Michael McIlroy, Sam Ross, Daniel Greenbaum／マイケル、サム、ダニエル
バー名： Diamond Reef／米・NY
「現代っぽくアレンジした」オリジナルダイキリ
クレーム・ド・カカオでを使うことで、まろやかな甘みと厚み、奥行きを醸すしだしたスペシャルな一杯

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