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Bar Show、日本初開催!
バーの魅力が集まる夢の祭典。
<後編>
#Pick up
岸久さん by「スタア・バー・ギンザ」
「ウイスキーライブ東京」とのコラボレーションで開催される、「Tokyo インターナショナルバーショー」。待ちに待ったカクテルの祭典だ。
日本人バーテンダー・ブームに思うこと。
「バーテンダーであるからこそ、バーでのおもてなし=“Bar Tender”を大切にしていきたい」という岸さん。
若き日の理想や思いと、長年続けてきた哲学と経験値でもって現在のバーシーンを客観的に捉えている。
そんな岸さんは、日本のバーテンディングが一躍、脚光を浴びているという現象をどう考えているのだろうか。
「バーテンダーがもてはやされたといえば、昭和30年代にもそういう潮流がありました。
当時の大先輩の資料なんかを見ますと、オープンカーに乗ってパレードしていますから。
とはいえ、そういう時代を経てもバーテンダーの有り様は変わらなかったように思います。
最近はバーテンダーを過度にもてはやす風潮もありますし、逆に水商売だと軽んじるような評価も少なくない。
そうしたときに私は考えるのです。
そもそも、バーテンダーという職業はそれほど広く社会に受け入れられる職域ではないのではないだろうか。
以前はこの極端な評価の溝を少しでも縮められればと思っていましたが、
この両極端な捉えられ方というのは本質的に埋められないものではないか。
いまはそんな風に考えています。
バーテンダーはお酒をつくる。それ以上でも以下でもない。
そんな気持ちを持ちながらも長く続けていけばいいことがあるかもしれない、そう淡々と続けるのがバーテンダーらしさ、なんじゃないでしょうか」
昨年好評を博した「ウイスキーライブ東京」では、おなじみの銘柄が一堂に会した。今年はより多彩なボトル、パフォーマンスが楽しめそう。
バーテンダーの有り様を「原点回帰」とするならば、バーの役割も同様だ。
岸さんが考えるバーの役割とは、カクテルを中心として目新しいものも積極的に取り入れ、酒と一緒に楽しんでもらうこと。
それは今も昔もら変わらない。
「たとえばチーズや葉巻、ボージョレー・ヌーヴォーなどはもともと、バーから広まったアイテムです。
当時はお酒とともにたしなむ嗜好品はバーに集約されており、まさにバーのメイン商材だったんですね。
それが広まり、浸透してきたときに細分化され、チーズ専門店やシガーバー、ワインバーなどが確立されました。
ですから、バーは酒とは切り馳せない別のものを生み出し、それとうまく連携を図って発展してきたんです。
そういう意味でバーが日本の文化や社会に寄与してきたという自負はあります」
バーも商材も多様化し、それぞれが独立して存在する。
「そこにこそ、バーの可能性があるんじゃないか」、岸さんはそう話す。
「Tokyo インターナショナルバーショー」への意気込みを語る岸さん。
「おもてなし」の思いを形にするために。
バーの役割、バーテンダーとしての姿勢。
日本のバーシーンをトータルで考えた時に、「おもてなし」という思いや哲学を
ことさらに誇示するわけではなく、自然に披露する場。
バーショーはそんな場でありたいと考える。
「それこそ一昔前は生のライムでさえ使えなかった。
それでも当時のバーテンダーたちはネットワークを駆使してどうにか取り寄せたり、
ミントの葉などはそれこそ自宅で育てたり、
なんとか工夫を凝らしてカクテルを作っていたんです。
私たちの先輩方はそうした工夫や努力、試行錯誤を誰にアピールするわけではなく、淡々と行っていました。
誇示しないこと。
そうしたバーテンダーの長年の姿勢が、現在の評価につながっているんだと思いますね」
一方、ことさらに「アピールしない」業界にあって、膨大な量の情報が錯綜する時代であればこそ、
正確な情報を素早く発信していくことの大切さも痛感している。
だから今回のバーショーで岸さんがこだわっているのは
「多くの人に楽しんでもらえる構成であるか」、そして「情報がきちんと発信されているか」。
バーテンダーならではの仕掛けが施された、岸さんオリジナルのバースプーン。近日発売予定。
そうした視点でバーシーンを考えたとき、今年の「Tokyo インターナショナルバーショー」を一つのモデルケースとしたいのだそう。
「バーショーの目的は、作り方云々ではなく、バーテンダーやバーに興味を持っている人に楽しんでもらうこと。
そして海外からの来場者には日本のバーがどういう業態のものであるか知ってもらうこと。
さらにそうしたバーが首都圏のみならず、日本全国に広まっているということを理解してもらいたい。
そんなことを考えながら5月に向けて活動しています」
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