Herb Bar SOURCE:最高のアブサン体験を!
ドラフトアブサンのこだわりプレゼンテーション。
<後編>

PICK UPピックアップ

Herb Bar SOURCE:最高のアブサン体験を!
ドラフトアブサンのこだわりプレゼンテーション。
<後編>

#Pick up

Aizawa Hiromi/相澤ひろみ by「Herb Bar SOURCE」

アブサンをきっかけに薬草酒に魅せられた、オーナーの相澤ひろみさん。レシピ開発に関わったという「積丹スピリット」のドラフトアブサンについて伺います。

文:Ryoko Kuraishi

こちらが「積丹スピリット」のドラフトアブサン。森とブッダをモチーフにしたエキゾチックなラベルを手がけたのは、岩井社長の実母で仙台在住の画家、岩井てるさん。 もともと「Herb Bar SOURCE」を通じててるさんと親交のあった相澤さんが、「今回のアブサンのラベルにはてるさんの作品を」と、激推しして実現した競演だそう。左はオリジナルのアブサングラス。

さまざまな薬草酒があるなかで、相澤さんがとりわけ情熱を注いでいるのが、アブサン。

20歳のとき、とあるバーで初めてアブサンを口にし、その独特の味わいや色、香り、万能薬としてのパワー、それぞれの銘柄に秘められたストーリーに圧倒された。

好きが高じてアブサンを中心としたバーをオープンしたわけだが、開店当時はインターネットがそれほど普及していない時代。

リサーチも一苦労で、現地に足を運びフランス語や英語の書籍をあたるしかなかった。

おまけに日本で入手できたアブサンはわずか3メーカー。

それから23年が経った現在、酒屋のラインナップには世界の50メーカーに加え、国産アブサンが10社超も揃うなど、アブサンを取り巻く状況は激変したといえるだろう。

念願のアブサン開発に携わった

昨年には念願だったアブサンの開発にも携わることができた。

それが積丹スピリットのドラフトアブサン。

ジンを通じて交流が生まれた「積丹スピリット」の岩井宏文さんから、オリジナルアブサン開発にあたってアドバイザーとして協力を依頼され、「BAR BenFiddich」の鹿山博康さん、「Bar OWL & ROOSTER」の斉藤久嗣さん、「BAR 一慶」の本間一慶さんらとともにレシピ検討を行った。

「自社でハーブを無農薬栽培する『積丹スピリット』が、北海道の森と水、素晴らしい環境を生かしたアブサンを作りたいと、原料のすべてを自社農園で調達。

フレッシュのまま(=Draught)減圧蒸留したという、究極のアブサンです」

店内左側がアブサンコーナー。さまざまなアブサンがずらりと並ぶ。

使われているのはニガヨモギ、フェンネル、スターアニスに加え、アイヌ伝統の植物であるマカヨ(フキノトウ)、シケレベ(キハダ)、セタエント(ナギナタコウジュ)など13種。

手間暇をかけて育てたハーブ、雪の下から掘り起こしたフキノトウ……と、素材調達ひとつをとっても物語のあるドラフトアブサン。

生原料にこだわったから、200本余りしか製造できなかったという幻のアブサンだ。

液色の鮮やかなグリーンももちろん、フレッシュなハーブ由来。写真ではわかりづらいが、この色を表現するのに試行錯誤したそう。

オリジナルのファウンテンとアブサングラスが完成!

最高のアブサン体験を提供する、オリジナルアブサングラス

人生の半分以上をアブサンに捧げてきた相澤さんが「これまでに飲んだアブサンのなかでベスト」という出来のドラフトアブサン。

このアブサンのために、理化学ガラス製品を製作する職人の協力を仰ぎ、オリジナルファウンテンとアブサングラスを作ってしまったほど。

このファウンテン&グラスを使うと、加水により美しく白濁するさまをよりクリアに見せることができるのだ。

「ポイントは、ガラスの透明性の高さ。水とアブサンの対流をきれいに見せてくれます。

対流がプレゼンテーションの主役なので、エッチングやカットの装飾は不要なんです。

グラスについては、アブサン特有の香りを楽しめるたちあがりの角度を意識しました。

加えて、下の膨らみの部分の容量がきっかり30mlであること、60ml、90mlの目盛りがあること。

ドラフトアブサンとこのグラスで、最高のアブサン体験を提供しています」

生口島にて、親交のある柑橘農家「セーフティフルーツ」の能勢さんと。オリジナルレモンジンは今年後半に完成予定だ。

アブサン以外のチョイスとして……

活力チャージとしておすすめのアブサン以外には、アマーロやリモンチェッロも人気。

とくにイタリア人も絶賛したという自家製リモンチェロは、瀬戸内海に浮かぶ生口島で柑橘類を無農薬で生産する「セーフティフルーツ」のレモンで仕込むというこだわりよう。

ビタミン補給を目的に、毎日飲みにくる常連もいるとか。

「毎年10月、生口島に出かけて収穫を手伝っているのですが、今年はこのレモンを使い、『積丹スピリット』の協力のもと、オリジナルクラフトジンにも挑戦します。

フレッシュなレモンを北海道に直送して仕立ててもらう、最上級のジンになる予定です。

レモンの皮にはさまざまな有効成分が含まれていますから、レモンのパワーを体感していただきたい」


“白い魔女”の手引きを受けながらあれもこれもと薬草酒を試し、健康的に更けていった仙台の夜。

翌朝の目覚めが最高に爽快だったのは、薬草効果のおかげだろうか。

SHOP INFORMATION

Herb Bar SOURCE
仙台市青葉区国分町2-15-21
第二吉岡屋ビル1F
URL:https://herbbar-source.com

SPECIAL FEATURE特別取材