クラフトコーラの仕掛け人がリリース、
日本の間伐材を使った純国産ジン誕生。
<前編>

PICK UPピックアップ

クラフトコーラの仕掛け人がリリース、
日本の間伐材を使った純国産ジン誕生。
<前編>

06.07.2022 #Pick up

日本草木研究所 by「日本草木研究所」

今月紹介するのは、ボタニカル原料にスギ、ヒノキ、ナラ、コウヤマキ……余剰間伐材を用いた国産野生香木クラフトジンだ。森林トリップして日本の林業も元気にしたいという「フォレストジン」って、一体どんなジン?

文:Ryoko Kuraishi、撮影:Hisashi Nagasu

日本草木研究所の二人。トップ画像のフォレストジン(¥5,980)は日本草木研究所のオンラインショップで発売中。

先ごろリリースされたクラフトジン「フォレストジン」をご存知だろうか?

たくさんのジンが登場するなかでどりぷらがこのジンに注目したのはボタニカル原料の100%が国産野生香木で、かつ原材料の60%以上に間伐材(スギ、ヒノキ、ナラ)を使っているから。

日本の樹木を使ったジンはほかにもあるけれど、ボタニカル原料の100%が国産というのは日本初の試みだ。

今回は日本の里山と間伐材にフォーカスした「フォレストジン」ができるまでの背景をご紹介しよう。

各地の里山で調達した素材の活用法を探る。

この「フォレストジン」を手掛けるのは、日本草木研究所というユニークな団体だ。

日本全国の里山にある可食植物を自分たちの手で蒐集し、その研究と製品開発を行なっている。

日本草木研究所を主宰するのはクラフトコーラやノンアル専門ブランドをプロデュースする調香師と、クリエイティブディレクターの二人組。


そもそも二人が日本の植物に注目したのもクラフトコーラがきっかけだった。

「 私が手がけたクラフトコーラブランドでは“リアルジャパンクラフトコーラ”を謳っており、地域固有の素材でご当地コーラを作りたいとさまざまな地方を巡りました。

コーラに適した素材を探していて、日本にはヤブニッケイや沖縄の島コショウというような、ユニークなボタニカルがたくさん存在することを知ったんです。

日本の里山にはこんなに魅力的な素材が眠っているのにマーケットには西洋のスパイスやボタニカルしか出回っていない。

その矛盾に行きつき、より素材そのものに特化した活動に取り組んでみたくなったのが日本草木研究所を立ち上げた理由です」

日本草木研究所設立の原動力となった、八甲田山のアオモリトドマツ(オオシラビソ)。

日本の里山へ、植物蒐集へ。

ちょうどその頃、八甲田山に行った友人がアオモリトドマツ(オオシラビソ)の枝を持ってきてくれた。八甲田や蔵王の樹氷で有名なアレである。

枝葉から精油成分を抽出できるほどの香木で、収穫したてのフレッシュな葉からはカボスを思わせる清涼感のあるシトラス香が薫る。

「それが乾燥するにつれ、シトラスからベリーのような甘い香りに変わるんです。

こんなユニークな素材に代わるボタニカルやスパイスはないと確信し、この植物を使ったプロダクトを開発してみたいと考えました」

ブランド化を見据えて里山へ植物蒐集に出かけるようになったが、蒐集の旅で頼りになるのは、山の生態や植物に詳しいローカルの人脈だ。

“飲む森林浴”シリーズの第一弾、モミ、アカマツ、カラマツ、アブラチャン、ヒノキ、晩柑、ブラックカルダモンの「フォレストソーダ」(右)¥2,600、「フォレストシロップ」(左)¥4,980。どちらも離山を拠点に活動するアーティストチーム「TŌGE」との共同開発商品で、日本草木研究所のオンラインショップで販売している。

「まずは『こんな植物を探しています』という私たちのお題を各地の友人や山にネットワークを持つ方々に伝えます。

すると、あのエリアにあるらしいとか、あの山域に自生しているという情報が集まってきます。

情報が集まったら目指すエリアで森に詳しい人を紹介してもらい、山に入ってお目当ての植物を探します」

二人で出かけた青森では“森の専門家兼アーティスト”というクリエイターが山の中を案内してくれ、カツラという植物を紹介してくれた。

「森に入るとキャラメル工房に迷い込んだのかと錯覚するほど、甘く強い香りがしました。

枯れはじめの時期のカツラからはキャラメルそのものの香りがするんだそうです。

調べてみると、砂糖菓子を製造する際に生成されるマルトールという成分がカツラに含まれていることがわかりました」

クラフトコーラやノンアル専門ブランドのファウンダーであり、さまざまな飲食ブランドのプロデュースで活躍する。

こんなふうに岐阜、山梨、長野とさまざまな山域でフィールドワークを重ねて完成したプロダクトの第一弾が、軽井沢の離山で採取したモミ、アカマツ、カラマツ、アブラチャン(クロモジの近種)、ヒノキという5種の香木を蒸留した飲料「フォレストシロップ」と「フォレストソーダ」だった。


“飲む森林浴”こと「フォレスト」シリーズの誕生だ。


後編ではさらに「フォレスト」シリーズの醍醐味を探っていきます!

後編に続く。

SHOP INFORMATION

日本草木研究所
非公開
TEL:非公開
URL:https://nihonkusakilab.com

SPECIAL FEATURE特別取材