BOLS AROUND THE WORLD 2019
日本チーム「Whisktail.tokyo」インタビュー!

SPECIAL FEATURE特別取材

BOLS AROUND THE WORLD 2019
日本チーム「Whisktail.tokyo」インタビュー!

06.06.2019 #Special Feature

文:Drink Planet編集チーム

点火したスモーキーウイスキーを注いでフィニッシュさせる「サムライ スピリッツ」。

点火したスモーキーウイスキーを注いでフィニッシュさせる「サムライ スピリッツ」。

バーテンダーチーム「Whisktail.tokyo」とは? 

2007年に華々しくスタートしたオランダ・ボルス社によるバーテンダー・コンペティション「BOLS AROUND THE WORLD(以下BATW)」。

記念すべき第10回大会となった「BATW 2019」のテーマは「BEST BAR TEAM EDITION」ということで、BATW史上初のチーム戦となりました。

日本で唯一アジア・パシフィック予選まで勝ち進んだのが、静谷和典さん率いるバーテンダーチーム「Whisktail.tokyo(ウイスクテイル ドット 東京)」でした。

静谷さんは東京・新宿の「バー 新宿ウヰスキーサロン」と「バー リベット」のオーナーバーテンダーであり、ウイスキー検定3階級全国1位を達成した最年少マスターオブウイスキー。

2018年にはバーテンダーチーム「Whisktail.tokyo」を設立し、世界に向けてウイスキーカクテルの発信・普及にも務める人物です。

このウイスクテイルという言葉は、ウイスキーとカクテルを組み合わせた造語。

ウイスキーベースカクテルを短縮した言葉と定められ、2018年7月に登録商標(登録番号第6050899号)として認可されています。

今回、静谷さんはスタッフの小倉友翔さんと恒川祥吾さんとともに「Whisktail.tokyo」名義でBATWに参戦し、オリジナルカクテル「サムライ スピリッツ」を披露してくれました。

BATWへの挑戦を経た「Whisktail.tokyo」の面々に、改めてBATWについて、「サムライ スピリッツ」について、お話を伺いました。

「Whisktail.tokyo」を主宰する静谷和典さん。

「Whisktail.tokyo」を主宰する静谷和典さん。

これまでウイスキーを主軸に活動を続けてきた静谷さんにとって、今回のBATWへの挑戦は初めてのコンペティションでした。

応募のきっかけは何だったのでしょうか?

「前回のBATWにおいて、日本人バーテンダーの石村正樹さん(当時は「バー・プライベートポッド 新宿」、現在は「スターバックス リザーブ® ロースタリー 東京」勤務)が世界2位になられたことが大きいですね。実は石村さんと僕は、昔からのバーテンダー仲間。その盟友が世界に向けてチャレンジし、世界から認められたことに大いに刺激を受けました」

ちなみに石村さんは、静谷さんとともにバーテンダーチーム「Whisktail.tokyo」を起ち上げた設立メンバーでもあるそうです。

「現在、世界的にはウイスキーカクテルがトレンドとなっていますが、日本ですとストレートやロックで飲むか、あるいはハイボールで飲むか、の2つの方向性がメインストリームです。ですからプロのバーテンダーとして、もっと多くの方にウイスキーカクテルという選択肢があることを知っていただきたいと考え、『Whisktail.tokyo』を起ち上げました。今回のBATWへの挑戦も、『Whisktail.tokyo』としての活動の一環です」

というわけで、BATW2019の募集がかかってすぐに「Whisktail.tokyo」としてエントリーしたんだそうです。

「東京インターナショナル バーショー」のボルスブースで「サムライ スピリッツ」を披露する恒川祥吾さん(左)と小倉友翔さん(右)。

「東京インターナショナル バーショー」のボルスブースで「サムライ スピリッツ」を披露する恒川祥吾さん(左)と小倉友翔さん(右)。

「サムライ スピリッツ」開発秘話。

BATW2019において、静谷さん率いる「Whisktail.tokyo」が投稿したカクテル動画はこちらからご覧ください。

★サムライ スピリッツ(Samurai Spirits)
ボルス バレル エイジド ジュネヴァ40ml
ボルス クレーム・ド・カカオ ホワイト15ml
ほうじ茶15ml
レモンジュース10ml
柚子ジャム2tsp
スモーキーウイスキー10ml(最後に点火して注ぐ)

オリジナルウイスクテイル「サムライ スピリッツ」の開発に関しては、メンバーの小倉友翔さんが大きく関わったということで、ここからは小倉さんにも話を訊きました。

「ボルス社の創業は1575年。当時のオランダはスペインからの独立戦争をしている時代でした。一方、日本は戦国時代の真っ最中。そこで侍というイメージが浮かんだのですが、決して戦争や争いという意味合いではありません。むしろ裏テーマは“平和”です」と小倉さん。

「少し時代は前後しますが、17世紀にはオランダの哲学者スピノザが活躍しました。スピノザは『平和とは争いがないことではなく、それは魂の力により生まれる美徳である』と説きました。ですから日本とオランダを繋ぐ『サムライ スピリッツ』をお飲みいただくことで、飲んだ方の心が癒され、それが世界平和へと繋がってほしい。そんな想いをこのウイスクテイルに込めました」

例えば、ほうじ茶にはリラックス効果、柚子には疲労回復、カカオにはポリフェノール効果、というように、飲んで癒しとなるような材料が使われています。

ちなみに日本に初めてカカオを持ち込んだのはオランダ人と言われているんだとか。

1575年創業のボルス社のシグネチャー「ボルス ジュネヴァ」(左)と「ボルス バレル エイジド ジュネヴァ」(右)。

1575年創業のボルス社のシグネチャー「ボルス ジュネヴァ」(左)と「ボルス バレル エイジド ジュネヴァ」(右)。

ボルス ジュネヴァの無限の可能性。

ボルス社のジュネヴァにはレギュラーラインの「ボルス ジュネヴァ」と樽熟成した「ボルス バレル エイジド ジュネヴァ」がありますが、今回「ボルス バレル エイジド ジュネヴァ」をベースとして使った理由は何でしょうか?

静谷さんはこんな風に答えてくれました。

「ジュネヴァもバレル エイジド ジュネヴァも、どちらもふくよかな印象の割にしっかりとしたボディがあり、カクテルベースとしては最適です。ただし我々は『Whisktail.tokyo』としてウイスキーはどうしても使いたかった。となると、同じく樽熟成をしているウイスキーとのリンクが、バレル エイジド ジュネヴァのほうがキレイに馴染んだのです」

副材料として使ったほうじ茶の香ばしさやカカオのほろ苦さにも、バレル エイジド ジュネヴァのウッディなニュアンスがスムーズに溶け込んでいます。

「ジュネヴァは一般的にジンのルーツとされていますが、ジンがシャープなのに対して、ジュネヴァはふくよかで深みがある。ジンよりもむしろウイスキーの表情に近いでしょうか。ですからウイスキー好きの方にも好評です」

「それから、そのふくよかな味わいゆえに、和の素材ともとてもよく合いますね。『サムライ スピリッツ』でもほうじ茶や柚子を使用しましたが、ほかにも抹茶や黒みつ、和三盆糖など、和の素材と組み合わせることで、ジュネヴァの可能性は無限大に広がります」

静谷さんが今年4月にオープンさせた「新宿ウヰスキーサロン」店内。

静谷さんが今年4月にオープンさせた「新宿ウヰスキーサロン」店内。

“Whisktail”を世界の共通語に!

BATW以降、静谷さんのバー「バー 新宿ウヰスキーサロン」と「バー リベット」では、「サムライ スピリッツ」をオンメニューで提供し、ゲストからも好評をいただいているそうです。

また先日開催された「東京インターナショナルバーショー」においては、小倉さんと恒川さんがボルス社やジュネヴァの説明を交えながら「サムライ スピリッツ」を来場者に振る舞ってくれました。

「日本のお客さまにとって、まだまだジュネヴァは未知のスピリッツ。ですから、ジュネヴァだけで飲んでみたいというリクエストを多くいただきます。そういう場合は『サムライ スピリッツ』とともに、ジュネヴァをストレートでも試してもらうようにしています。お客さまに新しい世界(お酒)を知っていただくことも、我々バーテンダーの大切な役目のひとつです」

静谷さんは「ゆくゆくは“Whisktail”を世界の共通語にしたい」と語ります。

BATWという世界への扉を通して、静谷さん率いる「Whisktail.tokyo」はその一歩を踏み出したようです。


★バー 新宿ウヰスキーサロン(BAR Shinjuku Whisky Salon)
東京都新宿区3-12-1 佐藤ビル3階
☎03-3353-5888
https://goo.gl/maps/VSf4EiKAWtUUfnYy6

★バー リベット(BAR LIVET)
東京都新宿区3-6-3 ISビル4階
☎03-6273-2655
https://bar-livet.jp/

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