酒蔵の参入でますます目が離せない、
2022年クラフトコーラ最前線!
<前編>

PICK UPピックアップ

酒蔵の参入でますます目が離せない、
2022年クラフトコーラ最前線!
<前編>

#Pick up

Soramizu Ryosuke/空水りょーすけ by「Cola Fan」

今月は新規メーカーの参入が相次ぐクラフトコーラにフィーチャー。クラフトコーラ専門家でコーラ専門メディア「Cola Fan」編集長の空水りょーすけさんに、現在のクラフトコーラシーンの動向を伺います。

文:Ryoko Kuraishi 写真提供:Ryosuke Soramizu

「UMAMI COLA」の近所の河原でコーラを味わう空水さん。楽しそう!

自身が大のコーラ好きで、「20代の10年をコーラに捧げた」という空水りょーすけさん。

これまでに飲んだコーラは600種類(!)、クラフトコーラに限っても300種類(!!)という、コーラマニア&専門家だ

「コーラとはなにか」を追求するために趣味で続けていた飲み歩きを形にしたのが、2020年にスタートしたコーラ情報サイトの「コーラ倶楽部」。

ただひたすらコーラの新製品を飲み、その感想を上げるというシンプルな構成で、コーラ好きたちの心を捉えている。

同年、「UMAMI COLA」の試飲会で代表の山田さんと意気投合、クラフトコーラを飲み歩くようになったことがきっかけで、翌年、コーラ専門メディア「Cola Fan」編集長に就任した。

今月は空水さんに、最新のクラフトコーラ情報をお話しいただく。

空水さんが編集長を務める「Cola Fan」ではコーラにまつわる最新情報やイベント情報などを掲載している。

そもそも、どうしてこれだけクラフトコーラが注目されるようになったのでしょう?

「お酒を飲まない、飲みたくないという方が増えてきて、あえてアルコールを飲まない『ソバーキュリアス』の文化が根付いてきたことが大きいと思います。

これまでは飲まない人にとって、ソフトドリンクの選択肢がとても少なかった。

飲食店では比較的高価なお酒、こだわりのカクテルやスピリッツ、リキュールがメニューに並んでいるのに、ソフトドリンクとなるとお茶や炭酸飲料など大量生産されたものしかなかったのです。

大量生産の飲料が悪いわけではないんですよ。安価でどこでも手に入る優れた製品だと思います。僕自身、普通のコーラの大ファンですから、否定するつもりはまったくありません。

ただ、もう少しこだわって選ばれたもの、多少高くてもハンドメイドのよいものを飲みたいという需要がここ最近、急速に高まってきたのです。

そんな背景からクラフトコーラというジャンルに注目が集まっているのではないでしょうか」

有明ガーデンで開催されたイベント、「クラフトコーラヴィレッジ」を取材した時の様子。

造り手のストーリーに注目せよ!

多彩なブランド、メーカーが日々、誕生しているクラフトコーラシーン。その中でも空水さんが注目するのは、ストーリーのある造り手だ。

「コーラに貴賎なし」との理念から、『Cola Fan』ではあらゆる種類のコーラを掲載しているというが、個人的に取材に出かけたくなるのは造り手や製造背景に独自の思いやストーリーがあるもの。

たとえば、過去にCola Fanで取り上げた「銚子灯台コーラ」は、“ご当地コーラの極致”のようなスタイルが面白いという。

「『銚子灯台コーラ』は、販売後数年は『銚子でないと飲めない』というスタイルをポリシーとして貫いていました。

販売数を伸ばすのであればシロップとしてオンラインで販売するのが簡単ですが、『実際に銚子の町を楽しんでもらいたい、銚子の町を盛りあげたい』という想いが強いんですね」

初めて「クラフトコーラ」を謳ったのは「伊良コーラ」。2018年にキッチンカーでスタートした造り手だ。撮影:Kenichi Katsukwa

「三重県名張市にある、『コーラ・スカッシュ』というクラフトコーラを造っている『クラフトソーダ工房COLAND』というメーカーもユニークです。

クラフトコーラは委託製造されていることが多いのですが、レシピや工程があまりに複雑になると製造を請け負ってもらえなくなるのです。

そこで、『クラフトソーダ工房COLAND』の代表の今さんはなんと、自身で清涼飲料水製造許可を取得し、製造設備を整えてしまいました。

『クラフトコーラを作りたいけれど製造設備がない』という小規模なメーカーに寄り添ってあげたいと、OEM製造も積極的に請け負っています。

こういった、『困っている人たちのために何かしよう』という行動力には本当に頭が下がります。

こういった方々の動向には個人的にも注目していますし、『Cola Fan』としてもぜひ応援したいと考えています」


まだまだ続くコーラ談義。後編では近頃話題の日本酒の酒蔵×クラフトコーラの親和性について伺います!

後編に続く。

ご当地コーラの代表格、「銚子灯台コーラ」。銚子産のひしおを使用している。インパクトのあるカラーは、広い海と空のブルー×大地のブラウンをイメージしている。2020年6月販売スタート。

SHOP INFORMATION

Cola Fan
非公開
URL:https://cola-fan.com

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