業界屈指の美人PR、児島麻理子が
NYの最新バーをナビゲート。
<前編>

PICK UPピックアップ

業界屈指の美人PR、児島麻理子が
NYの最新バーをナビゲート。
<前編>

#Pick up

NYバーホッピング

バカルディ ジャパンで10年半に渡りスピリッツやバー文化を広める活動をしてきたPRの児島麻理子さん。独立を機に出かけたNYから、最新バー事情をレポート!

文:Mariko Kojima, Edit:Ryoko Kuraishi

児島さんにとって16年ぶりとなるNYへ。

長く務めたバカルディジャパン社の退職をきっかけに、バーホッピング・トリップに出かけた児島麻理子さん。
飛び立った先は、なんと16年ぶりだというNY!!


「以前は知り合いなんてひとりもいない遠い街だった」というが、仕事を通じていつの間にかバーオーナーやバーテンダーの知り合いが増えていて、「なんだかホームタウンを訪れるようだった」と旅を振り返る。
バーという共通項だけで世界各国、各都市とつながれるということで、改めてバー業界のつながりの強さに感銘を受けたそう。


そんなNY滞在中は、カクテル文化発信国の一つらしく、”バーの日常と非日常”の両軸でのトレンドを感じることができたという。
それでは早速、児島さんのレポートをお届けしよう。

「Cafe DANTE」 のカクテルメニュー。午後3時から6時までは$10でネグローニが頼める”ネグローニ・タイム”がある。

ニューヨーカーの日常に寄り添う「Cafe DANTE」

16年ぶりのニューヨークで、まず訪れてみたかったのは、2019年の”World Best Bar 50”で第1位となった「Cafe DANTE」。


バーのランキングで1位となったこのカフェに漂うのは、とにかく自由な空気感でした。
ヨーロッパ移民が多かったGreenwich Villageエリアにある「Cafe DANTE」は、1915年から続く老舗のカフェを現オーナーが引き継いで、新しい息吹を吹き込んだもの。


朝10時から始まるオールデーバーのスタイルはそのままに、世界レベルのカクテルとチームが加わったことでモダンな血が通いだしました。


「ここはコーヒーよりもカクテルのほうが美味しいから」とは地元の声。
タップで提供されるものも含めて、シグネチャーカクテルは13種類の「ネグローニ」と、イタリアのクラシックなカクテルであるGaribaldi。

午後2時の「Cafe DANTE」の店内。カウンターは満席。

ブランチにはMorning pick me upという、朝から(!)おすすめのカクテルメニューもあり、All Day Bloody Maryと名のつく、どの時間に飲んでもOKのブラッディメアリーまであります。


ニューヨークにはかつて、ビジネスマンがランチに3杯のマティーニを飲むという「Three-Martini Lunch」の習慣があると聞いたことがありました。
さすがに現代ではそんなマッチョなアメリカ人は少なくなっていたと言いますが、ここ「Cafe DANTE」は昼飲み文化の火付け役となったそう。


ある人は食事と合わせて、ある人はwifiをつないで仕事をしながら、ごくごくとカクテルを飲む雰囲気は、たしかに今の空気感。


なにか特別なことではなくて、いつでも行ける場所にレベルの高いカクテルがあるという当たり前に思えることこそが、ここを人気店に押し上げた秘訣のように見えました。

イーストサイド、ウエストサイドのオイスター名がメニューに並ぶ「NR」。

そして、「Cafe DANTE」が昼と夜のボーダーを超えているように、バーとレストランの業態もボーダーレスになっているのがいまのニューヨーク。


アッパーイーストサイドのバー「NR」はオイスターとラーメンとカクテルのお店(ラーメンの出汁で味わうオイスターは格別!)だし、“World’s 50 Best Restaurant”にもランクインするNY最先端のビストロ「Estela」は入り口を入ってすぐの場所にカウンターを備え、カクテルも充実。


その「Estela」の新店舗は「Flora Bar」とバーを冠した業態で、「街で一番美味しいオイスターを出すバー」として地元で話題になっていました(ここでもオイスターですが、ニューヨーカーは本当によくオイスターをよく食べる!)。


もちろん、ダイニングとバースペースが隣接する「Saxon + Parole」も変わらずの人気。
とくに地下の居酒屋業態ではマティーニと和食を合わせていて、痺れるほどのかっこよさがあるのでした。


時間やシーンが柔軟な、日常に寄り添えるバーのあり方は、今後のバー業態のあり方として大いに参考になるものでした。
遠からず日本にもこの流れが来そうです。


後編に続く。

SPECIAL FEATURE特別取材