目指せ、ニカラグア!
「フロール・デ・カーニャ」カクテルコンペ
栄冠をつかんだのは安里勇哉さん(「Bar Prima」)!

SPECIAL FEATURE特別取材

目指せ、ニカラグア!
「フロール・デ・カーニャ」カクテルコンペ
栄冠をつかんだのは安里勇哉さん(「Bar Prima」)!

(更新) #Special Feature

サスティナビリティをテーマに据えたユニークさで、多くのバーテンダーから注目を集めるニカラグア産プレミアム・ラムの「フロール・デ・カーニャ」。
「フロール・デ・カーニャ」が主催する、世界40カ国の以上のバーテンダーが参加するカクテルコンペが「フロール・デ・カーニャ サスティナブル・カクテル・チャレンジ」です。
昨年に続き、今年も多くのバーテンダーが参加。書類審査を経て9名のバーテンダーが日本大会に出場しました。
ここでは9月20日、新宿「BAR FIVE Arrows」で開催された日本大会の模様をお届けします。

優勝した「Bar Prima」安里勇哉さんのカクテル、「Ti to Ti」。泡盛を楽しむ酒器、カラカラでサーブ。

優勝した「Bar Prima」安里勇哉さんのカクテル、「Ti to Ti」。泡盛を楽しむ酒器、カラカラでサーブ。

サスティナブルなものづくりを貫く「フロール・デ・カーニャ」ならではの視点

それではさっそく、レポートしていきます!

1次の書類審査を経て日本大会へと駒を進めたのは、杉野克彦さん「AGAVE」(東京)、高橋大地さん「APOTHECA」(京都)、斎藤麻美さん「LATINX」(神奈川)、杉野遊輝さん「BAR010」(福岡)、山内良太さん「Bar霞町嵐」(東京)、大倉健太さん「UA BAR」(東京)、菅原翔さん「BAR RUMBULLION」(東京)、安里勇哉さん「Bar Prima」(神奈川)、村上雄基さん「BAR FIVE Arrows」(東京)の9名です。

昨年同様、ジャッジを務めるのは、「フロール・デ・カーニャ」アンバサダーの“ミッチ”ことミッチェル・J・タウンゼントさん、日本ラム協会会長の海老沢忍さん、「武蔵屋」の小林卓也さん、そして「フロール・デ・カーニャ」インポーターであるアイデイ商事代表取締役の土居影久さんの4名。今年はさらにご存じ、「LAMP BAR」の金子道人さんが加わりました。

参加バーテンダーは制限時間7分以内に4杯のカクテルを作り、プレゼンテーションを行います。
審査されるのは① 味/香り/見栄え ② 独創性とカクテルテクニック ③ サスティナブルな要素 ④ ストーリー性の4点。

当日の様子を見ていきましょう。

優勝した「Bar Prima」安里勇哉さん(写真上)、2位「BAR 霞町嵐」の山内良太さん(写真下左)、3位「APOTHECA」の高橋大地さん(写真下右)。

優勝した「Bar Prima」安里勇哉さん(写真上)、2位「BAR 霞町嵐」の山内良太さん(写真下左)、3位「APOTHECA」の高橋大地さん(写真下右)。

それぞれの視点で語られる、サスティナブルなカクテルストーリー

1890年に誕生した「フロール・デ・カーニャ」の蒸留所は、中南米ニカラグアのサンクリストバル火山の麓に位置します。

ラムの原料であるサトウキビの栽培から自社で行っていますが、火山灰性の土壌、溶岩大地で濾過されたミネラル豊富な地下水、そして熱帯雨林気候が、濃厚な甘味とオレンジピールを思わせる微かな酸味をまとったサトウキビを育ててくれるとか。

砂糖も添加物も一切使わず、ニカラグアならではの風土をラム造りに生かす「フロール・デ・カーニャ」では、こうした素晴らしい環境を永く守っていこうと、100年も前から「持続可能な開発と成長」を掲げています。

こうしたことから、コンペの審査内容においてもサスティナビリティが重要視されています。
たとえば、使用できる材料は① フェアトレード認証またはカーボンニュートラル認証を受けている食材、② 旬の食材、③ 地産地消の食材、④ フードロスや食品ごみから再利用した食材という条件のうち最低1つを満たす必要があります。

2回目の開催となる今年は、各コンペティターがこうしたコンペの性質をよく掘り下げてきているようでした。

抽象的な「サスティナブル」ではなく、それを自分の身の回りにある事象にあてはめて掘り下げ、それぞれのサスティナビリティのストーリーを自分の言葉で表現しようとしています。

コンペをきっかけに、普段の営業にフードロス削減の取り組みや資源の有効活用を取り入れているという参加者もおり、自分ごとに捉えて発信することでサスティナビリティの対象が広がった印象です。

審査員にとっても、新たな気づきをもたらすコンセプトは少なくなく、プレゼン後の質疑応答でも活発なやりとりが行われていました。

今年は金子道人さんが審査に加わり、さらに多角的な視点でカクテルをジャッジしました。

今年は金子道人さんが審査に加わり、さらに多角的な視点でカクテルをジャッジしました。

それでは今年の入賞者を発表しましょう。

3位に輝いたのは、トップバッターでの登場ながら落ち着いたパフォーマンスで高得点に輝いた、高橋大地さん(「APOTHECA」)。

「身近にあるフードロスについて掘り下げたプレゼンテーションを行っており、審査員にとっても発見がありました。
味わいについても、一つ一つの自家製材料の調整が図抜けていた印象です。落ち着いたパフォーマンスでしたが、『人の目を惹きつける』という観点を取り入ると、更なる得点を期待できそう」(金子さん)

「コンペをきっかけに普段の営業でもサスティナビリティを強く意識するようになり、いい機会となりました。
プレゼンテーションについてはまだまだこれから。多くの方にプレゼンを見ていただき、フィードバックをいただいて自分らしさを見つけ、それを武器にしていきたいと思います」(高橋さん)


2位は、昨年も準優勝に輝いた山内良太さん(「BAR 霞町嵐」)。

「構成力、サスティナビリティの視点やプレゼンテーション、すべてにおいてとてもレベルが高かった。味わいの軸をもっとアピールできていたら、さらなる得点が期待できたかもしれません」(海老沢さん)

「自家製コーディアルににがりや昆布を使っていましたが、海外の審査員にどこまで理解してもらえるのか。難しい素材だと感じました」(金子さん)

「昨年はパーソナリティの部分が弱いという指摘を受けたので、そこを強化して臨みました。
その課題は払拭できたようなので、昨年ほど悔しくはありません。
味わいについては、フロール・デ・カーニャの存在を全面に出すべく、自分の個性を抑えましたが、もう少し自分らしさを出してもよかったのかもしれません」(山内さん)

「日本文化のサスティナビリティとカーボンニュートラル」をテーマにした山内さんのカクテル「Three Point Cycle」。組み木細工のコースターが美しい。

「日本文化のサスティナビリティとカーボンニュートラル」をテーマにした山内さんのカクテル「Three Point Cycle」。組み木細工のコースターが美しい。

質の高いパフォーマンスが続いた今年、激戦を制したのは、自身のルーツである沖縄の文化や食材に光を当てた、安里勇哉さん(「Bar Prima」)。

カクテルは「Ti to Ti」。沖縄の方言で「手と手」という意味です。

カクテルを構成するのは、サトウキビの搾りかすであるバガスを麹で発酵させたパウダーに、フェアトレードのバオバブのハチミツ、サトウキビビネガーを合わせたシュラブと、パイナップルジュースを絞った後の実と皮を使って低温調理し、沖縄のスパイス、ヒバーチとバニラシロップを加えたパインソリューション。

ルートビアの氷にアイデアが光ります。

フロール・デ・カーニャ12年と相性がよく、かつ沖縄らしいパイナップル、サトウキビ、ルートビアといった材料をうまくまとめ、1杯に落とし込みました。

昨年は書類審査で落ちてしまったという安里さん。昨年の反省から、今年は「グローバルでの再現性」を念頭に置き、どの国・どの都市でも手に入る素材でアレンジできるレシピを考えたそう。
「サスティナビリティについては、昔からある問題が、現在、緊急に取り組むべき課題になっていることから、過去と現在の実体験をシンクロさせながら1本のストーリーに仕立てました。
レシピを考えるにあたり、沖縄出身の父から昔の思い出をヒアリングしましたが、そうした父と過ごした時間も含めて思い出深い1杯になりました」(安里さん)

審査員からは、沖縄の伝統と最新の技術を融合し、過去と現在のサスティナビリティをカクテルで表現したストーリー性と、華のあるパフォーマンスが高く評価されました。
「コンセプトや味わいはもちろん、フロール・デ・カーニャとのコネクションも完璧でしたね。
さらに、陽気でポジティブな本人のパーソナリティが海外のコンペ向きだと感じました。
これからアジアパシフィック大会に向けて英語の練習は必要だと思いますが、臨機応変にあらゆる状況を乗り切る底力を秘めていると思っています」(ミッチさん)

バーテンダーのみなさん、おつかれさまでした!

バーテンダーのみなさん、おつかれさまでした!

沖縄というテーマを、世界の舞台でアピールしたい!

一部の審査員からは、世界大会で戦うにあたり、沖縄というテーマはニッチすぎないかという危惧の声もあがりましたが、「日本人でさえ沖縄のことをよく知らないからこそ、世界の舞台でアピールする意味がある」と安里さん。頼もしい!

日本は単一民族国家と思われがちですが、マイノリティの文化に光をあてるプレゼンテーションが、多様性を尊重する現在の風潮にフィットしそうです。

最後に、コンペ全体に対しての審査員講評もお伝えしておきましょう。

「昨年よりグローバルを意識したレシピ、構成が多かったように思います。金継ぎのように日本独自の文化を取り入れるバーテンダーも多く、多様性が生まれていました」(土居さん)

「みなさん、味の作り方がとても上手で、レベルの高い味覚を作っていたと思います。
テーマの設け方もおもしろかった。気になったのは、プレゼンテーションのボキャブラリーが少ないことと、材料や手法について世界の最先端を取り入れてもいいのでは、ということ。参考にしてみてください」(金子さん)

「コンペの先にある『カクテルの普及』という観点から、『グローバルで再現できるか?』という観点でレシピを考案してくれたバーテンダーが多かったことに感心しました」(ミッチさん)

「どのバーテンダーも、サスティナビリティについて自分の視点で広がりを持たせている点が興味深かったです。テーマの視点が幅広く、取り入れ方もうまかった」(小林さん)

「近年、ラムのカクテルコンペでは、気楽さ、はつらつさ、楽しさというラムらしいポジティブなムードがパフォーマンスに求められている風潮を感じます。特に海外でパフォーマンスを行う際は、そうしたニュアンスのありなしが鍵を握りそうです」(海老沢さん)


「フロール・デ・カーニャ サスティナブル・カクテル・チャレンジ」の次なるステージは、11月にベトナムで開催されるアジアパシフィック大会。
世界に沖縄の風を吹かすことができるのか!?安里さんのパフォーマンスにご期待ください!


★フロール・デ・カーニャ公式HP(日本語)
https://flordecana.jp/

★お問い合わせ
アイデイ商事株式会社
TEL:06-6344-0003
www.id-shoji.com

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会場となった西新宿「BAR FIVE Arrows」。

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