SPECIAL FEATURE特別取材
香港初開催!
「Asia's 50 Best Bars 2023」潜入特別レポート
[vol.01] -
授賞式の内側から見えた風景!
#Special Feature
文:Miyako Kai(香港在住)
受賞セレモニー後の記者会見にて。「COA」ジェイと、彼の相棒として新店「Savory Project」を回しているアジット。
ウルトララグジュアリーな会場へGO!
「Asia's 50 Best Bars」において毎年多くのバーをランクインさせている香港だが、意外にも、姉妹ランキングである「Asia's 50 Best Restaurants」も含めて、同イベントの開催地となるのは初めて。
コロナ禍前のトップ観光地としての地位復権に向けてまだ道半ばの香港では、このような国際イベントに海外から多数の関係者が訪れて、現在の香港を見てもらい、「香港やっぱりいいね!」と発信してもらうことが、なによりのカンフル剤になる。
会場は2019年にオープンしたウルトララグジュアリーホテル「ローズウッド香港」。
2021年に40位で初登場以来、ランキングの常連になったバー「Darkside」(今年度9位)を抱えているだけあって、「World's 50 Best Bars 2022」で1位に輝いたバルセロナの「Paradiso」を招いたポップアップを行うなど、ホテル側の気合いも十分だ。
ドレスコードはブラックタイ。
アジアのバー業界関係者やメディアが続々と集まり、会場前ではイベントスポンサーであるペリエ、ミクターズ、カンパリなどのブースが設置されて、人気バーテンダーたちが腕を振るってくれた。
(早くもボルテージは最高潮!)
京都「Bee’s Knees」は今回44位。ヘッドバーテンダー有吉徹さんのカクテル目当てに行列が!
すべてのバーが勢揃いするのは初!
いよいよ授賞式がスタートすると、約900人が集った会場は、文字通り冷房が効ききらないほどの熱気に包まれた。
軽妙な司会が冴えるコンテンツ・ディレクターのマーク・サンソン(Mark Sansom)氏が登場し、早速ランキング発表がスタート!
実は今回、同アワード史上初めて、50位以内にランクインした全バーが授賞式に勢揃いしたんだとか。
数日前に開催された51位~100位のバー関係者も多数加わり、とにかく賑やか。
大歓声を浴びた「Disaronno Highest New Entry」受賞の「Virtu」。
続々と登場するNewエントリーバー!
「日本のマエストロ、シンゴ(Shingo Gokan)による、アジアと世界のベストバーで48回目のランクイン!」と会場を賑わせたのが、初エントリー49位の東京「The Bellwood」。
「シンゴはマシーンだね。今夜記念すべき50回目を達成するかも!?」と司会者が盛り上げる。
その他にも、クアラルンプール「Penrose」(50位)、ムンバイ「The Living Room」(48位)、「The Bombay Canteen」(35位)、スリランカのHiriketiya「Smoke & Bitters」(40位)、マニラ「The Curator」(34位)、広州「Hope & Sesame」(39位)など、シンガポール、香港、東京、バンコク、台北、ソウルなどの常連都市だけでない、さまざまな都市のバーが次々と登場した。
(50位から1位のランキングはこちら)
今年の初エントリーは計13軒。
地元香港からは、部門賞「Bartenders’ Bartender」を受賞した「The Pontiac」のベッカリー・フランクス(Beckaly Franks)と、彼女の公私のパートナーであるエズラ・スター(Ezra Star)によるスピークイージー「Mostly Harmless」が33位に初ランクイン!
ちなみにNewエントリー最上位は、20位にランクインした東京の「Virtu」!
確実に本日の主役の1人だった鹿山博康さんと「Bar Benfiddich」のメンバー。
トップ10は興奮のるつぼの中で!
部門賞も続々と発表される。
エコ意識の高いバーとして名高いシンガポール「Native」(42位)のカリスマバーオーナー、P.J による、3D印刷で作ったリサイクル素材のバーカウンターなど最先端なエコへの取り組みで注目の「Analogue Initiative」(15位)が、「Ketel One Sustainable Bar Award」を受賞!
20位を切ると、シンガポール、バンコク、東京、香港、ソウルの5強都市のバーが入れ替わり立ち替わり登場するようになってくる。
いつの間にか、受賞者を意味する赤いスカーフ姿のバーテンダーたちが、国や都市もなく入り乱れてステージ前方に集まってきて、発表ごとにガッツポーズと祝福の大歓声!
いよいよトップ10!
ランクイン確実なバー関係者たちが、順位の行く末が気になるのか、なんとなくそわそわしている雰囲気が伝わってくる。
日本勢最高位の「Bar Benfiddich」(4位)は、鹿山博康さんが部門賞「Roku Industry Icon Award 2023」も獲得したことから、もともと立ち見ではあるけれども、会場総出のスタンディングオベーション的な大喝采の中でステージへ!
「Asia's 50 Best Bars」受賞バーとともに、会場にいる51位~100位のバーも加わった、お約束の写真撮影のワンシーン!
香港「COA」が3年連続No.1の快挙!
そしてトップ3!
司会者が「さあ、『COA』、『Jigger & Pony』、『BKK Social Club』の3軒が残っているよ。どんな順番になっているかな? 『COA』が3年連続トップを死守するかな」と焦らしながら盛り上げる。
結果は、3位が「BKK Social Club」、2位が「Jigger & Pony」!
「実はAsia's 50 Best Bars史上、3年連続というのは初快挙」との司会者の言葉と、地元勢の受賞ということで、地響きが起きそうな大声援とともに、本日の主役「COA」を率いるジェイ・カーン(Jay Khan)、アジット・グルング(Ajit Gurung)、ロク・チュン(Lok Cheung)の3人組が登壇!
最後は、お約束の会場にいるすべての受賞者によるグループショット!
興奮冷めやらぬなか、No,1に輝いたバーの記者会見会場へ。
すでに伝説のバーテンダーにして、ナイスガイ代表として誰にも愛されるジェイが、「香港で生まれ育った僕にとって、地元での受賞はやっぱり格別!」としみじみと語る様子に、集まった各国メディア一堂も微笑みが止まらなくなった。