SPECIAL FEATURE特別取材
『RÉMY MARTIN BARTENDER TALENT ACADEMY』
グローバル・ファイナル 亀井康平さん 見事3位に!
#Special Feature
国際的なカクテルコンペティション「レミーマルタン バーテンダー タレント アカデミー」のグローバル・ファイナルが、9月にフランス・コニャックで行われ、日本代表の亀井康平さん(「The SG Tavern」)が見事3位に選ばれました!
帰国した亀井さんにインタビューし、喜びの声と共に大会の様子を伺いました。

「The SG Tavern」には鎖国が続く幕末にイギリスに留学した薩摩スチューデントの写真が飾られている。「彼らの挑戦をカクテルで表現しましたが、僕自身はSGのチームをはじめ多くの人たちのサポートを受けていたので、日本を背負って背水の陣で挑んだ彼らとは比べものになりません」。Photo by Shiho Akiyama
SGチームからの寄せ書きの手ぬぐいをポケットに。
9月17日、フランス・コニャック地方で「レミーマルタン バーテンダー タレント アカデミー(BTA)」が開かれ、日本代表の亀井康平さんが日本では初となる3位に選ばれました!
亀井さん、おめでとうございます!
「ラッキーボーイです!(笑)
でも未だにあまり実感がないですね。自分の中ではまだ終わっていない、何かがずっと続いている感じがします」

3位に選ばれた瞬間の亀井さん。「最初に3位を発表されたので、うれしいというよりも『入賞できて良かった』という安心感のほうが大きかった。3位、2位と発表されてもまだ名前を呼ばれなかったら、たぶん『ちょっとお手洗いに行ってきていいですか?』って言ってたと思う(笑)」
BTAはまだ見ぬ才能あるバーテンダーにスポットライトを当てる世界的な大会で、当日は世界各地から選ばれた12名が集い、技術を競い合いました。
亀井さん、緊張しましたか?
「緊張はしましたが、日本大会のほうが緊張しました。一度そこで経験していたから割と落ち着いて出来ました。
他の出場者もみんなすごく優しくて、誰かが不安そうな顔をしていたら声をかけ、仲間意識のもと協力し合う感じ。
一人くらい気が合わない人がいるかなと思っていたけれど、全員、めちゃめちゃいい人たちでした。
旅の間ずっと一緒だったので、彼らとは一生の友だちになるような気がします。チャットのグループをつくって、今も連絡を取り合っていますよ」

BTAグローバル・ファイナルでプレゼン中の亀井さん。「なぜこの素材を使うかという理由に関しては結構筋を通してプレゼンしたので、そこで審査員が大きく頷いていたのを見て、ちゃんと思いが通じているなと安心できました」。
亀井さんはプレゼンが始まる前、SGチームからもらった寄せ書きの手ぬぐいを改めて見直して勇気をもらい、パフォーマンスの間中、お尻のポケットに入れてお守りにしていたそうです。
「一人の力で勝てる人もいるのでしょうが、僕はコンペ初出場だったし、一人で勝てるほど完璧な技術も知識も持ち合わせていません。だからこそ、他の人たちの力を借りてここまで来られたのだと思います。
そういう意味でも3位になれて、関わってくださった方たちに少しは感謝の気持ちを返せたかなというのはありますね。
まあ、優勝できなかったのはちょっと悔しいですが(笑)」

左は日本大会のチャンピオンカクテル『レゾナンス』。右はグローバル・ファイナルのために考案された『インサイドカー』。レミーマルタンVSOPをベースに、クロモジの香りを移したレミーコアントロー、餡子、味醂を使用している。
刺激を受けた「ポジティブシンキング」と「どうにかなるでしょ感」
日本大会で優勝を勝ち取ったのが6月。そこから3ヵ月間は、どのような準備を?
「日本大会でつくったカクテルの他にもう一つカクテルを考案しなくてはならなかったので、多くはそれを考える時間に使っていました。
反省点は、日本大会が終わった後にすぐに切り替えられなくてダラダラしてしまったこと。最後はギリギリになって仕上げたという感じです」
日本大会では、”Back to the roots to dream forward”をテーマに、歴史あるカクテルをレミーマルタンVSOPを使って現代的に再構築することが求められました。
亀井さんがつくったカクテルが、焼酎を使った『Résonance(レゾナンス)』。
1867年に薩摩藩の若いサムライたちが初めて西洋に行ったという歴史的事実を踏まえ、サゼラックをツイストしたカクテルです。
「カクテルに焼酎を使っている人はいませんでしたが、ドイツ代表のジェイコブが働いているバーがアジアや日本をテーマにしているそうで、作ったカクテルが『シブヤサイドカー』。
いやいや、俺をさしおいて“シブヤ”はないだろうと思いましたが(笑)。
彼のバーでは焼酎も使っているとのことだったので、僕がカクテルに使った焼酎『GLOW』をあげました。
焼酎をヨーロッパでも使っているバーが増えていると知って、うれしかったですね」

香りを閉じ込めたもう一つのカクテル『インサイドカー』。
世界大会ではもう一つ、「なぜバーに来るのか?」をテーマに、同じくレミーマルタンVSOPを使ったカクテルが求められました。
「テーマに対しては『“それ”を体験するため』と答えは出ていました。
だから“それ”に該当するものは何かを探し、日本らしさを出したいということで“香道”をテーマにサイドカーに落とし込みました。
ブランデー自体が香りを楽しむスピリッツですからね」
大会中、刺激を受けたのが参加者たちの「『ポジティブシンキング』と『どうにかなるでしょ感』」と亀井さん。
「僕自身、練習を重ねて精度を重ねていったわけですが、それが作り出せない状況になったときが弱い。
『Take it easy』の精神というか、これが無理だったら、こうしようという順応する力、臨機応変力は勉強になりましたね」

さまざまな体験が盛り込まれていた5日間のコンペティション。亀井さんの表情がとにかく楽しそう!
バーテンダーはおいしいお酒をお客様に知ってもらうアンカー
大会を挟む5日間は、食事会をはじめ、蒸溜所を訪ねたり、サイクリングしながら畑を巡ったりと盛りだくさん。
「海外の洋酒の蒸溜所には初めて行ったのですが、感慨深かったですね。
たとえば樽の貯蔵庫ひとつとってみても、アプローチはコンクリートでも、樽が置いてあるところだけは土なんです。なぜかというと、樽は呼吸をしているから。
細かいところにもにこだわりが感じられ、すごいなと思いました。
お店でお客様と話していると、ブランデーの認知度がそれほど上がっていないと感じます。
バーテンダーはおいしいお酒をお客様に知ってもらうアンカー。
せっかくこのような貴重な体験をさせてもらったのだから、その体験を踏まえ、お酒のこだわりやおいしさを伝え続けていくのが自分の役割だと思っています。
レミーマルタンは自分自身好きなスピリッツの一つ。だからこそ、その魅力をもっともっと多くの人に知ってもらいたいですね」。
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