第1回チリピスコカクテルコンペティション特別レポート

SPECIAL FEATURE特別取材

第1回チリピスコカクテルコンペティション特別レポート
[vol.02] - 総合優勝は「BAR CROSSING」の村上雄基さん!

#Special Feature

文:Drink Planet編集部

第1回チリピスコカクテルコンペティションの本戦は11月10日に行われましたが、11月1日から公式LINEにて事前投票が行われ、同時に本戦当日も(審査員のポイントとは別に)公式LINEから投票ができる「一般参加型」のレギュレーションが採用されました。実際に目の前で見て、飲んで、投票できる新しいカタチのコンペティション。さてさて、栄えある総合優勝に輝いたのは……。

会場には試飲ブースもあり、日本未入荷のチリピスコ16種類を無料で試飲可能。

会場には試飲ブースもあり、日本未入荷のチリピスコ16種類を無料で試飲可能。

「一般参加型」の推し活コンペティション!

第1回チリピスコカクテルコンペティションは、一部がカクテルコンペティション、二部がゲストバーテンダー8名によるゲストシフト(1人2杯のチリピスコカクテルをサーヴ)という二部制で行われました。

一部のカクテルコンペティションは、書類審査を勝ち抜いた全国からのファイナリスト8名が、それぞれチリピスコをベースに使用したオリジナルカクテルを、プレゼンテーションを交えて披露しました。

ジャッジは、「夜香木」の木場進哉さん、「Bar BenFiddich」の鹿山博康さん、「LE CLUB」の村田英則さん、「The Bar TopNote」の野間真吾さん、中瀬航也さん、チリ大使館の商務・農務参事官のヌリ・ディセニ(Nury Disegni)さんの6名。

また11月1日から公式LINEにて、一般の方からの事前投票も行われました。

(各バーでのチリピスコの事前プロモーションが鍵!)

さらに本戦当日にも、来場したゲストがファイナリストの実技や動画を見て、実際にカクテルを飲んで、応援したいバーテンダー1名に直接投票できる仕組みが採用されました。

そんななか、総合優勝を果たしたのは東京・西新宿「BAR CROSSING」の村上雄基さん。

村上さんは本戦当日のポイント獲得数でも1位に輝きました。

なお、総合2位は愛媛「LE CLUB」の山口透さん、3位は東京「CLOVER CLUB」上田けいさんという結果でした。

総合優勝した村上雄基さん。

総合優勝した村上雄基さん。

チリのおばあちゃんの味わいを再現!

村上さんが披露してくれたオリジナルカクテルは、チリと日本を繋ぐというコンセプトで創作した「太陽のピスコサワー」。

材料は以下です。
チリピスコ
自家製東京サケ&エルダーフラワーシロップ
自家製リカリカシロップ(※リカリカはアンデスに自生するボタニカル)
フレッシュライムジュース

そこに、ピスコ風味のドライパイナップルと酒粕に漬けたパルミジャーノレッジャーノチーズでつくった「太陽」のガーニッシュを添えています。

実は村上さん、実際にチリを訪れ、現地でチリピスコの蒸留所巡りをしたのだとか。

「チリを訪れた際に、チリのおばあちゃんが提供してくれた甘くて優しいピスコサワーを自分なりのスタイルで再現しました。チリと日本を繋ぐというコンセプトがあったので、お互いの国の代表的なお酒であるピスコと日本酒を使用しました」

「日本酒が全体の下支えとなり、チリスタイルのピスコサワーに厚みとコク、余韻をプラスしました。主役であるチリピスコ本来の味わいを損なわず、華やかさをどれだけ増幅できるかが1番のこだわりポイントです」

村上さんの優勝カクテル「太陽のピスコサワー」。

村上さんの優勝カクテル「太陽のピスコサワー」。

華やかなマスカットの香りが口の中ではじける!

村上さんがオーナーバーテンダーを務める「BAR CROSSING」は、今年開業したばかりの日本初の葡萄蒸留酒専門バー。

Drink Planetでの「BAR CROSSING」に関する記事はこちら!

当初はコニャックを中心にしたバーを展開しようと考えていましたが、チリの旅でチリピスコに出会い、ピスコやシンガニも含めた「葡萄蒸留酒」というコンセプトに辿り着いたのだそうです。

もちろん「BAR CROSSING」ではチリピスコも数多く取り扱っています。

「チリピスコは肩肘をはるお酒ではなく、親しみやすくカジュアルで、チリの日常生活に溶け込んでるお酒です。マスカット由来の爽やかさがあり、ブドウの味わいは日本人にも親しみやすいので、近い将来、日本でも人気になると考えています。最近は高級ラインや長期樽熟成モノも出てきて、選ぶ楽しみも広がっています」

「また水と相性がいいのも魅力のひとつ。そのため、さまざまなタイプのカクテルに応用しやすい。例えばクラシックカクテルのベースをチリピスコ変えるだけで、バリエーションは無限大です」

「それから冷やすとチリピスコ特有の香りが一旦閉じるのですが、ひと口飲むと口の中で香りがすぐに開くのもチリピスコの特徴。香りが華やかにはじけます。ですから、シェイクなどでしっかりと冷やすカクテルに向いています」

公式LINE経由で、会場内から推しのバーテンダーに投票可能!

公式LINE経由で、会場内から推しのバーテンダーに投票可能!

ファイナリストとして、総合優勝者として。

今回の第一回チリピスコカクテルコンペティションは、ジャッジによる審査のみならず、一般のゲストによる事前投票&当日オンライン投票も含めて実施されました。

ファイナリストとして実際に参加した村上さんは、このレギュレーションをどのように捉えていたのでしょうか?

「これまでのコンペティションとは勝手が違ったので、初めは戸惑いを感じました。お客さまからお金を頂戴してご来店していただいてる中で、個人的な勝負のために事前投票をしていただくことは正直抵抗が大きかったです」

「しかしながら改めてコンペティションに参加してみると、お客さまやスタッフの愛情や大切さを改めて感じることができ、出場バーテンダー同志にも絆が生まれました。私個人というよりは、お客さまもスタッフも含めて、チーム『BAR CROSSING』全員で勝とうという気持ちになり、最終的にはこんなに応援されて負けるわけにはいかないとさえ思えました。今後は関わってくれたすべての方に、少しでも恩返しできるように努めたいと思います!」

「日本ではまだまだ認知度が少ないチリピスコですが、今回優勝させていただいた責務として、チリピスコを広め、よりチリの文化を広めていきたいです!」

チリ大使館の商務・農務参事官のヌリ・ディセニ(Nury Disegni)さん。

チリ大使館の商務・農務参事官のヌリ・ディセニ(Nury Disegni)さん。

チリ大使館商務・農務参事官のヌリさんの感想!

最後に、第一回チリピスコカクテルコンペティションの主催者であるチリ大使館商務部を代表して、実技のジャッジも務めた商務・農務参事官のヌリ・ディセニ(Nury Disegni)さんに話を訊いてみました。

「我々チリ人にとって、チリピスコは非常に身近なお酒です。夜はもちろん、昼間も、お休みの日には朝から飲む人もいるくらいです(笑)。デイリーなお酒なので、コーラで割ったり、フルーツジュースと合わせたりするのが一般的ですね」

「それなのに、今回のイベントでは驚くようなアイデアが次々と出てきてビックリです。例えば、『retro back page』の大内さんはスモークサーモン味に仕立てたり、ゲストバーテンダーとして登場した『LE CLUB』の村田さんは海藻(正確にはもずく)を使ったり、『Cocktail Bar Raven』の伊藤さんは雲丹や海苔を合わせたり……」

「チリ人もシーフード料理にピスコを合わせることはありますが、まさかカクテル自体にシーフードを使うなんて! そしてどれもがおいしいという……、本当に日本のバーテンダーの皆さんの発想力と技術力には驚かされました」

「また他の方々も、マスカット由来のチリピスコの味わいを上手に引き出してくれていました。こんなにチリピスコを理解してくれているなんて、チリ人として嬉しい限りです。第2回も開催したいと思っておりますので、バーテンダーの皆さん、ご参加をお待ちしております」

まだ検討段階ではあるものの、第2回は来年開催を予定。

地方予選から開催し、ファイナルはEXPO 2025 大阪・関西万博のチリパビリオンで行う計画もあるんだとか!!

(あくまで、まだ検討段階です)

その際はまたDrink Planetでもレポートしたいと思います。

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★チリピスコ日本語ウェブサイト
https://www.spiritsfromchile-jp.com/

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