ザッツ・エンターテイメント!
楽しいテキーラのススメ。
<後編>

PICK UPピックアップ

ザッツ・エンターテイメント!
楽しいテキーラのススメ。
<後編>

#Pick up

林生馬さん by「プレミアム・テキーラ&メスカルバー マヤウエル」

北米、メキシコ、そして日本へ。テキーラの愛飲家から、その魅力を日本に伝えるテキーラの親善大使へ。世界のテキーラ事情を知り尽くす男、林生馬さんに教えてもらった「テキーラの今昔」。

文:Ryoko Kuraishi

テキーラ・チャムーコスの蒸留所で、スタッフと。


LAでどっぷりとテキーラにはまった林生馬さん。

2006年に帰国してからは、テキーラへのまっすぐな愛情とエンターテイメント業界で培ったプレゼン力を武器に、
日本にテキーラの素晴らしさを広めることを自らの使命とする。

当時、日本でテキーラと言えば、体育会系一気飲み一辺倒。

「残念でしたね、ストレートで飲んでも最高においしい酒ですから。
もちろんテキーラには一気飲みの文化がありますが、テキーラをおいしく味わうための情報があまりにも少ないと痛感しました」

「お酒はエンターテイメント」、それが林さんの持論だ。

「味はもちろん、楽しく飲むということが重要です。
ということは、酒のスペックにこだわりすぎてはいけない。
最終目標はあくまでも『おいしく、楽しく飲む』ことですから」

そうして辿り着いたのが、日本テキーラ協会が行っている現在の活動である。

スイーツや中国茶、食との斬新なコラボレーション、
テキーラ・ソムリエの育成、
バーテンダーへの講習会など、その活動は多岐に渡る。

林さんが商品開発に携わった「マリアージュ ショコラ」はテキーラほか、ラム、コニャック、アイラモルトなど6種の銘酒とのマリアージュのために作られた。テキーラのためのショコラは、メキシコ産のチリとマルガリータソルトを加えた大人の味わい。ショコラティエ・ミキなどで手に入る。 ¥980

そんな林さんにテキーラの基本的な飲み方を伺った。

「塩とライム、伝統的な飲み方がいちばんおいしいと思います。
が、最近ではオンザロックやテキーラのハイボールも人気がありますね。
LAではロックグラスで飲むスタイルが定番です。香りが立つし、アイスを入れる方も多いですから」

「カクテルなら断然、マルガリータ。
メキシコはもちろんアメリカ全土で最も愛されているカクテルです」

「樽香がするものなどテキーラの銘柄を指定したり、
コアントローを『アガヴェ・ネクター』というアガヴェの蜜にチェンジしたり
コアなアレンジが最近、人気を博しています」

「オーガニックのテキーラにオーガニックのアガヴェ・ネクター、オーガニックのライムを合わせるオーガニックマルガリータも流行っていますね。
びっくりするほど透明感があって、おいしいですよ」

近頃増えているオーガニックテキーラはその名の通り、有機栽培のアガヴェから生まれる。

アガヴェ畑の畝に根の強い雑草が生えないよう、除草剤を使うかわりに牛を放牧する。

牛は畝の雑草を食べて養分となる糞を落としてくれるから、一石二鳥なのだ。

こうして育ったアガヴェから作るテキーラはアガヴェの香りが一際、濃いのだとか。

「そのほかに日本発のカクテルとしてカルピス割りもおいしいですよ。
メキシコ流に言うなら『レッチェ・ド・マゲイ』(マゲイはスペイン語でアガヴェの意)ってところでしょうか。
熟成させないブランコのテキーラを使いますが、乳酸菌とリュウゼツランの香りがマッチします」

「おいしいテキーラを飲みたいならまずはテキーラバーへ足を運んでみてください。
六本木の『アガヴェ』は世界でも指折りのテキーラバーですし、
同じく六本木の『マヤウェル』、錦糸町の『スモーレスト・バー』も、テキーラへの愛情がびしびしと伝わってくる
おすすめのスポットです」

林さんおすすめのテキーラバーの一つ、「マヤウエル」。100%アガヴェのプレミアムテキーラ&メスカルにこだわったセレクションだ。テキーラのラインナップは40種超! Photos Tetsuya Yamamoto

作るのも食べ歩くのも含め「食」が大好きという林さんは趣味と実益を兼ねて、いつも食全体とテキーラのマッチングを考えている。

「テキーラは食中もいけるという、珍しい部類の蒸留酒です。
もちろんメキシコ料理にはぴったりマッチしますが
シュラスコのような直火で焼いた肉やインド料理やタイ料理などスパイシーな味わいとも相性がいいですね」

「最近、私がはまっているのが、とんこつラーメンとのマリアージュ。
メキシコ料理にもとんこつスープがあるほどですから、そもそもテキーラととんこつの相性はいいんです。
合わせるテキーラはきりっと辛口のブランコで決まり!」

新宿駅西口やゴールデン街、渋谷などで展開しているラーメン屋「凪」では、
林さんとコラボしたサルサラーメンがラインナップ。

もちろん、テキーラも扱っている。

「常連さんの間ではラーメンのスープを肴にテキーラをショットグラスで、
そんな楽しみかたが好評だそうです。
いやあ、話しているだけで飲みたくなってきました!」

「マヤウエル」おすすめの銘柄を一部、ご紹介。後列左から焼酎のような味わいで日本人の味覚に合う「アラクラン ブランコ」、オーセンティックなテキーラ好きに好評の「チャムーコス ブランコ」、入荷したばかりの「AGV400 レポサド」、カリフォルニア州のSIPで「ベスト・テキーラ・オブ・ザ・イヤー」を受賞した「アスコナ アスル ブランコ」、前列は「アマネセル・ランチェロ アニェホ」。一杯¥800〜¥900。

そうそう、テキーラはスイーツとの相性もなかなかのものらしい。

「アニェホという樽香のするテキーラは意外にもチョコレートともマッチします。
というわけで昨年はショコラティエ・ミキさんと共同開発した、テキーラと合うチョコレートをリリースしました。
ラーメン通やスイーツ好きなど、いままでのファン層とは異なるジャンルの方にテキーラのおいしさやこの素晴らしい文化が伝わるといいのですが」

「テキーラの楽しみ方、魅力をもっとたくさんの人に知ってほしい」、
そんな思いから「テキーラ・ソムリエ」講座も今春、スタート。

全4回のこの講座ではプルケを試飲しながらテキーラ史を学んだり、
テキーラの樽熟成度やテロワールによるテイスト別の飲み分けなども体験できるそう。

また日本ホテルバーメンズ協会主催のプレミアム・テキーラ・イベントも春に開催予定、
夏には日本ラム協会と共催で、テキーラ&ラムを堪能するための東京湾クルーズイベントも企画中だ。

「マヤウエル」のオリジナルカクテル。マンゴフレーバーのトロピカルな味わいが楽しめる「パウリーナ」¥900と、オレンジ&パイナップルとテキーラのさわやかなコンビネーションの「マヤウエル」¥900。

と、活躍の場をますます広げる林さんに、最後に質問です。

あなたにとってテキーラとは何ですか?

「テキーラは人生を楽しく、豊かに生きるためのツール、でしょうか。
知らない人とコミュニケーションを図る、そうした機会をテキーラが媒介してくれる。
生まれた土地柄でしょうか、テキーラって高揚する酒ですよね。
これぞエンターテインメント!
つらいときは勇気づけてくれ、
陽気なシチュエーションはますます盛り上げてくれる。そんな頼もしい味方です」

気のおけないアミーゴと囲む、テキーラのボトル。
その一杯が心の潤滑油となってくれることを願って。

プレミアム・テキーラ&メスカルバー マヤウエル
東京都港区六本木3-15-24
六本木BOXビル1F
TEL:03-6804-1851
URL:http://www.mayahuel.jp/

SPECIAL FEATURE特別取材