INTERVIEWバーテンダーインタビュー
NYの名店「Employees Only」、
マンハッタンからアジアへ進出!
<前編>
#Interview
EO Bartender Team by「Employees Only」
(C) Shino Yanagawa
年間約19万杯、1分間に1杯のペースでカクテルをサーブするマンハッタンの名店『Employees Only(エンプロイーズ・オンリー。以下、EO)』。
Tales of the Cocktail主催の「World’s Best Cocktail Bar」での優勝をはじめ、数々のアワードを受賞してきた名実相伴うオーセンティックバーである。
数々のアワードの楯や額縁が壁を埋め尽くす。(C) Shino Yanagawa
禁酒法時代のアメリカで流行った、いわゆるもぐり酒場「スピークイージー」スタイルと表現されることが多い同店。
とはいえ、その雰囲気やエナジーは、決して一言で表せるものではない。
週末ともなると、オープン前から列ができる盛況ぶり。
開店時はジャズが流れるシックな装いだった店内も、深夜を回る頃にはダンスフロアと化す。
音楽に合わせてバーレスクダンサーがカウンターで舞えば、バーテンダーたちは、そのノリに合わせてエンターテイナーに扮する。
一方で、ロマンティックなデートを盛り上げるための”黒子”に徹する日もあれば、銀座のママの如く、ゲストの良き話し相手になる日もある。
「すべては、お客さまに満足してもらうため」
カクテルのクオリティはもちろん、相手を見て、臨機応変に対応するホスピタリティマインドも、EOがワールドベストバーと評される所以のひとつである。
(C) Shino Yanagawa
EOがマンハッタンのウェストヴィレッジにオープンしたのは、2004年のこと。
店名「エンプロイーズ・オンリー」は、「夜遅くまで営業しているマンハッタンの飲食業界をはじめとするサービス従業員(エンプロイーズ)が、仕事の後に来れる店」というコンセプトにちなんで名付けられた。
週末に限らず毎日、早朝4時まで営業しているのは、そのためだ。
疲れた身体をバースツールに預けると、いつものドリンクと「How was your shif tonight(今夜のシフトはどうだった)?」という労いの言葉が、スッと差し出される心地良さ。
同業者だからこそわかち合える「なごみ」を提供することでファンを増やしていったという。
バーマネージャーのユリシーズ・ヴィダル。(C) Shino Yanagawa
またEOはカクテルだけでなく、料理にも定評がある。
つい最近バーマネージャーに就任したUlysses Vidal(ユリシーズ・ヴィダル)はこう語る。
「この界隈には、一流レストランやホテルで働く人たちも多い。その人ために存在している以上、彼らが満足できるクオリティでないとね」
「ホスピタリティにおいても同じ。普段、彼らが自分のお客さまにしていることを、この店では僕らがしてあげたいんだ」
EOオリジナルのグレナディン。店頭でも販売される他、オンラインでもオリジナル商品を展開中!(C) Shino Yanagawa
さて、バーテンディングとは、知性を要する「チームスポーツ」である。
EOのバーテンダーたちを見ていると、そう感じずにはいられない。
午後6時を回る少し前、オープン直前の店内は、まるで決戦を控えたアスリートたちの控え室のよう。
ミーティングを終えると、メンバーの一人ずつが、意識を共有し合うようにハグを交わし、士気を鼓舞する。
彼らの長い夜は、いつもこうして幕を開けるのだ……。
後編では、EOが新たに進出したシンガポール店についてお届けしよう!
後編につづく。
SHOP INFORMATION
Employees Only | |
---|---|
510 Hudson St, NYC 10014, US TEL:+1 (212) 242-3021 URL:http://www.employeesonlynyc.com |
Employees Only Singapore | |
---|---|
112 Amoy Street, Singapore 069932 URL:http://employeesonlysg.com |
- ドリンクプラネット >
- バーテンダーインタビュー >
- NYの名店「Employees Only」、 マンハッタンからアジアへ進出! <前編>