ヘンドリックス ブランドアンバサダー
モーガン・フラナガンさんが語る最新ジン事情!

SPECIAL FEATURE特別取材

ヘンドリックス ブランドアンバサダー
モーガン・フラナガンさんが語る最新ジン事情!

#Special Feature

文:Drink Planet編集部

「ヘンドリックスジン」といえば、薔薇とキュウリ!

「ヘンドリックスジン」といえば、薔薇とキュウリ!

キュウリと薔薇の花びらのエッセンスを使ったプレミアムジンとしてすっかりお馴染みの「ヘンドリックスジン(HENDRICK’S GIN)」。

クラフトジンブームの先駆者であり、異端児として、日本のバックバーにも必ず置いてある定番となりました。

その「ヘンドリックスジン」のブランドアンバサダーに就任したモーガン・フラナガンさんが緊急来日。

(本来は地元であるオーストラリアとニュージーランドの担当なんだとか)

という訳で、改めて「ヘンドリックスジン」を取り巻くジンの最新状況とともに、オーストラリアのジン事情などについても直接訊いてみました!

ブランドアンバサダーのモーガン・フラナガンさん

ブランドアンバサダーのモーガン・フラナガンさん

Q 簡単に経歴を教えていただけますか?

「出身はオーストラリア・メルボルン郊外のジーロングという港町。地元の『Mr. Hyde』というバーでヘッドバーテンダーを務めた後、メルボルンの名店『1806』を経て、スコットランド・エディンバラのレストランバー『The Bon Vivant』などの立ち上げにも関わりました」

「現在はオーストラリアのシドニーをベースに、『ヘンドリックスジン』のブランドアンバサダーとしてオーストラリアとニュージーランドを中心に、世界中を飛び回る日々を送っています。ジンとキュウリ漬けの毎日です(笑)。日本は今回で2回目。オーストラリアには日本のカルチャーがかなり浸透しているので、2回目だけど、すでに馴染みの国のような気がしています」

Q では、現在のジンを取り巻く状況を教えていただけますか?

「世界的に“クラフト”というコンセプトが注目されているので、クラフトジンはどこでも大盛況です。本当に次から次へと新しいクラフトジンブランドが出現しています。私もほとんど把握できないくらいです(笑)」

「傾向としては、より小規模な蒸溜所で、よりローカルな(地元の)素材を使用するのが主流となっています。またジン同様、ウイスキーも原酒が足りないくらいブームですから、ウイスキーを造るために蒸溜所を起ち上げ、その繋ぎとして熟成のいらないジンを生産するケースが多く見受けられます。今後もしばらくは新規のクラフトジンブランドが出てくることでしょう」

日本でのゲストバーテンディングをサポートしてくれた「Bar BUTLER Ginza Branch」の水岸直也氏とともに。

日本でのゲストバーテンディングをサポートしてくれた「Bar BUTLER Ginza Branch」の水岸直也氏とともに。

Q 地元のオーストラリアでも同じような状況ですか?

「はい、クラフトジンは一過性のブームというより、すっかり定着しています。正確な数は分かりませんが、100銘柄以上あるんじゃないでしょうか。もう、本当にここ3、4年の話です」

「有名どころでは、一般消費者にも名前が知られている『Four Pillars』。それからバーテンダー向けに展開している『The West Winds』あたりが人気ですね。いずれのクラフトジンも、ボタニカルにレモンマートルやブッシュトマトなど、オーストラリア産の素材を使っているのが特長です」

Q そんななか「ヘンドリックスジン」はどのような立ち位置にあるのですか?

「オーストラリア発のジンが出現する前から、『ヘンドリックスジン』はクラフトジンの代名詞として、また先駆けとして特別なステイタスを築いてきました。ですからクラフトジンがブームになる頃には、『ヘンドリックス』はすでに定番としてバーになくてはならない存在になっていました。今もその地位は揺るぎありません」

「製造元が『ウィリアム・グランツ&サン社』であるという伝統と信頼、それでいてキュウリと薔薇の花びらのエッセンスという大胆なアプローチ、それまで典型的なロンドンドライジンしか知らなかったオーストラリアのバーシーンに、クラフトジン革命をもたらしたのが『ヘンドリックス』なのです」

「おそらく、日本をはじめ、その他の国でもだいたい同じような状況ではないでしょうか?私がこれまで立ち寄った日本のバーには『ヘンドリックス』が必ず置いてありましたよ(笑)」

「ヘンドリックス ジン&トニック」。最近は「ジン&ソーダ」のほうが人気らしい。

「ヘンドリックス ジン&トニック」。最近は「ジン&ソーダ」のほうが人気らしい。

Q カクテルの素材として「ヘンドリックスジン」を使うコツはありますか?

「味の好みは、人種や世代、性別、育った環境などによりさまざまなので一概には言えません。ですから私がブランドアンバサダーとして活動するなかで感じたやり方をお伝えしますね」

「『ヘンドリックスジン』というと薔薇から来るフローラルなニュアンスが一つの特長ですが、あまりフローラルを強調し過ぎないのがポイントだと思います。私がここで言う強調というのは“プラス(足し算)”の発想です。例えば、フローラルなリキュールを加えたり、フローラルな香りをスプレーしたり、というようなことです」

「なにかをプラスするよりも、むしろ酸味や甘味を“マイナス(引き算)”したほうが、フローラルなニュアンスをしっかりと感じさせつつ、バランスよく仕上がると考えています。『ヘンドリックス』らしさを出すのであれば、足し算ではなく、引き算というのが、現代的なアプローチかと思います」

Q 具体的になにか例はありますか?

「例えば、世界的にはヘンドリックスのジン&トニックよりも、ジン&ソーダのほうが人気になりつつあります。最近は高品質なトニックウォーターがたくさんリリースされていますが、それでもトニックの甘さが気になる方が多いようです。ソーダだけでは味わいがぼやけてしまうようなら、ビターズなどでアクセントをつけてください」

「低アルコール、低シュガーは、世界的にも確実なトレンドです。と同時に、苦味系もトレンドです。ちょっと前の時代に良しとされていた味わいのバランスが、今の若い人の感覚にはToo Muchだったりすることがよくあります。これは気を付けないといけませんね」

左が「セブンス・センス(Seventh Sense)」、右が「ブッシュファイア・マルティネス(Bushfire Martinez)」。

左が「セブンス・センス(Seventh Sense)」、右が「ブッシュファイア・マルティネス(Bushfire Martinez)」。

Q 今回来日するにあたり、オーストラリアの材料を使ったカクテルを用意してくれたそうですが、どんなカクテルですか?

「ひとつはワトルシード(wattle seed)と呼ばれるアカシアの種子を使った『ブッシュファイア・マルティネス(Bushfire Martinez)』です。ワトルシードはアボリジニも主食にしていたオーストラリアの伝統食材。ヘーゼルナッツやカカオを香ばしくしたような香りがあり、栄養分も豊富です。野生のスーパーフードです」

「もう一つはレモンマートル(lemon myrtle)を使った『セブンス・センス(Seventh Sense)』です。レモンマートルもアボリジニの伝統食材。食材というよりも、香料や薬として使われてきたものです」

Q 日本の食材で「ヘンドリックスジン」に合うものはありますか?

「日本の食材に関しては、私よりも日本の方のほうが詳しいはずです……(笑)。例えばワサビの辛みは青っぽいキュウリのフレーバーに合うと思いますし、日本独自の柑橘類も我々にはすごく新鮮に感じられます。あとは甘さをシロップではなく、梅酒で補うのもいいですね。いずれにせよ日本の食材についてはもう少し勉強しておきます(笑)」

Q 最後に日本のバーテンダーの皆さんにメッセージを!

「世界的にクラフトジンがブームといっても、まだ試したことのないお客さまもたくさんいらっしゃいます。ぜひ『ヘンドリックスジン』を用いて、お客さまに新しいエキサイトメント(興奮)とエクスペリエンス(経験)をお届けください!」

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