香港初開催!
「Asia's 50 Best Bars 2023」潜入特別レポート

SPECIAL FEATURE特別取材

香港初開催!
「Asia's 50 Best Bars 2023」潜入特別レポート
[vol.02] - 香港バー業界の魅力を再認識!

#Special Feature

文:Miyako Kai(香港在住)

「Asia's 50 Best Bars」セレモニー期間には、主にアジアの一流メディアを招待した4日間のプロモーションツアーも実施された。Drink Planet編集部も同ツアーに参加したので、香港バーシーンの最新事情をご紹介しよう!

各国メディアに対して、焼酎と泡盛への愛を熱く語る「The Aubrey」(17位)のデベンダー・セガール(Devender Sehgal)。

各国メディアに対して、焼酎と泡盛への愛を熱く語る「The Aubrey」(17位)のデベンダー・セガール(Devender Sehgal)。

バーが香港のメインコンテンツに!

今回の「Asia's 50 Best Bars」が香港で、政府組織である香港政府観光局の全面的バックアップを受けて開催されたことには、とにかく感慨深かった。

ほんの1年半前には、バー業界は、コロナ禍で最も厳しい数ヶ月にわたる強制休業や短縮営業を課せられて、青息吐息な状態にあった。

大企業が多いレストラン業界と比べて、個人オーナー中心のバー業界には後ろ盾になる政治力がない。

「アジアトップのバーを多数抱えているのだから、もっと大切にされるべきなのでは」と憤りを覚えたものだった。

それが今回のセレモニー招致とそれにまつわるプロモーションで、もともとあった「美食の街」というタイトルに加えて、「個性豊かなバーホッピングができる街」として、バーが香港の魅力を訴えるために、欠かせないコンテンツとして公式に認知されるようになっているではないか!

レジェンドであるアントニオ・レイ(Antonio Lai)と超有名シェフ、ヴィッキー・チェン(Vickey Cheng)がタッグを組んだミシュラン1つ星の人気レストラン「VEA」では、広東料理伝統食材をフレンチの技法でアレンジした料理と完璧ペアリングのカクテルが絶品。©香港政府観光局

レジェンドであるアントニオ・レイ(Antonio Lai)と超有名シェフ、ヴィッキー・チェン(Vickey Cheng)がタッグを組んだミシュラン1つ星の人気レストラン「VEA」では、広東料理伝統食材をフレンチの技法でアレンジした料理と完璧ペアリングのカクテルが絶品。©香港政府観光局

香港っ子もこぞってバーへ!

とはいえ政府の姿勢とは別に、香港のプロモーションを手がける香港政府観光局は、バー業界への関わりを強めていた。

もともと2008年にワインなどの酒税が完全撤廃されて以来、ワインが大きくフィーチャーされていた香港で、観光局主催の有名バーテンダーによるワークショップや、短期限定コラボカクテルなどを企画し、徐々に存在感を強めていた。

そして地元での空気も変わってきた。

かつてバーは、在住西洋人のための遊び場だった。

それが今や、ローカルの若者が「アジアのトップバーってどんなところ?」と関心を持ち、「The Old Man」や「COA」などに押し寄せ、行列ができるようになったのだ。

初めて「COA」を訪れ、ジェイのアガベへの情熱に耳を傾ける各国のメディアたち。台湾、韓国、中国、オーストラリア、アメリカなど各地から。

初めて「COA」を訪れ、ジェイのアガベへの情熱に耳を傾ける各国のメディアたち。台湾、韓国、中国、オーストラリア、アメリカなど各地から。

香港=バーホッピングの聖地!

今回のセレモニー期間には、主にアジアの一流メディアを招待した4日間のプロモーションツアーも実施された。

このツアーは、「COA」、「ARGO」、「The Aubrey」、「Penicillin」などの「Asia's 50 Best Bars」常連6軒を中心に、注目の新バー4軒と定番バーを加えた合計11軒のバー、クラフトビール醸造所「Young Master」、レストラン7軒での試飲試食という、大変攻めた内容だった。

通常であれば文化施設や買い物などさまざまなアクティビティを組み合わせるのに対して、初めてバーホッピングに集中した内容になっているのだ。

これに参加したことで、「Asia's 50 Best Barsのうち8軒が香港」という数字以上に、香港のバーの魅力と強みを再認識することができた。

アグング(Agung Prabowo)が率いる「Penicillin」は、World's 50 Best Barsで11位のメキシコ「Handshake Speakeasy」のポップアップ真っ最中で、ものすごい盛り上がり。©香港政府観光局

アグング(Agung Prabowo)が率いる「Penicillin」は、World's 50 Best Barsで11位のメキシコ「Handshake Speakeasy」のポップアップ真っ最中で、ものすごい盛り上がり。©香港政府観光局

香港のバーの魅力と強みとは!?

その魅力と強みとは、まず、香港のバーはとにかく個性がそれぞれ突出していて、カクテルデザインもインテリアも雰囲気も、まったく他のバーとはかぶらないという点。

その多くが中環エリアや上環エリアなどの狭い徒歩圏内に集中しているから、まさにホッピングをする価値があり、楽に回ることもできる。

もう1つは、香港のバー業界ならではの温かさと結束の固さだろう。

宇宙船のような未来的インテリアが冴え渡る最先端バー「Artifact」も、ベッカリーとエズラによるプロデュース。2人のハートフルな語りに、目頭が熱くなったという参加メディア多数。©香港政府観光局

宇宙船のような未来的インテリアが冴え渡る最先端バー「Artifact」も、ベッカリーとエズラによるプロデュース。2人のハートフルな語りに、目頭が熱くなったという参加メディア多数。©香港政府観光局

香港のバーシーンはクレイジーで最高!

これはツアー中にメディアに対して語ってくれた、ベッカリーの次のコメントに如実に表れている。

「私たちのバーには競争相手なんていない。『COA』が表彰された時の大歓声を聞いたでしょ。誰かが成功したから嫉妬するなんて意識がなくて、とにかく日常的に、バー同士、バーテンダー同士が徹底して助け合っているのが香港のバー業界。この雰囲気は本当にマジカルで、欧米やアジアの他国ともまったく異なる」

「もちろんビジネスは楽ではないけれど、世界中から集まった仲間とのシナジーで、新しいバーコンセプトをどんどん作っていける活気があるのが、香港のクレイジーで最高なところ」

「Asia's 50 Best Bars 2023」セレモニーに参加して感じたのは、「香港のバー業界に関わっていて良かった!」と胸を熱くできたこと!

まったく最高な数日間だった。

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23位にランクインした奈良「Lamp Bar」の金子道人さんを発見! 会場からのライブストリーム中継も。

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