バーテンダ向けカクテルポータルサイト「Drink Planet」

今月のバーテンダー

日本の四季の味を奏でる!
バーの新潮流、和酒カクテルって?
<後編>

和酒カクテル/SAKE HALL HIBIYA BAR

17.01.15

サキニックで日本の「乾杯」を変える!と意気込む。「司牡丹」のMOTOZAKEを使ったサキニック¥670。SAKE HALL HIBIYA BARではアイスも割り水も全て同じ銘柄のミネラルウォーターを使用。サキニック用にオリジナルトニックも開発した(写真右)。Photos by Kenichi Katsukawa

「ご存じのように日本のバーは世界でも評価が高く、そのバーテンディングも同じように注目されています。
技にもバーのコンセプトにも和の素養が生かされているのに、そこで扱う酒だけは洋ものであることに違和感を感じていたバーテンダーは少なくないはずです」


そう話すのは、「SAKE HALL HIBIYA BAR」などを展開する環境開発計画の山本利晴さん。
和酒カクテルの仕掛け人であり、さらなる普及を目指し全国を飛び回っている。


和食文化の根底にあるものといえば、麹だ。
清酒造りの世界では「一麹、二もと(酒母)、三造り(もろみ)」という。
酒のみならず、味噌、醤油、みりんと和食に欠かせない調味料はいずれも麹が醸したものだ。
とすれば、麹が育んだ酒こそ日本固有の酒といえるだろう。


ならばぜひとも日本酒を使い、日本から世界に新しいカクテルを発信してみたい。
バーテンダーとしての本懐を振り返るにつれ、そんな思いを抱くようになったという。

今年の夏には韓国・ソウルのバーに招かれ、MOTOZAKE&和酒カクテルをお披露目した。和を意識したプレゼンテーションも好評だったとか。

そんなバーテンダーらが考える和酒カクテルとは、日本酒の繊細さとカクテルの奥深さを兼ね備えたもの。
SAKE HALL HIBIYA BARオススメのカクテルを紹介してもらおう。


「私たちとしては、乾杯から和酒カクテルを推しています。
『とりあえずビール』の代わりに、ぜひ『サキニック』をためしていただきたいですね」


サキニックとは、日本酒にトニックウォーター、ソーダーを合わせてオレンジピールを添えたもの。
この「サキ」には先、つまり「未来」という意味も込められている。
日本酒の未来を自負しているからだ。


「日本人はもちろん、海外でのティスティングでも好評を博した自信作です。
ベースの味を損なわないよう、甘みを抑えた仕上がりのオリジナルトニックウォーターも作ってしまったほど(笑)」


同じサキニックでもベースのMOTOZAKEを変えるだけで全く異なる味わいが楽しめる。
シンプルなレシピであればこそ、ベースの個性がうまく現れるのだ。

それぞれの蔵元の歴史やストーリーを物語るブース内。レイアウトもしつらえも全く異なる仕様に。

その他の和酒カクテルのレシピも、基本的にはシンプルだ。
同じ郷土あるいは季節のフレッシュフルーツをつぶし、そこに日本酒を注ぐだけ。
山本さん曰く「米、仕込み水、副材料の産地を合わせる『地カクテル』こそ、最高のハーモニーを奏でる」。


逆に、カクテルに仕立てる際に気をつけるのが副材料とベースとなるMOTOZAKEとのバランス。


「ベースと副材料のバランスは1:1、MOTOZAKEはカクテル総量の半分以上が基本です。
日本酒のうまみ、味わいはデリケートなので割りすぎても魅力が半減してしまう。
例えば洋風のリキュールを合わせると、日本酒の個性が消えてしまいます。
リキュールは1ティースプーンまでにし、日本酒ベースの味に仕上げています。


そして四季・旬・地域をカクテルで演出するために、季節のフルーツや野菜でアクセントを添えて。
冬はミカンやリンゴ、ザクロ、春はメロン、オレンジ、夏はスイカに桃。
秋は梨や柿でも試します。
こんな風に、基本のレシピができあがっていきました」

山本さんらがサポートするイベント、酒蔵バー。酒蔵の中にご覧のようなカウンターとバックバーを用意して地元のファンに和酒カクテルを振る舞う。

現在、山本さんたちは蔵元、問屋、酒屋とタッグを組み、地方や海外への展開を積極的に仕掛けている。
例えば、各地の酒蔵で酒蔵バー、「MOTOZAKE BAR」をスポット的に開催。
地元の人々に和酒カクテルを振る舞い、日本酒の新しい楽しみ方を提案している。


「光武酒造場(「光武」)、富久千代酒造(「鍋島」)など6つの酒蔵を擁する佐賀県鹿島市では、「鹿島酒蔵ツーリズム」として酒蔵をめぐる旅のスタイルを推進しているが、もちろんここでも酒蔵バーのデモンストレーションを行っている。


そのほか、NBAと共同でセミナーやイベントを開催するなど、バーテンダーとのさまざまな取り組みも。
これらは国内のみならず韓国、シンガポール、プノンペンでも実施しており、いずれも好評を博した。


地方で開かれるNBA主催のカクテルコンペでは、「MOTOZAKEコンペ」を行ったこともある。
これは和酒カクテルを主役にしたコンペ形式のイベントで、その土地の副材料を用いて蔵元がオリジナルカクテルを作り、来場者の投票によりナンバーワン和酒カクテルを決めたという。

東京にいながら酒蔵ツアーを体験しているようなムードが楽しめるのも、この店の特徴だ。

エンドユーザー向けとしては、茶道の師範とコラボするお茶×日本酒のワークショップ、はたまたスイーツと和酒カクテルなど、異ジャンルとの取り組みにより幅広い層に向けてプロモーションを行っている。


「和酒カクテルが、バーのスタンダードとして根付くことが私たちの願い。
ですから大きく仕掛けてブームにするよりも、口コミやティスティングを重ねてバーテンダーやエンドユーザーに認知してもらうような、草の根運動的な地道なプロモーションを続けています」


今年も和酒カクテルのイベントを地方で、そして東京で仕掛けていく予定だ。
まずは3月末に実施される鹿島酒蔵ツーリズムで日本酒カクテルバーを出店したいと考えている。
4月初旬にはSAKE HALL HIBIYA BAR6周年アニバーサリーが控えており、こちらでは各蔵元によるシェイクイベントを開催予定だ。
和酒カクテル、そしてMOTOZAKEを広めるためにも、ますますの海外ツーリストが見込まれる2020年に向けて、ここ2、3年を絶好の機会と捉えている。


「まずは乾杯のサキニックで、日本から世界に向けて和酒カクテルを発信していきたいですね」

Bar Information

SAKE HALL HIBIYA BAR
 
東京都中央区銀座5-6-12 B1
TEL:03-3572-7123
URL:http://www.hibiya-bar.com/sakehall

今月のピックアップ INDEXへ

嬉野茶時(前編)

嬉野茶時(前編)/東京茶寮(後編)

18.07.01

日本のバーテンディングにも通じる?
日本茶に、世界中が熱視線!
<前編>

世界的に日本茶がブームになっている。
今月は、モダンにアップデートされた日本茶が話題をご紹介しよう。

TOKYO ALEWORKS

TOKYO ALEWORKS/IBU Itabashi Brewers Unit

18.06.01

BARのハウスエールだってできる!
板橋で始まるクラフトシーンって?
<前編>

かつて東海道の宿場町として栄えた板橋に、クラフトビールを中心としたコミュニティが育ちつつある。今月は、誰でもクラフトビールが作れるという施設「TOKYO ALEWORKS」をフィーチャー!

DrinkPlanetメンバーの方

メール
パスワード
  ログイン情報を記憶する

Drink Planet

岡山 寛

Hennessy X.O. Cocktail Competition / MHD 2018

Chivas Masters Cocktail Competition 日本大会/ペルノ・リカール・ジャパン 2018

新井 加菜

Diageo World Class Japan Final/キリン・ディアジオ株式会社 2018

鹿山博康

KOJI SOUR CHALLENGE / 三和酒類株式会社 2018

特別レポート

【独占インタビュー】
あのサヴォイホテルのエリック・ロリンツ氏、
自身のバーを9月にオープン!

【独占インタビュー】
あのサヴォイホテルのエリック・ロリンツ氏、
自身のバーを9月にオープン!

WHAT'S DrinkPlanet

日本中のバーテンダーに贈る業界初のカクテルウェブマガジン

カクテル人気ランキング TOP3

マドモワゼル・コニャック

カクテル人気ランキング1>位
マドモワゼル・コニャック

#16

カクテル人気ランキング2>位
#16

グレン・ミー・モア

カクテル人気ランキング3>位
グレン・ミー・モア

World Topicsランキング TOP3

珍種も新種も続々と登場!
ドイツのビールカクテル最新事情。

World Topics人気ランキング1位
珍種も新種も続々と登場!
ドイツのビールカクテル最新事情。

世界王者たちが語る!
Tales of the Cocktail【後編】

World Topics人気ランキング2位
世界王者たちが語る!
Tales of the Cocktail【後編】

勝者は? 舞台裏は? 狙いは? 
初開催の「バーアワード香港」徹底レポ!

World Topics人気ランキング3位
勝者は? 舞台裏は? 狙いは?
初開催の「バーアワード香港」徹底レポ!

ドリプラブログ

15.02.23
PBO主催「全国バーテンダーズ・コンペティション2015」
14.10.14
2014横濱インターナショナルカクテルコンペティション
13.08.13
スカイ・ボール