「カンパリ バーテンダー コンペティション ジャパン」
日本代表の座を勝ち取ったのは、眞野貴代さん!

SPECIAL FEATURE特別取材

「カンパリ バーテンダー コンペティション ジャパン」
日本代表の座を勝ち取ったのは、眞野貴代さん!

#Special Feature

文:Drink Planet編集部

ネグローニから派生したカクテルの相関図、Negroni Family Tree。

ネグローニから派生したカクテルの相関図、Negroni Family Tree。

ネグローニ生誕100周年を祝して!

2019年11月27日、東京・三田にある在日イタリア大使館において、今回で2回目となる「カンパリ バーテンダー コンペティション ジャパン」のファイナルが行われました。

今年は、イタリア生まれのカクテル「ネグローニ」が誕生して100周年。

ということで、ファイナリストたちはネグローニから派生したNegroni Family Treeにインスパイアされたオリジナルカクテルで競い合いました。

つまりは、次世代のネクスト・ネグローニをクリエイトしよう、というコンセプトです。

(Negroni Family Treeのイメージは、上の写真の感じ!)

では、書類審査と動画選考で選抜された6名のファイナリストたちを、ファイナルの実演順に紹介しましょう。

・高梨寛実さん(BAR Ben Fiddich/東京)
・鮎川正徳さん(alcobareno/大阪)
・山本 奈衣斗さん(西麻布Amber/東京)
・眞野 貴代さん(Bar Vacanza/静岡)
・星河恵多さん(PENTHOUSE GARDEN/東京)
・佐藤壮太さん(ペニンシュラ東京 Peterバー/東京)

今年のジャパン ファイナルのファイナリスト6名とジャッジ。

今年のジャパン ファイナルのファイナリスト6名とジャッジ。

日本であえて英語でのプレゼン!

さて、ファイナリストたちは準備2分、カクテルメイク(2杯分)&プレゼンテーション7分、という内容で競い合うのですが、他のコンペティションと大きく違う点はジャパン ファイナルにおいても英語でのプレゼンテーションが義務づけられている点です。

2020年1月にイタリア・ミラノで行われるアジア ファイナルを意識したものであることは間違いありません。

ただし、それだけはではなく、グローバル化が進むなか、英語がバーテンダーにとっての必須事項になりつつあるということ。

「カンパリ バーテンダー コンペティション」はそうしたバーシーンの動向をきっちりキャッチアップした新しい時代のコンペティションと言えるのかもしれません。

前回のジャパン ファイナル優勝者であり、ミラノで開催されたアジア ファイナルにも参戦、さらには今回のジャパン ファイナルのジャッジを務めた小川尚人さんはこんな風に話してくれました。

「前回のアジア ファイナルで感じたことは、アジア各国から参戦した方々の英語のレベルが非常に高かったことです。アジアの大都市のバーでは外国人のゲストを迎える機会が多く、英語でのサービスが当たり前になっているそうです」

「とはいえ、コンペティションの結果が英語の優劣で左右されることはありません。実際、英語があまり得意ではなかった方も上位に進出していました。もちろんある程度の英語力は必要かもしれませんが、大切なのは相手(ゲスト)に伝えようという熱意と表現力なのではないでしょうか」

同じくジャパン ファイナルのジャッジを務めた、カンパリ グループのブランドアンバサダー、アーロン・ウィリアム・グーダル(Aaron William Goodall)さんはこう話します。

「アジア各都市のバーのレベルはすごい勢いで上がっています。そんななかでも日本のバーテンダーの方の技術や味わいの緻密さはエクセレントの一言です。ですから、こうしたコンペティションではもっとわかりやすくパッションを伝えてほしいと感じます。特にイタリア人は情に厚く、情熱的ですから(笑)」

眞野さんによるオリジナルカクテル「Mano e Mano」。

眞野さんによるオリジナルカクテル「Mano e Mano」。

カンパリ風味の桜餅って!?

6名のファイナリストは、そうした背景も上手にくみ取りながら、英語や身振り手振り、時には小道具などを駆使して、オリジナルカクテルに込めた想いやストーリーを表現してくれました。

今回の「カンパリ バーテンダー コンペティション」が英語と向き合うきっかけになったと語ってくれたファイナリストもいたほどです

そんななか、優勝を飾ったのはオリジナルカクテル「Mano e Mano(マーノエマーノ)」を披露した眞野貴代さんでした。

★Mano e Mano
カンパリ 30ml
自家製カモミール・ホワイトワイン 30ml
自家製ドライフルーツ・ベルモット 30ml
シナモンティンクチャー 1tsp
卵白 20ml
塩 ひとつまみ
桜の花

材料には、カモミールやドライフルーツ、シナモン、白ワイン、ベルモットといったイタリアのライフスタイルに大きく関係するものを使用。

(もちろんカンパリも!)

これらの材料をネグローニスタイルの30ml×30ml×30mlをベースに組み合わせながら、日本の国家である桜を使用した和菓子「桜餅」の味わいを表現しました。

実際に飲んでみると、色合いも香りも味わいも、まさにカンパリ風味の桜餅。

卵白によるふわりとしたテクスチャーがまた、和菓子っぽいやわらかさを表現していました。

来年2020年は東京オリンピックイヤーであり、カンパリ創業160周年。

海外から来日するゲストをこの「Mano e Mano」で迎えることで、ゲストと日本、さらにはカンパリ(イタリア)へと繋がる架け橋を目指したそうです。

素敵なストーリーですね。

当日の雰囲気を動画でご覧になるならこちらへ!

2019年1月にミラノで開催された前回アジア ファイナル。中央後ろにいるのが日本代表の小川尚人さん。

2019年1月にミラノで開催された前回アジア ファイナル。中央後ろにいるのが日本代表の小川尚人さん。

日本代表の眞野貴代さんを直撃!

ジャパン ファイナルから数日後、今度は2020年1月に開催されるアジア ファイナルに向けて準備を進める眞野貴代さんに、あらためて「カンパリ バーテンダー コンペティション」について話を訊いてみました。

ジャパン ファイナルでは、流暢な英語でプレゼンテーションを行っていた眞野さんですが、実はあまり英語が得意ではないとのこと。

大会に向けては、オリジナルカクテルのコンセプトやレシピを決めてから、まずは日本語でプレゼンテーションの台本を作成。

それを英語に翻訳してもらい、さらに英語関連の仕事をする知り合いに頼んで短く簡潔にしてもらい、そこからカクテルメイキングと組み合わせてトライ&エラーを繰り返し、7分間の英語台本を完成させていったそうです。

また発音に関しては、英語が堪能な知り合いの方に台本の英語を発音してもらい、録音したものを何度も聞きながら、自分の感覚に染み込ませていったとのだとか。

「もちろん意味や文法も理解しようと努めましたが、どちらかというと耳から聴いて英語の曲を完コピするような感覚です。難しいフレーズは極力使わず、シンプルにストレートに伝えようと試みました。結果的にジャッジの方にもうまく伝わっていたようなので、安心しました」と眞野さん。

ジャパン ファイナルのアフターパーティーで「Mano e Mano」を振る舞う眞野さん。

ジャパン ファイナルのアフターパーティーで「Mano e Mano」を振る舞う眞野さん。

アジア ファイナルは2020年1月21日!

また眞野さんは前回大会でもファイナリストとして英語でのプレゼンを行ったのですが、前回は本番までに誰かにプレゼンを見てもらう機会がほとんどなかったのだそうです。

今回は練習時にスタッフや知り合いのお客さまに付き合ってもらい、必ず人前でプレゼンの練習を行いました。

もちろんその模様を動画で撮影し、あとから見直し、何度も微調整を繰り返しました。

「自分一人でやるのと、誰かに見てもらってやるのは、まったくの別物。人前ではどうしても早口になってしまったり、説明と動作がうまくリンクしなかったりしますから……。それから練習を見てくれた方の客観的な意見は、非常に参考になりました」と眞野さん。

流暢でスマート、さらには自信にあふれたように感じられた眞野さんの英語のプレゼンテーションの裏には、しっかりとした準備と練習があったようです。

相手に伝えようという熱意は、プレゼンの端々からも感じられました。

2020年1月のアジア ファイナルに向けては、ジャパン ファイナルでの反省を活かして、さらにブラッシュアップしたプレゼン台本を用意しているそうです。

例えば、実際に桜餅を知らない外国人のジャッジの方のために本物の桜餅を用意したり、イタリア伝統の食文化であるアペリティーヴォと日本の伝統文化であるお茶の世界を絡めたり、Negroni Family Treeについてももう少し言及していく予定なんだとか。

前回の日本代表である小川尚人さんからも、軟水と硬水の氷の違いや、イタリア人ジャッジの傾向、現地イタリアの電圧事情など、いろいろとアドバイスをもらっているとのことです。

2020年に創業160周年を迎えるカンパリ。

記念すべきメモリアルイヤーに、日本人バーテンダーの眞野貴代さんが世界の舞台で活躍することを期待しましょう!

★「カンパリ バーテンダー コンペティション」公式サイト
https://camparijpcomp.com

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高梨寛実さんのカクテル「Morning Glory」。

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