ドイツ蒸留所留学!日記

SPECIAL FEATURE特別取材

ドイツ蒸留所留学!日記
[vol.05] - 最終回~スティーレミューレ・ジャパン~

21.12.2015 #Special Feature

文:江口宏志 ブックショップ「UTRECHT」代表、「THE TOKYO ART BOOK FAIR」ディレクターを経て、フリーの本好き。現在は日本に蒸留所を作るためにドイツの南にある蒸留所、Stählemühleで修行中。 http://hiroshieguchi.com

11月中旬、ドイツには一足早く冬がやって来ました。
朝晩の気温は0℃くらい
。霜柱を踏みしめ蒸留所に向かう日々が続きます。
そんな中、秋に収穫した果物たちは約一ヶ月の発酵を終えたものから、蒸留へと進みます。


11月末、日本に帰る前日、Stählemühleに雪が降りました。
例年よりは随分と遅いそうですが、一晩ですっかり雪景色。
雪かきや動物たちの冬の準備、クリスマス用に大量の注文があった商品の発送をしつつも、蒸留の作業を二時間おきに行います。

日本に帰ってきてからは、日本各地でStählemühleのテイスティング・イベントを行っています。
最初に行ったのは、長野県の上田。
なぜ長野かというと、実はこのテイスティング・イベントは、僕の中で将来の日本の蒸留所の場所探しを兼ねているから。
果物も豊富、水もきれい、そして利便性もいい。
長野にストーリーがある場所が見つかれば言うことなしです。
道中では養命酒の工場(https://www.yomeishu.co.jp/komagane/)も見学。
山を背負い敷地内に渓流が流れる立地と、システム化された工程に、さすが日本最古の薬草酒の底力を感じました。

さて、上田でのテイスティングイベントは、元は自転車屋だったという古い建物を改装した内装が素敵な、Fika(http://fikas.net/)というレストランで行いました。
来てくれたのは、果物の生産者あり、書店経営者あり、家具屋さんあり、地元上田の人あり、松本の人あり、佐久の人ありとバラエティに富んだ人たち。


僕が体験してきた写真や映像を見てもらいながら、随時フルーツブランデーを飲んでもらいます。
最初に飲んでもらったのは、ベンジャミン・チェリーのフルーツブランデー。
テイスティングでは匂いだけではなく、飲むのも大切。
体のたくさんの部分で味覚を感じてもらうことと、42度とアルコール度数も高いので、脳を活性化することも目的の一つです。
チェリーのフレッシュな香りに、そして深みのある味わいに皆さん驚いてくれたようです。
生産者の人もいたので、果物の知識は適宜補ってもらいつつ、皆さんフルーツブランデーの香りや味にも積極的に感想を言ってくれ、とても和やかな会になりました。

次の会は東京に戻って、料理家の渡辺有子さんのアトリエ、FOOD FOR THOUGHT(http://520fft.tumblr.com/)で行いました。
彼女が作る料理と共にフルーツブランデーを味わってもらいました。
最初のレバーペーストには、ボヘミアン・ラズベリーのフルーツブランデー。
赤パプリカのローストにはシチリアのブラッドオレンジ。
そしてメインは、野菜やハーブとじっくり煮込んだビーフシチューの上に、黒い森をイメージしたという黒キャベツのローストを載せたもの。
それには、シェリー樽で熟成したオールド・アプリコットのフルーツブランデーを合わせて味わってもらいました。
食前、食後酒のイメージが強いブランデーですが、こうして料理と合わせて飲むと新しい発見があります。

今までドイツの山の中で、誰に向けてというよりただただ自分のためにやってきたことを、こうやって受け止めてくれる人がいることが、何よりも励みになることに気づいた夜でした。


春からは再度ドイツに渡って、蒸留した後の続きを学ぶ予定ですが、今回で僕の修行日記はとりあえず終了です。
それまではテイスティング・ツアーなどをして、日本でフルーツブランデーのことを知ってもらう活動をしていこうと思っています。
Stählemühleのフルーツブランデーに興味を持った方がいらっしゃったら、ぜひご連絡ください。

Stählemühle
http://www.staehlemuehle.de/

Stählemühle Japan(シュティーレミューレ・ジャパン)
http://www.staehlemuehle.jp

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牧場に生えたりんごの収穫。りんごをめぐって牛たちと激しい争いが繰り広げられます

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