青山で日本の森に浸る!
NARISAWA発のバー、登場。
<後編>

PICK UPピックアップ

青山で日本の森に浸る!
NARISAWA発のバー、登場。
<後編>

15.10.2018 #Pick up

成澤由浩シェフ by「BEES BAR by NARISAWA」

世界のトップシェフがバーを手がける!海外からも注目も高い「BEES BAR by NARISAWA」。後編でも引き続き、成澤由浩シェフの世界観をそのまま形にしたBEES BARのフィロソフィをお伝えする。

文:Ryoko Kuraishi

成澤シェフの世界観をカクテルで表現するバーテンダーの中村さん。

「里山を歩くと、目につくものはとりあえずなんでも口にしてしまう」という成澤由浩シェフ。
食材ハンターである成澤シェフが集めてくる素材をカクテルにアレンジし、「NARISAWA」の世界観をカクテルで表現するのが、バーテンダーの中村伸司さんと岡田綾香さん。


成澤シェフと二人のバーテンダーという布陣で、新しい食材を用いて既成概念を打ち破るような食体験を発信していきたいという。


特にキャリアの長い中村さんは、「BEES BAR by NARISAWA」の開店4ヶ月前からNARISAWAの“ラボ”にて食材の研究とレシピ開発を集中的に行ったとか。

檜原村のメープルシロップを使った「メープルアレキサンダー」(¥2,200)。Photos by Kenichi Katsukawa

「料理にしろ、カクテルにしろ、実は手の届く場所に産地があるんです。
例えばカクテルに使うメープルシロップは、東京都で採れたもの。
東京でメープルシロップなんて、誰も想像できないでしょ?」


東京都檜原村に招かれ、食材を探しに出かけた成澤シェフ。
そこで出合ったのが、地元の人に教えてもらったメープルシロップだった。


そのメープルシロップを使ったカクテルが、「メープルアレキサンダー」。
レミーマルタンVSOPにりんごジュース、檜原村のメープルシロップを合わせ、山形産のクルミを散らす。


お次は、「アポテカリー ウォッカ ギムレット」(¥2,200)。
奥飛騨ウォッカに石川県のハイネズと沖縄の月桃の葉をインフュージョン。
ウォッカベースながらまるでジンを思わせるフレーバーに、国産のライムを絞って提供する。


「月桃は沖縄の里山に自生するショウガ科のボタニカルで、爽やかな香りが特徴です。
葉にはポリフェノールが多く含まれることから、沖縄では健康食品として知られています。


レストランではこの月桃の葉を蒸し焼きに利用したり、奄美のパイナップルと合わせてデザートに仕立てたりとさまざまな用途で使っていますが、こちらではハイネズと合わせてカクテルのアクセントに。


プレーンなスピリッツにさまざまなフレーバーをつけて遊べるから、カクテルは面白いですね」

この先、オンメニュー予定の「グラス・イン・グラス」(値段未定)。

他ではなかなかお目にかかれないような素材を扱えて嬉しいという中村さんが特別に提供してくれたのは、まだメニューに載っていないカクテルである。


例えば「グラス・イン・グラス」は、月桃の葉とクロモジ、それぞれを漬け込んだウォッカを合わせてソーダでアップ、国産ライムを絞る。
そして、手に入ったばかりというパッションフルーツの仲間、チャボトケイソウの実を潰して仕立てる「ホワイトレディ」。


季節の素材を使い、刻々とラインナップが変わるシグネチャーはもちろん、スタンダードカクテルも「NARISAWA」らしいツイストを加え、ここだけの味わいを提供する。

桜のチップで薫香をつけた「スモークド ネグローニ」(¥1,800)と、くず粉と竹炭のスナック。

バーではあるけれど、1軒目としても使ってもらえるよう、フードメニューも充実させた。
いずれも「NARISAWA」と同じ食材を使っているという贅沢なもの。


まず、ノーチャージながらお通しとしてサーブされるのが、鹿児島産くず粉と竹炭スナックだ。


くずも竹も成長が早く、あっという間に森を侵食し、その根が他の植物を枯らす。
そこで、森を守るためには人が刈り取って適正な数を保つこと大切だという。
つまりくずを食することは、森にも人の身体にもいいのである。


人気の「有機野菜の盛り合わせ」は、チーズとゴマだれ、シンプルな2種のソースで素材の良さを堪能する。
食材を探して野山を歩くシェフが、山で見つけた風景にインスピレーションを得たという一品だ。

季節の野菜が盛りだくさん!見た目にも美しい「有機野菜の盛り合わせ」(¥1,200)。

レストランでは手の込んだ料理に、最高の状態でサーブする日本酒をシンプルに味わってもらう趣向だが、こちらではメッセージ性の強い素材を使った季節のカクテルに、素材の滋味をシンプルに味わえるフードメニューという組み合わせで提供する。


実は中南米にあるビーチバーが大好きという成澤シェフ。
バーが地元の人たちの生活に密着している、あの空気感が心地いいのだという。


ここ青山で目指すのは、海外からのゲストはもちろん、この街の大人たちに愛される、コミュニティのようなバーだ。
ゲスト同士が交流しあい、独自の文化を育んでいくような。
そうやって10年、20年と時を紡いでいけたら……、それがシェフの願いだ。


「ここで提供するような、森や里山の素材を使ったカクテルを楽しんでもらうことで自然とのつながりを再確認してもらい、自然や環境へ思いを馳せてもらう。
バーという大人の社交場の存在が森を守ることにつながっていけたら、こんなに嬉しいことはありません」

SHOP INFORMATION

BEES BAR by NARISAWA
107-0062
東京都港区南青山2-14-15
五十嵐ビルB1
TEL:03-6459-2436
URL:https://www.beesbar-narisawa-jp.com

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