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シリーズ:バーから2020を考える
その3 コミュニケーション&喫煙、どうする?
<前編>
#Pick up
Mixology Salon/PENTHOUSE GARDEN/LIKE/BAR JULEPL
海外のツーリストにも注目されている東京のバーシーン。
来年はますます訪日客が増えるとされている。
それぞれの国や地域の文化背景によって当然、ドリンクカルチャーも異なるわけだが、そうしたゲストとコミュニケーションを取る上で、バーが重視することはなんだろう。
前編ではコミュニケーションをより円滑に行うために意識していること・取り組んでいることについて質問した。
GINZA SIXという場所がらか、オープン当初から海外からのゲストが多かったというMixology Salon。
ケース1:Mixology Salonの場合
「語学については、月に2回、TOEIC高得点及び海外留学スタッフによる英会話授業を実施しています。
コミュニケーションという点でスタッフが意識しているのは
①しっかりとメニュー、コンセプトの説明をすること
②アレルギー、好みを聞くこと
③来店動機、味の感想など聞けることは積極的に会話すること
④来店時に必ずチャージの説明をすること
海外のゲストと一口に言ってもお国柄によっても文化は違いますが、バーを目当てに足を運んでくださる方の場合、事前に下調べをなさっていることが多く、その場合はスムーズにコミュニケーションを取れる傾向がありますね。
ドリンクカルチャーの違いで困ることは特にありません。
味わい、アルコールの強さなど、特別な指摘やリクエストを受けたりすることもありますが、多くはありません。
大切なのはしっかりと商品を説明すること、カクテルの魅力を伝えること。
これに尽きると思います」
きめ細かなサービスはさすが、銀座のオーセンティックバー。2020年は国産ライムを使ったギムレットをプッシュしていく予定だ。
ケース2:PENTHOUSE GARDENの場合
「2013年春より英会話のクラスを設けています。
これは東京オリンピックが決定するより前にスタートしたもので、弊社グループの本店に講師の方をお招きし、週に2回実施しています。
内容は接客シーンを想定した実際的なもの。
どういう言葉や表現を用いるのがふさわしいのかは、シーンごと、お客さまごとに異なりますから、ただのコミュニケーションツールではなく、言語がホスピタリティとなるよう、その使い方を重視したレッスンを行ってもらっています。
また、当店ではお食事も幅広くご用意しています。
宗教上食べられない物、アレルギーなどの有無は初めに伺うようにしています。
コミュニケーションをとる上では、こちらから積極的に話しかける事を心掛けていますね。
まずは「楽しかった」と思って頂けること、そんなおもてなしを大切にしたいと思っています」
代々木八幡「PATH」、渋谷「ビストロロジウラ」という人気店を手がける原太一シェフの新店。カクテルレシピは「TRENCH」が協力している。
ケース3:オリジナルカクテルを楽しめるビストロ、LIKEの場合
「10月までフランス人が働いておりまして、姉妹店のPATHでは現在もイギリス人が働いております。
語学指導など具体的な事は特にやっておりませんが、タイミングが合えば外国人のスタッフを雇っています。
様々なバックグラウンドのスタッフ同士が関わり合うことで、業務の中で自然と必要なコミュニケーションは身につくと思いますし、またそのように努めております。
外国人スタッフを雇う場合も、条件などは日本人と変わりありません。
ある程度の日本語は勉強してきてほしいという希望は持っています」
中南米の国々で飲まれるラム&カシャッサベースのカクテルを提供する「BAR JULEP」。現地さながらの雰囲気でローカルカクテルを楽しめる。
ケース4:ラム&カシャッサ・バー、BAR JULEPの場合
「海外ゲストが一気に増えたことから、昨年、外国語版のメニューを改めて作成しました。
ラムやカシャッサの詳細はもちろんですが、チャージやTAXについて気にされる方が多いので、そこをクリアにするため、メニューの冒頭に明記することにしました。
バーの使い方や求めるものは各自がそれぞれ異なります。
チャージやTAXをクリアにするだけでもこちらのスタンスをわかっていただける場合が多いのです。
語学についてはスタッフ各自がそれぞれに目的意識を持って取り組んでいます。
日常的なコミュニケーションはもちろんですが、ラムバーという性格上、ラムの専門知識が問われます。
それぞれのボトルの背景をお伝えするスキルは必要不可欠だと思っています」
後編の課題は禁煙について。
来年4月1日より東京の飲食店は原則禁煙になるわけだが、各店ではそれに向けてどんな対策を講じているのか。
後編に続く。