【スペシャルレポート】
アジア初開催! 
「ビーフィーター ジンカレッジ」とは!?

SPECIAL FEATURE特別取材

【スペシャルレポート】
アジア初開催! 
「ビーフィーター ジンカレッジ」とは!?

[vol.02] - 第二部はトニックウォーター飲み比べ、
ノージング、そして最後にまた試験!?

#Special Feature

文:Drink Planet編集部

「Blind Tonic Tasting(トニックウォーターの飲み比べ)」。

「Blind Tonic Tasting(トニックウォーターの飲み比べ)」。

アジアで初開催となった「ビーフィーター ジンカレッジ」の第二部は、「Blind Tonic Tasting(トニックウォーターの飲み比べ)」でスタートしました。

このコーナーのMCはBEEFEATER MIXLDN 2014 日本代表の大竹直哉氏が務めてくれました。

大竹氏曰く「要は、ここに集まっている皆でトニックウォーターのベスト3を決めましょう、というコーナーです。正解があるわけではないので、楽しんで飲み比べましょう!」。

BEEFEATER MIXLDN 2014 日本代表の大竹直哉氏。

BEEFEATER MIXLDN 2014 日本代表の大竹直哉氏。

受講者の前に置かれたのは、5種類のトニックウォーターと、その5種類のトニックウォーターでつくった5種類のジントニック(ベースはすべてビーフィーター ロンドン ドライジン)。

まずはトニックウォーターのテイスティングからです。

常温で試飲すると、苦味や甘味が際立ち、同じトニックウォーターといえども、個性の違いがはっきりと現れます。

ここで自分が気に入ったトニックウォーターのアルファベットを投票用紙に記載します。

次にジントニックをテイスティング!

「ジントニックにしたほうが、いい意味でも、悪い意味でも、ボタニカルの香りやフレーバーといった要素が前に出てきますね」と大竹氏。

ジントニックはジントニックで、自分が気に入ったものを投票用紙に記載します。

気になる結果はというと、トニックウォーター単体のベスト3と、ジントニックのベスト3が、なんとバラバラでした!

ペイン氏はこう説明してくれました。

「トニックウォーター単体ではおいしいと感じても、ジントニックになるとマズいと感じてしまう。実は今まで開催した他の都市の『ジンカレッジ』でもよくあることでした。大切なのはトニックウォーターのクオリティではなく、ジンとの相性、つまりはジントニックにした時の香りや味わいのバランスなのです」

このトニックウォーターの飲み比べ実験はすぐに試すことが可能ですので、一度試してみてはいかがでしょうか。

「Blind Nosing(アロマの嗅ぎ分け)」。

「Blind Nosing(アロマの嗅ぎ分け)」。

続いては「Blind Nosing(アロマの嗅ぎ分け)」の時間です。

「一説によると、香りの成分は約3,000種類あると言われています。きちんと嗅ぎ分けることは、実は味覚のテイスティングよりずっと難しいんですよ」とペイン氏。

受講者の前には5種類のブラインドグラスが置かれています。

それぞれに注がれているのは、5種類のボタニカルオイルを少し薄めた液体です。

これを1つずつノージングし、なんの香りかを当てるわけです。

「私を含めて、ビーフィーター蒸溜所の4人のスタッフは、毎年トレーニングの一環としてノージングテストを行います。ディスティラーにとって、嗅覚は欠かせない能力。テストに落ちれば即ディスティラー失格となります。幸い、これまでにテストに落ちたスタッフはいませんでしたが(笑)、それくらい嗅覚はジン造りに大切なんですよ」

今回用意されたボタニカルは、ジュニパーベリー、スターアニス、オレンジ、アンジェリカルーツ、コリアンダーの5種類。

受講者は、さすがはプロのバーテンダーだけあって、多くの方が正解していたようでした。

「ジンカレッジ」修了後、受講者全員にペイン氏のサイン入り卒業証書が渡された。

「ジンカレッジ」修了後、受講者全員にペイン氏のサイン入り卒業証書が渡された。

続く質疑応答のコーナーではさまざまな質問がペイン氏に投げかけられましたが、ここでは興味深かった一部を抜粋してお届けしましょう。

Q 次に注目しているボタニカルはありますか?

「ビーフィーターは創業者であるジェームス・バローが開発した伝統的なレシピを今も頑なに守り続けるクラシックなロンドン ドライジンです。これは今後も変わらないでしょう。私もビーフィーター24を含め、限定モノや季節モノなど、今までに6~7種類の新しいジンを開発した経験があります」

「現在もスペインのシェフとコラボレーションをして、新しいジンを開発中です。もちろん新しいボタニカルのアイデアはあるのですが、残念ながら今はシークレットです。でも重要なのは、新しいことでもユニークなことでもありません。なにより重要なのはバランスです。バランスが優れていて初めて、そこにサプライズが生まれるのです」

Q なぜビーフィーターは昔のレシピのまま、長年愛されるのでしょうか?

「ビーフィーターは典型的なクラシックジンです。クラシックは“古い”という意味ではありません。クラシックの条件は2つあって、ひとつはおいしいこと。そしてもうひとつは時代を超えて愛されることです」

「現代は新しいクラフトジンが次々に誕生し、ある意味“ジンバブル”の時代です。私にとって新しいジンは少々トゥーマッチです。1つのフレーバーにこだわり過ぎてしまっているように感じます。これでは時代が変わったら飽きられてしまうのではないでしょうか」

「何度も繰り返しますが、大切なのはバランスです。だからこそビーフィーターは長年愛されてきたし、これからも愛されるジンとして生き残っていくことでしょう。すべてはレシピを開発した創業者のジェームス・バローのおかげです」

アフターパーティーでは、ビーフィーターのカクテルとともに、ペイン氏と受講者が直接交流を深めました!

アフターパーティーでは、ビーフィーターのカクテルとともに、ペイン氏と受講者が直接交流を深めました!

質疑応答の後、受講者を最後に待っていたのは、プログラムの最初に受けたのと同じジンの試験!

問題もまったく同じものです。

「これはテストではありません。『ジンカレッジ』の効果測定のようなものです」とペイン氏。

普段はあまり心楽しいとは言えない試験も、「ジンカレッジ」を受講した後なら思いのほか楽しいものになったのではないでしょうか。

なぜなら1回目の試験で分からなかった問題が、いつのまにか2回目の試験では答えられるようになっているのですから。

ブランド主催のセミナーというと、どうしてもブランドの宣伝になってしまいがちです。

そういう意味で、この「ビーフィーター ジンカレッジ」はブランドの枠を超えて楽しく学ぶ場として、画期的といえるかもしれません。

次回の日本開催は未定とのことですが、今回受講できなかった方は、ぜひ次の「ジンカレッジ」にご期待ください!

SPECIAL FEATURE 一覧へ

SPECIAL FEATURE特別取材