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今月のバーテンダー

ミクソロジスト×アーティスト、
クリエイティブ・カンファレンス5月20日開催!
<後編>

南雲主于三(スピリッツ&シェアリング)/諏訪綾子(food creation)

18.04.15

「Savoy hotel American bar」の元シニアバーテンダーで、2016年には「Coffee good in spirits」 にて世界優勝したMartin Hudak、国内のトップバリスタたちと合同イベントを開催した際の一コマ。「バリスタとバーテンダーのジョイントイベントとして非常に大きな効果がありました」。

——前編では「クリエイティブ・カンファレンス」開催の意義とともに、お二人それぞれのクリエイションへのアプローチをお話しいただきました。
諏訪さんによれば、「飲むという行為の先には食べるよりも多様な可能性が広がっている」という事ですが、「カクテルを飲む体験」をいかに印象に残るものにするか、さらに詳しく伺います。


(諏訪)
嗜好品であるからこその表現ということですが、普段から体験を作っている私にとっては、「体験の中にある液体」というアプローチになるでしょうか。


突然ですが、わたし、路地裏が好きなんです。
美術館で発表する事も多いですし、照明や空間を考えるとそれは作品発表に素晴らしい環境なのですが、ふと足を向けた路地裏に、突然、美術館にあるような作品が展示されていたらものすごいインパクトが生まれると思いませんか?


「偶然」「たまたま」「思いがけなく」、すごいものに出合った、見つけた。心惹かれるのはそういう体験。いわば「事故」ですね。そういう意味で、「事故」みたいな液体が面白いかなと思います。
心の準備はないほうが、大きなインパクトになりますから。


(南雲)
「事故」っぽいというとすごい表現ですけれど、「頭の後ろをひっぱたかれたかのような衝撃的なカクテル」という表現なら僕も使いますね(笑)。

ブルックリンブリュワリー国内ローンチイベントに際してオールドファッションドビールに合わせてカクテルを創作した。

(諏訪)
そうそう、例えばこのコーヒーカップ。
カップの中にコーヒーが入っているかと思いきや、中身ではなくこのカップそのものがコーヒーだった、とか。


そういう衝撃的な要素を作り込んでいこうと思うと、主体であるモノだけでなく受け手を取り巻く状況から作り上げなくてはいけないと思うんです。


私たちは日々、食べたり飲んだりという経験を無数に繰り返していますが、いつまでも記憶に残っている経験ってその中でもほんの一握り。
では、一体どんなものが記憶に残るのだろうと考えると、味わいよりもむしろ追求すべきはその時々のシーン、つまり感覚に訴えかける刺激全般なのではないか。
だから私は、記憶に残るような「感覚」を作りたいのかもしれません。


(南雲)
そうですね。記憶に残るものって、モノそれ自体よりもエクスペリエンスなのかも。
それを眼の前にした時、高揚感や衝撃を与えられれば、それはエクスペリエンスになりうる。


僕がいますぐに思い出したのは、伝説の寿司屋と謳われている、金沢「小松弥助」の握りかな。
手渡しという行為、素材そのものの造形を生かしたような握りのフォルム……。
おいしいとかおいしくないという表現より先に、その人自身とこの握り一つ一つにどんなストーリーが込められているのかと思わされたことが記憶に残ってます。

様々なカクテルワークショップを行う南雲さん。こちらは今年3月、モーリシャス諸島のLUX Hotelで行ったカクテルワークセッション。今月はスイスのフェルメニッヒ社と合同でアロマワークセッションを企画している。 「ノンアルコールのボタニカルリキッドを独自開発してもらい、ノンアルコールジンを作るというものです」。乞うご期待。

(諏訪)
記憶に残るというと、インパクトと奇抜さだけが先行しがちですが、そうではなくて。
味わいの強弱に加え、空間・時間の経過とか、「誰」と「なぜ」そこにいるのかという物語性とか、そういう体験全体のストーリーが記憶のエッセンスの1滴になるのだと思います。


私もはじめは物理的に口に入れるものだけをつくっていたのですが、そのうちそれをとりまく光や音、場所、食べるものを運んでくる人のキャラクターなどに惹かれるようになって。
食べるという行為を取り巻くすべてのものが”味わい”になるのだと考えるようになり、今のような形になりました。


結局は、自分が誰よりもそれを見てみたくて、その好奇心が制作の源動力なのですが。


(南雲)
見てみたい、味わいたい、そういう好奇心から生まれる発想がこれからの時代のキーワードになると思います。
諏訪さんのものづくりは、ご本人がいつも「遊びの延長で」とおっしゃるけれど、その遊びの感性というか、作り手がワクワクしながらやり続けることがクリエイティブということなんですよね。

Klokaの依頼で製作した「魔法」をイメージしたカクテルを、三越銀座館内にて提供した。

(南雲)
クリエイティブ・カンファレンスのアイデア自体は4、5年前から温めていたと言いましたが、同時にこの業界には多様性が必要だと思うようになって。
日本、特にこの業界は職人気質というか、一つの技術にじっくりと向き合って深めていくアプローチが多い。
そうして一元的な見方を深化させるにつれて、多様性が鈍化してきたことも事実です。


多様性に関して非常によく体現できていると感心するのが、現在のシンガポールのバー・シーンです。
2年前はまだ混沌として、人も、スタイルもバラバラな感じがありました。
が、去年訪れた際には、カオティックだった部分が消え、世界中から集まったバーテンダーが切磋琢磨し違いを許容し、シェアしているように感じました。


これがまさに多様性が生んだ文化の成長だと思います。


そうした多様性とクリエイティビティを結びつけたものが、クリエイティブ・カンファレンスです。
多彩なジャンルの人が集まることで新しいものの味方が生まれたり、ユニークな発見があったり。
ゴールや答えを提示するディスカッションではなく、受け手それぞれが自分なりの気づきを得てくれればありがたいです。


そうしたジャンルを超えた交流は業界間のボーダーラインを薄めますし、「新しい気づき」は新しい価値を生み、創造性をひっぱる原動力になり、多様性を生む土壌につながっていきます。


日本では政策や政治の問題があってなかなか難しいですけれど、そこに人種の多様性が生まれるのが理想的です。
今回は食つながりの方をお招きしていますが、2回、3回と回を重ねる中で建築、プロダクトデザイン、ITなど、あらゆる業界のクリエイターが参加する一大イベントにまで成長させていきたいと考えてます。

第一回クリエイティブ・カンファレンスの詳細は下記にて。

(諏訪)
数年来のアイデアを形にして、この先の南雲さんの目標は?


(南雲)
来年は起業して10年の節目の年になります。
「カウンターの中のこと」を目標に掲げた10年で、ミクソロジーを定着させたり新しいドリンクを作ったり、ひとまず目標は達成できたかなと思っています。


その集大成が、夏以降に発売予定のカクテルブック。
うちが持っている技術の全て、オリジナルカクテルの解説及びレシピ、エビデンスまでをも網羅した、300ページを超える一冊になる予定です。
シェアの時代ですし、技術は継承できるものですから全てオープンにします。


次の10年ではプロダクト・製作に特化した目標を掲げています。
蒸留所やリキッド造り、そしてオリジナルのプロダクト製作。
さらにその先は、どこでもカクテルが飲めるようなオートメーション化の実現へ。


……と、色々目標はありますが、まずは今年の大きなイベントとしてクリエイティブ・カンファレンスを成功させ、新しい人と考えの流れを作る事に集中します。


[第一回Creative Conference]
*開催日時:2018年5月20日(日)18時〜 21時
*会場:ベルサール六本木グランドコンファレンスセンター
東京都港区六本木3-2-1住友不動産六本木グランドタワー9階
https://www.bellesalle.co.jp/shiset…/roppongi/bs_roppongi_cc

*定員:170名(定員になり次第締め切り、先着順)
*会費: ¥5,000(東京カクテル7デイズのカクテルパスポートの提示で¥1,000割引)
*チケット購入サイト
https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/0107mazherya.html#detail

Bar Information

東京カクテル7デイズ 2018
2018年5月18日〜27日 
東京都渋谷区神宮前6-32-10 エコファームカフェ632
URL:https://cocktailbar.jp/7days

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