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今月のバーテンダー

雪国育ちのウコンがつなぐ、
和食材とスパイスのいい関係。
<後編>

スパイス×和食材/三条スパイス研究所

17.05.15

スパ研自慢の「ターリー」は、日本でいう定食のようなもの。ワンプレートにご飯とスパイスの効いたおかず、2種のカレーとドリンク、スイーツがセットになっている。

地元の季節野菜や郷土食材を使ったスパイスおかずとお米をワンプレートで楽しむ「ターリーセット」、季節の食材とスパイスの炊き込みご飯をカレーといただく「ビリヤニセット」など、スパイスと新潟の米文化のミクスチャースタイルを提供するスパ研。


これらのメニューはスパ研の所長である東京・押上にあるスパイス料理の名店、「スパイス カフェ」の伊藤一城シェフが手がけている。


もう一方で、日本のウコンとインドのターメリックを同じ料理で使い分けたり、朝市で入手した旬野菜とスパイスの使い方を考えたり、食と農をテーマにユニークな視点で開催されるワークショップ「S研Work」も不定期に開催する。


こちらは伊藤さんと、スパ研の運営者にしてシェフの熊倉誠之介さんが担当する。
この熊倉さん、実は元バーテンダーなのだとか。

醤油漬け、焼酎漬け、砂糖漬け、塩漬け。あちこちに保管され知恵るスパイスの入った保存瓶。

新潟市内で古民家を改築したレストラン「KOKAJIYA」のオーナーシェフを務める熊倉さんは、海洋学を学ぼうと渡った沖縄で飲食業の魅力に開眼。
実際に沖縄でバーを構え、オーナーバーテンダーとして活躍した。
当時はカクテルコンペにエントリーしたこともあったとか。


現在はシェフとしてで腕をふるうとともに、スパ研ディレクターの山倉あゆみさんともにケータリングサービスなども行うフードユニット「DAIDOCO」を展開中だ。


そんな前身もあって、スパ研ではドリンクにおけるスパイスを再定義してみたいという思いがあったそう。
現に、ジンジャーシロップ、ナツメ酒、ウコン酒などいくつものシロップやスパイ酒を店で仕込んでいる。
スパイスの効いたオリジナルドリンクの開発も積極的だ。


昨年、燕市と三条市全域で毎年10月に開催されるイベント、「工場の祭典」初参加した際は、「三条Spicy Night BAR」としてこの場を解放。
スパ研らしく、スパイスを主役にしたオリジナルカクテルを振る舞った。(トップ画像)

季節の果実や野菜を濃縮したようなシロップにスパイスを合わせた「成果氷」は、夏だけのお楽しみ。

そのとき振る舞ったのは、レモン漬けウォッカに秋採れのフルーツトマトと下田地区のサンショウをあわせたカクテル、自家製金柑酒にヘーゼルナッツリキュールのフランジェリコ、グレープフルーツジュースを合わせてトニックで割ったドリンク、さらに熟成みりんとマスタードシードを合わせミルクで割ったホットカクテルも用意した。


自家製の栗の渋皮煮の煮汁とレモンを合わせ、自分たちで栽培したウコンの葉のリーフティーで割ったホットスタイルのノンアルコールカクテルも好評だったとか。


料理はもちろん、ドリンクにも旬の農作物をスパイスとして用いるのがスパ研の身上。
新たなスパイスの組み合わせを考案するときのポイントを教えてもらった。


「生で食べた時と乾燥させて粉状にした時では当然、風味も香りも異なります。
まずはその違いを把握するところから。
その際、春ウコンと秋ウコンを比べたり、日本のウコンとインドのターメリックを比べたり、比較対象があるとわかりやすいと思います。


次は水に溶かした時、油で和えた時、乳脂肪を加えた時など、触媒ごとの風味や香りの変化を比べます。
熱を加えた際の違いもぜひ、試してみてください」

地域と呼応する取り組みが評価され、昨年のグッドデザイン賞を受賞した。

さて、「DAIDOCCO」では夏場に旬の農産物だけを使った「成果氷」というかき氷販売のサービスをキッチンカーで行っている。
昨年はスパ研にも出店、特別にスパイスかき氷の出張販売を行った。
そう、ここではかき氷にもスパイスなのだ。


「これは私たちのフードユニットで、『日本の農産物の旬の味覚を味わおう』ということで始めた取り組みで、その時に採れた農産物だけを使って自家製シロップを作り、かき氷に仕立てます。
どこかスパ研とリンクしますよね。


季節によってメロンやスイカ、桃、トマト、とうもろこしなど様々な素材が登場しますが、これにスパ研のスパイスを合わせてみました。
焼きりんごのシロップにシナモン、クローブを合わせたかき氷は好評でしたね」(山倉)

三条産スパイス、新潟産インディカ米、乾燥野菜、ドライフルーツをセットにした「ビリヤニセット」。三条のビリヤニを家庭で気軽に!

2年目を迎え、スパイス文化の深化が楽しみなスパ研。
今年の目標は?


「スパ研のウコンの畑には老若男女、様々な人々がお手伝いしてくれていますし、廃れつつあったサンショウも若い農家が受け継いでくれることになりました。


スパイス文化とは何かと考えたら、文化のミクスチャーなんですね。
街と山あいの文化のミックス、お年寄りと若者のそれぞれの文化の知識のミックス、エキゾチックな海外のスパイスと日本ならではのスパイスのミックス。


それぞれが個性的な文化をミックスした時に生まれる思いがけないハーモニー、それこそがスパ研が目指すものなのだと思います。

そういう文化的融合を体験して、スパイスの効いた食事を取り入れて、気づかないうちに体も健康になっていた、そんなことが三条では当たり前になるよう、人、農、食、気候、風土、様々な『スパイス」のミクスチャーを提案していきたいと思っています」


「日本のくらしにスパイスを」から、「日本のくらしからスパイスを」へ。
三条から世界に発信する独自のスパイス文化が成熟していきそうだ。

Bar Information

三条スパイス研究所
 
 新潟県三条市元町11-63
TEL:0256-47-0086
URL:http://spicelabo.net

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