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今月のバーテンダー

未来のバーのスタンダードに!
世界初、炭酸氷登場。
<後編>

炭酸氷/KIYORAきくち

17.03.15

竹野さんとバーテンダーの深水さん(右)。バーは門外漢という竹野さんにとって、深水さんは良き理解者であり相談者でもある。

熊本出身のバーテンダー、深水稔大さんが炭酸氷を知ったのは、2016年秋に開催された「テキーラフェスタin博多」でのことだった。
同郷の後輩のブースで試飲を勧められたのだという。


「ちょっと試飲してみて、と言われて口にして、シュワシュワする新感覚の刺激に本当にびっくりしました。
これはいい遊び道具を見つけたと思いまして、後輩に取り扱い先を尋ねて。
翌週にはもう店に送ってもらう手はずを整えていましたね」


以来、故郷・熊本発の商品ということもあり、社外宣伝部長を自認してバーテンダーへのプロモーションに努めている。


「実際、バーテンダーにとって面白く遊べる商品だと思います。
初めて目にする方は弾けるアイスを見て『なにこれ!』って目を丸くされますよ。


炭酸氷の特徴は、普通のクラッシュアイスよりも硬めであること。
ガス圧が適度なので、炭酸の刺激もぴりぴりせず、むしろシャンパンのきめ細かな泡立ちに近い感じ。
だからカクテルに合わせやすいんですね」

深水さんが作ってくれた、炭酸氷を使ったカイピロスカ。キンカンとコブミカンの葉を添えて、炭酸氷の刺激をエキゾチックに仕立てた。

子ども向けの「キネコ国際映画祭」では、炭酸氷にマンゴーのピューレやカルピスを合わせた、子ども向けのノンアルコールフローズンカクテルを制作。
カラフルで刺激的な飲み物に、子どもたちも歓声をあげたそう。


深水さんのお気に入りはフローズンスタイルのカクテルだ。
冷たくてまろやか、シュワシュワとした刺激が口の中に広がる衝撃の味わいだ。
この時、炭酸の刺激で味がぼやけるので味の輪郭を際立たせるように注意して作っている。


その他、カイピリーニャ、モヒートなどクラッシュアイスを使うカクテルに応用することも多い。
スタンダードカクテルも、ワイングラスに入れて炭酸氷とサーブすれば、爽やかな刺激をまとった一味違うカクテルになる。

ジントニックは弾ける炭酸が楽しめるよう、ワイングラスでサーブ。シュワっとした口当たりがジンの香りを引き立てる。

さらに、水に炭酸氷を加えると、水の味わいがまろやかになるというインプレッションも。
製造過程で採用している超微細なフィルターの効果で原水のクラスターが細かくなるのだが、それゆえに氷が溶けた水はミネラルたっぷりの硬水であるのに、まるで軟水のように柔らかな味わいに変わるのだとか。


また、ソフトドリンクには溶けやすいがアルコールには溶けにくいという性質があり、それを利用して、ボトリング・カクテルの仕上げに炭酸氷を入れることもある。
製品特性として溶けてくるとグラスの中でパチパチと弾けるのだが、それもカクテルの演出の一貫として楽しめそうだ。


炭酸氷にハマったバーテンダーたちの盛り上がりは、竹野さんをも刺激する。
そんなわけで、現在の竹野さんの目標は炭酸氷を飲食店のスタンダードにすること。


「今までは普通の氷しかなかったので選択肢がありませんでした。
僕たちの目標は、レストランでガスあり・ガスなしの水がチョイスできるように、ガスあり・ガスなしの氷がチョイスできるような環境にすることなんです」

フローズンスタイルに仕立てたブランブルは、あえてクラッシュアイスの粒を残し、食感の違いをも楽しめる一杯に。

そのためにはもっとたくさんの人に炭酸氷を知ってもらわなくてはいけないし、生産体制を整えて誰にでも届けられるようにしなくてはならない。


「まだまだやることは多いけれど、2020年に向けて日本の、そして世界の飲食シーンに驚きをもたらしたいんです」


深水さんも「日本の氷のクオリティの高さには定評があるけれど、さらに炭酸氷も加われば、海外のバーテンダーやバー愛好家の遊び心をくすぐるカクテルを作ることができる」と考える。


「もちろんバーで使うことを考えたら、まだまだ課題はあります。


溶ける際にはじける性質を考えると、クラッシュタイプの氷しかできないこと。
ガスを含んでいるため、氷が少し白濁していること。
配送も、マイナス18度以下を維持できる特別な装備が必要なので通常のクール便は利用できません。
その分、輸送コストもかかります。


それでもカクテルの飛び道具として、こんなに面白いものはないと思うんですよ」

炭酸氷をミキサーに入れる。こんな光景がバーでの日常になるかもしれない。

今月開催される「テキーラフェスタ2017 in東京」では、さらに多くのバーテンダーが一般のゲスト向けに炭酸氷をアピールしてくれる。
また、某有名シェフも炭酸氷に興味を示しており、炭酸氷を使ったグラニテが実現するかもしれない。


「僕たちメーカーサイドでは考えもしなかった使い方や味わいが、バーテンダーの皆さんとの共同開発によって次々に実現しています。
まだ生まれたばかりの商品ですから、たくさんの方のアイデアやインプレッションを反映して、より良い氷を作っていきたいですね」


作り手であるメーカーさえをも刺激する、炭酸氷の新カクテル。
新感覚のこの刺激、ぜひバーで味わってみてほしい。

Bar Information

KIYORAきくち
 
熊本県菊池市 今129-2
TEL: 0968-36-9333
URL:http://www.kiyora-kikuchi.co.jp/shuwapop/

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