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今月のバーテンダー

京都でいちばん人気のスポット!
連日、大行列のカクテルバーって?
<前編>

L’Escamoteur/京都

17.12.01

シルクハットがキマっている、オーナーのクリストフ・ロッシさん。Photos : SADAHO NAITO

京都でいま最も注目されているスポット、「レスカモトゥール」はご存知だろうか。


世界最大級の口コミサイトYelpで、金閣寺や清水寺を抑え、「外国人に人気の京都のベストスポット1位」に選出。
ヨーロッパ最大規模のカクテルイベントの一つ、「ウイスキーライブ イン パリ 2017」においては、世界各国のバーの中から映えあるメインゲストに選ばれた。


日本人はもちろん、京都を訪れるたくさんのツーリストがその話題のカクテルにありつこうと、午後8時の開店前に行列を作る。


木屋町にある、とあるビルの狭い階段を登っていくと、映画のセットさながらの異国情緒あふれる空間が広がっている。カウンターをメインに、ブランコを配したテーブル席が1卓と、あとは立ち飲みスペースだけ。
30人も入ればいっぱいになる、小さなスペースだ。

ゴールドのフレームでトリミングしたバックバーと、長いカウンター。

天井から吊り下げられた鳥かごや名前もわからぬ古い機械、カウンターにはヨーロッパのエルボリステリア(ハーブの薬局)を思わせる薬瓶のようなガラス瓶が並ぶ。


バックバーは巨大なフレームの中に収められており、バックバー自体が一つのオブジェのようなあしらいに。
「100年前のヨーロッパのどこかのカクテルバー」をイメージしたという店内は、まるで「ハリー・ポッター」の世界に足を踏み入れてしまったかのよう。


オーナーは南仏プロヴァンス出身のクリストフさん。
この店のコンセプトからインテリア、カクテルのアイデア、照明や音楽の演出まで全て、プロのマジシャンとして活躍した彼が手がけている。


「コンセプトは100年前のヨーロッパのどこかにある薬局、もしくはマジシャンの家。
日本の人々に、異国のバーにきたようなムードをカジュアルに楽しんでもらいたかった」と、ここを始めた理由を話してくれた。


2年半前にここをオープンするまでバー業界に関わったことがなかったというクリストフさん。
その代わり、長年に渡ってフード&ドリンク、特にカクテルには興味を持ち続けてきた。


そのバックグラウンドは16歳から始めた料理、そして19歳からスタートした、様々なハーブを用いた実験的なレシピに遡る。

今年のシグネチャーの一つ、「季の美」を使った「KYOTO GARDENS」¥1,500。

「プロヴァンスの一般的な家庭ではみんなで食卓を囲む時間をとても大切にしていて、その中心には四季折々のフレッシュなハーブをふんだんに使った手料理があるんだ。
そうした環境が、さまざまなハーブを使い分ける素養を育んだのだと思う。


その後、インド音楽を学ぶためにインドに5年滞在したのだけれど、ここではスパイスの文化に触れることができた。
プロヴァンスのハーブとインドのスパイス、そうした知識を存分に活かせるからカクテルに興味を持ったんだろうね」


当時から好んだのはスタンダードなクラシックカクテル一辺倒。
だから自分のバーをオープンするときも、オールドスクールのカクテルをことのほか大切にしてきた。


「自分が心底、通いたくなるようなバーを作ろうと思った時、クラシックカクテルなら店のコンセプトにピッタリ合うと思った。
だから1年目からオールドスクールを意識したカクテルばかりを揃えた。
シグネチャーもオールドスクールと同じアプローチでレシピを考案したんだ」


現在のメニューに目をやれば、「OLD TRIKS」と題したページに、ピスコサワー、サゼラック、ビリオネアーなどクラシックなカクテルが20種以上もラインナップ。


「海外の人には馴染みの深いオールドスクールのカクテルを、もっと日本人に広めたかった」というクリストフさんの意気込みが反映されている。

自家製ビターズやシロップのボトルがずらりと並び、魔法使いの家を思わせる。

「クラシックなカクテルって本当によくできていて、レシピはシンプルで使う素材も限られているのに一つ一つのバランスが素晴らしい。
シンプルなレシピだからこそ、素材それぞれが存在感を発揮するんだ。


最近はゲストバーテンダーなどで国内外のさまざまなバーに足を運ぶ機会が増えて、それぞれこだわりのシグネチャーカクテルを味わっているけれど、レシピが複雑になりすぎているんじゃないかな。


素材が多いとそれぞれの味わいが打ち消されてしまって、結果、何も引き立たないことも。
僕にとって、カクテルはSimple is beauty なんだ」


レスカモトゥールでは毎年一度、オープン日である2月14日にメニューを一新する。


現在、シグネチャーカクテルは18種。
クラシックカクテルと同じ考え方、つまり「Simple is beauty」をベースに作られているシグネチャーカクテルへのこだわりを聞いてみよう。

毎晩11時〜1時の間にはとっておきのエリクシールもオーダーできる。

「クラシックを念頭に置いているので、うちはジンとウイスキーがメイン。


ベースとなる素材の持ち味を大切にしつつ、そのほかの副材料で僕なりの遊び心を表現している。
一口目はカクテルのレイヤーを味わってもらい、次にボディのアタックが現れ、最後に深い余韻が舌の上で続く、そんなイメージ。


その一方で、全ての素材をフラットに扱い、全く新しいハーモニーに挑戦したものもある。
これはボディが突出することなく、香り、味わい、全てが完璧なハーモニーを奏で、その余韻を楽しんでもらおうというもの。
どちらもがレスカモトゥールらしいカクテルなんだよ」


後編では、それぞれのカクテルの魅力を紹介するとともに、クリストフさんが言う「バーにもたらす“魔法”」の秘密をお教えしよう。


後編に続く。

Bar Information

L'Escamoteur
 
京都市下京区西石垣通四条下ル斎藤町138-9
TEL:075-708-8511
URL:https://www.facebook.com/LEscamoteur-1392735951033939/

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